何事にも兆候はある。
そのサインを受け止めるか、見逃すかによって、
状況は大きく変わる。
突然、病気になった。
と、よく聞くけれど、それもまた兆候があったはず。
『そんなはずはない』とか『自分だけは大丈夫』とか、
何の根拠もない自信が、発見を遅らせたりもする。
人間、生きている限り……というか、
今の時代はとくに、病気と無縁でいられるはずもない。
いつもの平穏な毎日がずっと続く。
……わけはない。
続けばいいなぁ……という希望があるだけ。
どんなに素晴らしいキカイだって、定期的にメンテナンスをしなければ、
性能は保てない。
人間だって同じ。
Mは40歳あたりから、ポンコツになったなぁ……と感じてたし、
リウマチにもなった。
てか、40歳まで生きていないと思ってた。←それこそ何の根拠もなく。
リウマチになって、痛い思いをしたくせに、
がん検診だとか定期健診は行ってない。
ダ―も同じく。
ダ―は、健診にいけば間違いなくどこか引っ掛かるだろうなと言う。
まぁ、そうだろうなぁ……。
Mの本音を言えば、ダーには健診に行ってもらって、
「健康」のお墨付きをいただきたいと思っている。
でも、毎日アルコールを飲み、毎日タバコを吸ってる人が、
健康であるわけがない。
本人は太く短く生きたいと言うし、
それなりの覚悟はあるんだろうと思ってる。
……けど、本当は想像力がないだけなんだろうとMはみている。
例えば、どんなにタバコの害を訴えても、
タバコをやめようとしないので、「肺気腫になったら辛いんだよ」と言っても
「その時はその時だ」と、すまして言う。
へぇ……、そ~なんだ。
本当の辛さを知らない人間って、そういうものだよね。
と、Mが言ったところで、わかるはずもない。
そうなったとき、Mに何と言うだろう?
というか、ダーには「無責任だよね」とまでMは言っている。
自分の健康に気を使わないってことは、家族のことを考えてないってことじゃん。
家族のことを考えたら、俺がいなくなったら大変だって思うわけで……。
すると、生命保険に入ってるから俺が死んでも大丈夫でしょ? と言う。
……ったく、お金じゃないデショ。
というか、
自分の体が不自由になったまま長患いすることは全く考えていないようだ。
ホント……、想像力がないわ。
Mは、そういう危機感を持ちながら生活をしているわけで……。
会社員じゃないから、守ってくれるものはないもんね。
イマドキの自営業なんて、サラリーマンよりも少ない年収でアップアップしてるのに、
仕事ができなくなったら、1円の収入も無くなる。
ま、そんときゃ、国にお世話になろう~~っと。
ダ―と結婚してから、そういうことを考えてきたから、
ストレスでリウマチになったのかも。←と、さり気なくダ―のせいにしたりして。
起こってもいない先の事を考えるのは時間の無駄だけど、
何事にも準備というものが必要。
悪いことを予測する心の準備。
それが覚悟ってことだよね。
Mの覚悟はまだもうひとつある。
ダ―だけではなく、自分自身もそう。
定期健診に行かないのは、今更だと思うから。
フ抜けた状態で長生きしたいとは思わない。
病気になった時がその時。
そこで死んだとしても、それが寿命。
まぁ、ダーのことは言えないけど。
似た者(バカ)夫婦ってヤツだ。
だから、リウマチも治療はしていない。
痛み止めは朝だけ飲むけど。
だって、痛いのは嫌だもんね。
治験薬が、今のところは薬が体に合っているというだけのハナシ。
早くこの薬が世にでるよう、貢献できればそれでいいと思ってる。
Mがリウマチになったのは、治験をするためなんだわぁ……なんて、
そう思えることが、病気になった唯一の慰めかも。
Mの体に副作用がどう出るかは、誰にもわからない。
『おまけの人生』だと思うからこそできるワケで、
人生まだまだこれから! とか、
もっと長生きしたい! とか思っていたら、たぶん尻ごみしてる。
新しい薬に走っているんだろうな。
まぁ、人それぞれだね。
人の病気については、晴天の霹靂ってのはないんじゃないだろうか。
覚悟してなかっただけ。
と、昨日からの芸能ニュース(元プロレスラーの乳がん報道)をみてそんな感想を持った。
彼女はとっても潔い人だ。
多くの葛藤があっただろうに、現実を真っすぐ受け止めていると思った。
1秒先のことさえ分らないのに、
人って、生きていて当たり前だと思ってる。
だから、少しでも危機感をもって、覚悟はしておいたほうがいい。
なぁ~~んて、
覚悟しているって言いながら、
実際ヤヴァくなったとき、ジタバタして醜態晒したらカッコ悪いね。
やだぁ~、気をつけよう……