言の葉はこだまことだまものおもひ…五七五の部屋へようこそ。
8月号ぶんは、投句をお休みしました。
<近詠>
母病んで家族の絆ためされる
きず治すために医学がふやす傷
熱帯に変化しだした四季の国
秋津島豪雨ひでりが同居する
<課題句>
「嫌い」 (藤森 ますみ 選)
食うために嫌いな世辞も時に言う
嫌いではない酒きょうもよくすすむ
「海」 (須崎 東山 選)
清濁を呑みなお青い海の水
「結ぶ」(小田 善作 選)は、選外でした。
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<推せん句> (5月号近詠より・鈴木 順子 選)
泣きぬれた空のむこうにかかる虹
<近詠>
寿命まだあると信じていざ手術
水たまり蛙見習いぴょんと跳ぶ
淡々と歩こう意味は求めずに
カラフルな傘で追い出す梅雨の鬱
<課題句>
「鍵」 (高柳 閑雲 選)
もう二度と訪ねぬ部屋のスペアキー
「さすが」 (中内 まつ江 選)
さすがねと言われた先に待つ梯子
「返事」 (須崎 東山 選)
ひと呼吸おいて告げますイエスノー
<各・地・句・報> (岩田 明子 抄)
恋ごころ揺らして逃げた春の風
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<推せん句> (4月号近詠より・鈴木 順子 選)
すこしずつ誤解しあって添う平和
<近詠>
支えてたつもりの人に支えられ
打開策なくてひとまず飯を炊く
空っぽにしたくてできぬ箱ひとつ
ふたたびの逢瀬よすがにきょうも生き
<課題句>
「畳」 (花井 稔 選)
四畳半から始まった物語
畳部屋洋間に替える若夫婦
うちわ手に畳でゴロ寝する至福
「とても」 (寺部 水川 選)
わたしにはとてもと逃げる処世術
「軽い」 (鈴木 順子 選)
深刻なときほど軽くなる口調
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