Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

H22年度2級建築士学科試験 構造速報

2010-07-04 23:46:50 | 建築士試験

本日7/4に2級建築士学科試験がありました。
今日受講生さんの反応を聞いた感じでは、昨年は計画と法規が難しかったようですが、今年は例年通りの難しさで、特に難しくなかったようですね。
構造も、昨年簡単だったので今年は難しいのではないかという噂でしたが、基本的な内容が多く、直前講習でやったものもたくさん出たので、SS学院の方は合格できたのではないでしょうか?応力の問題が3問も出て、応力度の問題が一問も出なかったというのはちょっと意外でしたが。

No.1 バリニオンの定理が久しぶりに出てしまいました。が、模試(2)でやったことがあるのでできたのでは?三角形と四角形に分けて、それぞれの起こすモーメントと、合力の起こすモーメントが等しいというバリニオンの定理を使って、距離を求める問題。
3kN×2m+12kN×6m=15kN×xmよりx=5.2m

No.2 H14に出たものと同じパターンの断面2次モーメントの問題。
大-中+小で考えれば全て重心軸で計算できます。35L4(4乗)/3

No.3 直前で復習しました。単純梁+集中荷重の最大曲げモーメントはPL/4。単純梁+等分布荷重の最大曲げモーメントはwL2(2乗)/8。今P=wLということなので、代入するとPL/4=WL2/4。つまりMA:MB=WL2/4:WL2/8=2WL2/8=WL2/8。よって2:1

No.4 ローラーの反力は出ましたか?ローラーの反力は-0.5kN(↓)。なので
MA右=-2kN×2m+0.5kN×4m=-2kN・m。よってMAは上側引張りの2kN・m

No.5 縦トラス。斜め切断してNAとNCをΣM=0、NBをΣX=0で求めてもいいですし、節点のつり合いから、外力1kNをAと斜め材の間に挿入してNA=+1kN(引張)、斜め材=-√2kN(圧縮)。斜め材の軸力を外力のようにBとCの間に挿入してNB=+1kN(引張り)NC=-1KN(圧縮)でもいいですね。

No.6 この応力の問題がちょっと目新しかったので、びっくりされた方がいらっしゃるかも。でも、普通にA点の回転の合計、B点の回転の合計をだせばいいので、難しくはないです。
MA=1kN×1m+4kN×2m=9kN・m
MB=1kN×1m+4kN×2m-2kN×4m=1kN・m

No.7 よく出るパターンの座屈の問題。これは絶対に外さないで欲しい問題ですね。
まず同じ柱の長さの1と2、3と4を比べて、Iが大きい方が座屈荷重も大きくなるので、Iの小さな2と4が消えます。残った1、3、4をオイラー式に代入すると、P1=10/9、P3=6/4、P5=2なので5が最大

No.8 耐震性。鉄筋コンクリートラーメン構造では袖壁、腰壁が柱に取りつくと、柱が短柱になってしまって脆性破壊しやすくなるので危険。なので影響を考慮しなくてはならないので、4が不適当

No.9 荷重外力の問題。風力係数は地盤面からの高さは関係なしなので3が不適当

No.10 地盤基礎の問題。これは初出が不適当という難問。テキストにも記載がなく、施工や1級に記載があるかと思いましたが、ないようですね。ただ、1、2、4、5は正しいというのは過去出たことがあると思いますので、消去法で選べれば。。。
というわけで初出の3が不適当。これは正答率が低いと思われますので、できなくてもがっかりしなくて大丈夫ですよ。

No.11 木造の部材名と説明の組合せ。4の合掌が不適当。4の説明は棟木ですね。これは直前でやりました。3の登り淀というのもあまり見ない問題ですが、4が明らかに不適当なので、選べたのではないでしょうか?

No.12 木造の構造設計の問題。これは直前でやりました。受材>貫。なので1が不適当。2の選択肢も直前で確認しましたし、4や5に関しても、文章としてはありませんでしたが、私は講義の中で触れたので、間違いなく選べたのではないでしょうか?3の選択肢の「長ほぞ差し込み栓打ち」という見かけない言葉にびっくりしてしまって反応してしまわなければ大丈夫だったはずです。

No.13 枠組壁工法。2×4がでました。2×4が出たら数字!5のアンカーの間隔は2m以下なので、これはできたはず。5が不適当です。2.7m以下は在来のアンカー間隔ですね。比較して覚えたはずなので大丈夫。ただ、その他の選択肢は初出なので、惑わされたかも。水泳投影面積40㎡以下というのも覚えていたはずなので、4の選択肢でも迷ってしまったかも。

No.14 壁式鉄筋コンクリート造。2階建ての15㎝は必ず覚えると言ったのですが、平屋建てが出るとは。。。平屋建ては12㎝以上です。なので1が不適当。その他の数字も、3や5の45㎝は直前でやりましたが、4の選択肢は初出なので惑わされたかも?

No.15 鉄筋コンクリート造。鉄筋比は直前でしつこく確認しました!3が不適当。これは簡単。でも4の選択肢が初出なので、びっくりしたかも? 

No.16 帯筋比を求める問題。今までは式を選ぶ問題でしたが、今年は計算させる問題。でもやり方は同じなので、0.71?×2本/50㎝×10㎝=0.00284≒0.28%

No.17 鉄骨造の問題。根巻型の根巻高さは柱せいの2.5倍以上なので、2が不適当。1の選択肢、高力ボルトのピッチは公称軸径の2.5倍はやりましたが、端あきの寸法については勉強していなかったので、惑わされたかも?3、4、5の選択肢は直前でやりました。

No.18 鉄骨造の接合の問題。5は直前でやりました。5が不適当。4の選択肢も、総合模試ででてきたので直前で解説しましたよね。

No.19 構造計画に関する問題。これも直前でやりました。あきらかに2が不適当。エキスパンションジョイントのみで接する建築物はそれぞれ別の建物として計算するのでした。。。4の選択肢は初出ですが、あきらかに2が不適当なので、簡単でしたね。

No.20 建築材料(木質系)の問題。4が不適当。乾燥収縮はよくないこと。よくないことは繊維方向は少なく、繊維に直交方向が大きいんですよね?MDFやLVLについての出題は始めてですが、正しい選択肢として覚えておいて下さい。

No.21 コンクリートの材料の問題。これは1から5まで全て直前で確認した事項です。5が不適当。水和発熱によるひび割れは、単位セメント量が多いと発生しやすくなるのでした。 

No.22 コンクリートの圧縮強度試験の問題。圧縮応力度は、圧縮応力(軸方向力)を断面積で割ったもの。なので314000N÷7850?=40N/?
この問題は力学の応力度の問題として始めて圧縮応力度が出題された、と考えることもできるかも。

No.23 鋼材の材料の問題。応力度ひずみ度曲線については直前講習をふくめ、何度も解説してきたので、上降伏点とすぐにわかったのでは??Cが上降伏点

No.24  ガラスに関する問題。これも繰り返しやってきましたので、大丈夫だったのでは?5が不適当。5の説明の主語は合わせガラス。

No.25 材料の問題。ALCは吸水性が高いので、寒冷地では凍ってしまうので使えないというのを何度もやりました。なので、1が不適当

さて、みなさん何点取れました??
いい結果をお待ちしてます♪


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>No.9 荷重外力の問題。風力係数は地盤面から... ()
2010-08-15 22:57:16
>No.9 荷重外力の問題。風力係数は地盤面からの高さは関係なしなので3が不適当。

比例関係ではないので問題としては不適当でいいと思いますが
風力係数は地盤面からの高さには影響しますよ!
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牛さん、いつもコメントありがとうございます!そ... (yukineh)
2010-08-16 09:39:59
牛さん、いつもコメントありがとうございます!そうですね。おおざっぱな物言いをしてしまいました。厳密には外圧係数には建物の高さが関係してきますね!
風洞実験などはよくわからないのですが、それも高さが関係してくるのでしょうね。
正直な話構造は専門ではなく意匠系なので、「2級のテスト的には」という程度しか理解していない状態です。
(大学時代構造の石川先生には「バカ」と罵られていた生徒ですから。。。)
貴重なコメントは大変ありがたいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m
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