Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

平成27年度2級建築士学科試験 構造速報

2015-07-06 08:36:16 | 建築士試験
昨日7/5は平成27年度2級建築士学科試験でした。受験したみなさん、お疲れ様でした。
全体的には、構造はわりと簡単だったのですが、他の3教科がなかなか難しかったようです。
特に計画は、正答肢は過去問からの出題でも、他の4つが1級からの出題だったので、2級の人には初見問題だったときいています。また、そんな状態で計画に思ったよりも時間を取られてしまった結果、法規の時間が足りなくなり、法規の点数も伸びない、、、という午前中だったようです。
午後の構造と施工は、例年通り時間があまったようですが。
では、構造の問題を見ていきましょう。

No.1-3
断面二次モーメントの問題。「値の差の絶対値」の問題ですから、穴の部分だけ計算すればいいというパターン。それが軸からずれた形になっているパターンも、模擬試験で練習していたので、みなさん簡単に解けたようです。

N0.2-2
「A点に生じる」最大曲げ応力度、と言う点をちゃんとみていたかどうか。A点で切断して右を選択すれば反力を求める必要がない点気づけたか。
そこができていれば簡単な問題でした。

No.3-3
M図から反力を求めて剪断力を求める問題。1996年の出題のリバイバルです。古い問題のリバイバルがあるだろうとは思っていましたが、これでした。簡単な問題なのですが、問題集や模擬試験には出ていなかったので、解き方が思いつかなかった方もいたかも。

No.4-2
反力と応力の組み合わせ問題。これはよく練習していたパターンだと思いますので、みなさん解けたはずです。

No.5-1
これは一見、初見のようですが、ちゃんと節点のつりあいを最初に検討して、NB=0が見つかれば、NA=0も見つかるはず、、、なのですが、荷重Pに惑わされてNAは圧縮って応えている方が多かった気がします。節点のつりあいを最初に検討しよう、ってあれほど言ってたんですけどね、、、

No.6-4
これは引っ掛け問題!まんまとひっかかった方が多かったようです。勉強していた方ほどひっかかってしまったのではないでしょうか?問題文をよーく読むこと、これにつきますね。いつも、弾性座屈荷重の大小関係を問う問題でしたが、今回は、座屈長さの大小関係を問う問題。つまり、反比例の関係でひっくり返す、というのをやる前の大小関係なので、不等号の向きが逆になります!
最近の傾向として、注意力を問う問題が多いです。課題文は目を皿のようにして読むくせをつけないとまんまと罠にはまってしまいますね。

No.7-1
荷重・外力の問題。これは直前講習でちょうどやったところですね!みなさん正答できたと思います。売場>教室。

No.8-5
設計用地震力の問題。これも直前講習でやった基本的な問題。簡単でした。固有周期が長くなるほどRtは小さくなります。

No.9-2
地盤・基礎の問題。これもどの選択肢も過去問からの出題で簡単でした。根入れが深いほど支持力は大きくなります。

No.10-2
木造部材名称の問題。敷目板は初出ですが、他は過去問からの出題。これもそんなに難しくないはずです。登り淀ではなく、これは隅木の説明です。

No.11-5
木造構造設計の問題。
2の地震力に対して必要な耐力壁の有効長さは、多雪区域の場合積雪荷重を割り増すという表現は初出ですが、応力の組み合わせで、多雪区域の地震力算定用の考慮すべき荷重はG+P+0.35S+Kを思い出せれば。
3の柱の小径は、テキストには掲載されていますが、1/22までは覚えなくてもいいかな、と思っていたところをつかれてしまいました。
しかし、5の筋交は欠き込んではダメ、間柱を欠き込む、は超基本問題なので、みなさん正答できたでしょう。

No.12-3
木造接合の問題。
2の選択肢、釘を用いた一面剪断接合の主材厚は釘径の6倍以上、側材厚は釘径の4倍以上、というのが過去平成23年、25年に出題されていて、テキストにもそう記述してあるのですが、学会の木質構造設計指針によると、主材厚は釘径の9倍以上、側材厚は釘径の6倍以上なのですね。なので2は○になります。
3のラグスクリューを木口面に打ち込んだ場合の許容剪断耐力は、側面打の2/3とするも平成23年に出題があります。同じではないので、3がもっとも不適当。

No.13-3
補強コンクリートブロック造。
3の選択肢、耐力壁の長さは、厚さの40倍までなので、15cm×40=600cm=6Mまで。8Mはアウト。8Mの壁なら厚さは20cm以上必要。
4の選択肢、平屋の耐力壁の長さは床面積あたり15cmなので15cm×100㎡=1500cm=15Mなので、20MあればOK。
5の選択肢が初出で、定着長さは構造のテキストには掲載がないのですが、施工で、「横筋の定着長さは40d以上」というのがあるので、D13を使った場合、13×40=520mmはOK。

No.14-5
鉄筋コンクリート構造。
剪断破壊が、脆性的破壊なので、曲げ破壊よりも先行しないように設計するので、逆。
これはどの選択肢も既出で簡単でした。

No.15-1
鉄筋コンクリート造の帯筋比の計算。これももう何度も出ている問題ですから、みなさん簡単に解けたでしょう。

No.16-3
鉄骨構造。
2の選択肢、細長比は通常柱などの圧縮を受ける材の、座屈に関する数値として講義してきました。横座屈防止策として横補剛材としての小梁を入れる、というのもやりましたね。小梁を入れると、支点間距離が短くなる、つまり梁のスパンが短くなるので、細長比も短くなって、横座屈しにくくなるので、これは○。
3の選択肢は明らかに不適切。幅厚比が小さいものは局部座屈しにくい。
5の選択肢、パンチングシアーの意味は打ち抜き剪断力なので、木造において、釘が材を貫通して抜けてしまう現象として過去出題もありテキストにも掲載があるが、RCやSにおいて、柱に大きな力がかかると、基礎を貫通してしまう現象のこともパンチングシアというので、これは正しい記述。鉄骨造では初出。
初出の選択肢もあるが、正答肢については直前講習でやったことなので正答できたのではないでしょうか。

No.17-4
鉄骨構造の接合の問題。
2の選択肢。黒い錆は防錆効果があるいい錆で、赤い錆は鉄骨を腐食させるよくない錆、という解説をしてきたので、黒皮を取り除いて赤錆を発生させるというのに引っかかった方がいるかもしれません。
4の選択肢は有効面積=有効長さ×有効のど厚は繰り返しやっていたことなので、こちらが明らかに不適当は選べたはず。直前講習でもやりましたね。
その他の選択肢はどれも既出。

No.18-3
構造計画。
3の選択肢、剛性(変形しにくさ)は、SよりもRCの方が大きいので明らかに不適当。
他の選択肢も既出なので簡単でした。

No.19-2
耐震設計。
2の選択肢。固有周期が短い建物は、1)高さが低い 2)剛性が大きい 3)質量が小さい
質量が大きいと固有周期は長くなります。
他の選択肢も直前講習でやっているので、正答して欲しい問題。
5の選択肢、まれに発生する地震、は40年~50年の建物耐用年数中に一度は体験する中程度の地震、のことですから、損傷しないように設計します。
「きわめて」まれに発生する地震、が200~300年に一度の大地震ですから、その時は損傷しても構わない。崩壊・倒壊しないように設計します。

No.20-4
木質材料。
インシュレーションボードは軟質「繊維」板。木材の小片(チップ)を固めたボードはパーティクルボードです。これもよく出る問題として何度か紹介していますので、正答できたはず。他の選択肢もすべて既出問題で簡単でした。

No.21-1
コンクリート材料。
クリープとは、硬化後のコンクリートの梁などに継続して荷重が作用した結果おこる変形のことなので、1が不適当。
その他の選択肢の用語もすべて既出のものなので簡単でした。

No.22-4
コンクリート材料。
これも引っ掛け問題ですね。課題文をよく読まないと引っかかります。「初期強度」の大小関係をきいているので、早強>普通>中庸熱です。
平成21年度の出題 早強>普通>高炉 と同じ問題です。過去問をしっかりやっていた方はできたはず。

No.23-1
鋼材。
ヤング係数は、一般構造用も建築構造用も同じ2.05×10*5N/㎟なので、1が不適当です。
2の選択肢、直前講習では、10mの棒を20N/㎟で引っ張ったら1mm伸びる、で覚えましょうと言いましたが、応用されました。100N/㎟は20N/㎟の5倍なので、1mmの5倍の5mm伸びる、は正しい。
5の選択肢、FR鋼は高温時の強度低下が普通の鋼材よりも少ない、という解説でしたが、より詳しい数値が出題されたので困惑した方もいたかも。
しかし1が最も不適当というのは、何度もやっていて、直前講習でもやっていることですから、正答できたのではないでしょうか。

No.24-4
石材。
石材だけで1問というのは初めてかもしれません。凝灰岩、粘板岩、安山岩などはやっていなかったので、驚いたかもしれませんが、4の花崗岩は火に弱い、というのは最終講義で解説していたので、できていたと期待します。

No.25-5
その他材料融合。
5のしっくいは気硬性、も、モルタルの水硬性と対比して講義していたので、正答できたのではないでしょうか。

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