パレオマニア―大英博物館からの13の旅 価格:¥ 2,625(税込) 発売日:2004-04 |
510先生のブログで紹介されていたのが面白そうだったので図書館にリクエストしました。池澤夏樹という人の本は初めて読みました。プレイボーイに連載されていた紀行エッセイ。ギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ、イギリス、カンボディア、ヴェトナム、イラク、トルコ、韓国、メキシコ、オーストラリア、ロンドン。大英博物館に展示されているものにインスパイアされて、それらの故郷を訪ねるという、とても贅沢な紀行エッセイ。子どもが古代マニアなので、その影響で私も古代文明は面白いなあ、と思っていたのですが、これらを読み進めていくと、人間というものは、権力と富を手にした人間というものは、古代から現代までずっと変わらず、巨大建造物を作って力を誇示したがる生き物だということがよくわかり、その流れにそって都庁舎や六本木ヒルズ、ミッドタウンを眺めると、ああ、これもまた、、、という気がしてしまう。その中で、定住せず、そのために持ち物が極端に少ない旅人であったオーストラリア、アボリジニの人々というのがとても特異な存在だったということがわかる。定住しないので富が蓄積されず、よって巨大建造物にも興味なし。もっぱら精神世界の高みを目指す生活。。。モノから開放された人間の営みがそこにはある。モノから開放されたら、本当に幸せな生活というのが見えてきそう。でも、便利な生活に慣れてしまった私には、モノと訣別する勇気がないなあ。。。モノから開放されよう!といいつつ、今日もまた新しいパソコンをどれにするか、ウキウキしながら選んでいるんだから、、、しょうのないことである。