goo blog サービス終了のお知らせ 

Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

住宅とネットと殺人と

2010-11-21 15:10:48 | 本と雑誌
長い腕 (文芸シリーズ) 長い腕 (文芸シリーズ)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2001-05

長い腕 川崎草志
510先生のブログでオススメされていたので図書館で借りました。面白い!!
横溝正史ミステリ大賞の21回大賞作。主人公はゲーム制作会社に勤める「絵描き屋」と呼ばれる職種の若い女性、汐路。彼女がまずかっこいい。
そしてネットの世界から発信される悪意、怪談めいた都市伝説、江戸時代の名匠大工による住宅が絡んでくる。その奥底に共通するのは人間の脳が環境から受ける影響。要素がすべて私好み。
↓ここからネタバレ注意
最後の方の台詞に出てくる地相学。これは根拠ないと思うけど、読んでいてぞくり。変形敷地に敷地にあわせて角度をつけた変形の住宅。デザインしてますから。パースがかかったような間取りとか。。。
ところでタイトルの「長い腕」というのはどういう意味なのでしょう。
時間を越えて復讐を仕込んだ敬次郎の行為を指しているのか、ネットを使って人を操作して殺人を実行するケイジロウの行為を指しているのか。。。


音楽ミステリ?

2010-11-17 15:53:44 | 本と雑誌
シューマンの指 (100周年書き下ろし) シューマンの指 (100周年書き下ろし)
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2010-07-23

シューマンの指 奥泉光
装丁がインパクトあって、書評でも話題、シューマン生誕200年の今年、読むべしと図書館で借りて読みました。
率直に言って、クラシック論評好きな人にはいいかもしれませんが、ミステリ好きには受け入れられないのではないでしょうか?
最後、あっと驚く大どんでん返し、というのがウリなんだと思いますが、ムリがあると言うか、伏線がなく、それはないでしょう~と言いたくなる。そんな展開なら誰でもあっと驚く結末にできちゃうんじゃないでしょうか?
上品で耽美なBL小説ともいえる?


殺し屋たちの物語

2010-11-14 17:01:49 | 本と雑誌
グラスホッパー (角川文庫) グラスホッパー (角川文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2007-06

グラスホッパー 伊坂幸太郎
図書館で新刊のマリアビートルを予約しようとしたら、これはグラスホッパーの続編ということなので、予習に読むことにしました。
伊坂幸太郎の本はかなり読んでいると思ったのですが、多作なので網羅しきれない。。。
これは描写が残虐なところがあるので、痛いのが苦手な方には向かないかもしれませんが、伊坂幸太郎らしい作品。おもしろかったです。
でも、登場人物結構死んでしまっていて、続編はどうつながっていくのかしら?


レオニー

2010-11-09 10:16:00 | 映画

</object>
YouTube: 映画『レオニー』予告編

hanagumiさんから試写会のお誘いを受け、室町コレドの三井ホールでの「レオニー」試写会へ行って来ました。

室町コレドは10/28にオープンしたばかりの日本橋室町地区再開発のショップビルで、エスカレータで4階のホール入口にたどりつくまでキョロキョロしていたら、美味しそうなお店がたくさん、いい香りを漂わせていました。

三井ホールは、講演会等を目的に設計されたのでしょうか?映画を見るにはスクリーンが小さかったですね。でもその代わりにと帰りに劇場鑑賞券を2枚いただきました。11/20公開ですので、どなたか観たい方は先着ですよ~。

レオニーはイサム・ノグチの母。100年前にアメリカの大学を出て、インテリで独立心が強く文学を志していたのに、日本人男性と恋に落ちてイサムを産み、日本へ渡り、英語教師をしつつ子どもを育て、、、。

映像はとてもきれいでした。また、ポーランド人のカチュマレクが担当したチェロとピアノの切ない音楽もとても素敵。

ストーリーは、時系列をわざと交錯させているのですが、その意図がよくわからず、わかりづらい感じがしました。ところどころ挿入されるイサム・ノグチ風彫刻家(勅使河原三郎)の作業風景は、この母の熱い思いが子に伝えられている、というメッセージなのでしょうか。

前半にかなりボリュームを置いているので、後半アメリカに帰国してからの人生はあっというまに描写終了。11-12歳にしてひとりで渡米し、戦争の混乱で1人で暮らすはめになったイサムはどうなってしまったのか?アメリカに渡ったレオニーとアイリス(妹)の生活は?等駆け足過ぎてよくわからずに終了。。。欲求不満になったので原作本「イサム・ノグチ~宿命の越境者」を読みたくなりました。

10歳で自宅の設計を母にまかされ、学校へ行かずに大工の棟梁と住宅を造った場面。棟梁がかんなのかけかたをイサムに指導するところが、私的には一番印象に残りました。木を感じろ。人間の目を信じてはいけない。。。

全体的には、私はこういうマイナー系の映画は結構好きなので、いいなあ、と思いますが、興行的には難しいかもしれませんね。

芸術を志す若い人に観てもらいたい気もしますが、試写会はおばさん率90%以上といった感じでした。

イサム・ノグチ(上)――宿命の越境者 (講談社文庫) イサム・ノグチ(上)――宿命の越境者 (講談社文庫)
価格:¥ 790(税込)
発売日:2003-07-15

イサム・ノグチ〈下〉―宿命の越境者 イサム・ノグチ〈下〉―宿命の越境者
価格:¥ 790(税込)
発売日:2003-07-15