歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

[2013英国旅:5-1] Quaramawari day

2014年09月11日 | 英国 -england-
イギリス5日目。2013年7月24日。



Gloucester郊外の可愛らしく傾いた宿にて起床。
イギリスの朝は、静かで、しっとりしている。




まずはしっかり朝食を頂きます。



イギリスの朝食、大好き。毎度同じパターンだけど。

食後の紅茶(ちゃんと大ぶりなティーポット一式で出してくれるので、たっぷり何杯も飲める)が、やっぱり嬉しい。美味しい。



それから、
速やかに旅支度。
移動しっぱなしの旅なので、ほとんど一日ごとに、新しい宿へ。





1階のパブは、結局、チェックイン/アウトの時に立ち入っただけで、利用せず仕舞い…。

全体的にこじんまり、小さい建物なので、
当然、天井も低め。あんまり体験したことのない低さでした。




泊まった部屋は、奥に見えているツタがびっしり壁に張っている棟の2階の、小さな部屋でした。
屋根にかかった小窓のある、あの部屋です。



小さすぎて、写真撮ってみたけど、うまく撮れなくて。1、2枚で断念しました。

室内は傾いてなかった。



昨夕、サヴァーン川(River Severn)の海嘯(Bore)を見に連れて行ってくれた:ベルギー在住日本人のKさん一家とは、
ここでお別れ。

Kさんは「わたし朝起きるのが遅いから、もう会えないと思うので」と宣言していた通り、この朝は会えず。
昨夜のうちにお別れ済み。

Kさんのご両親夫婦(福岡在住)や、旦那さんのフランス(という名のベルギー在住のオランダ人建築家)さんとは、朝にもお別れ。



う~~ん。やっぱり、ゆがんでるわ~。縦にも、横にも。

そんな素敵な宿:The Little ThatchのHPはこちら >> ☆☆☆




この日も、まだまだしつこく、コッツウォルズ地方を巡る予定です。というのも、
この日の宿に予約していたのが、コッツ地方のマナーハウス(=貴族の邸宅をホテル化したところ)だったので。

「せっかく行けるんだもの、一日くらいは、しっかり贅沢なホテルも体験しておかないとね!」
と予約したのは、日本でウキウキ準備中だったときのこと。当然、現金を半ば喪失するとは想像もしていません。

そのホテルはそこそこお高いのだけど、確かクレジット払いだった(はずな)ので、現金出費にはならない(はずな)ので、安心(なはず)。



でも、

昨日までの段階で既に、コッツウォルズ地方はもはやだいたい巡り終わった感があり、正直なところ、もうさっさと次の風景に行きたい気持ちでした。
なので、この日の行き先は、困った。
昨夜のうちに、近場のめぼしそうなガーデンやパークを選んで、行く事にしました。



が。

ナビにちゃんと入れてるはずなのに、なぜか辿り着けず。

あれ~?
ま、いっか。違うとこにしよう。

と、また違う目的地を、ナビに。

・・・

これまた。

うまく正しいルートに入れず、辿り着けず。

一個先のラウンドアバウトでぐるーっとリターンして、、、

あれ?無い?

また先のラウンドアバウトでぐるーっと廻って、、、


あー、やっぱり行けない。


どうもこれは、なんかおかしい。なんか空回りしてる。


時間がもったいない。

良いお天気がもったいない。




ちょっと仕切り直して、気を取り直そう。


ということで、
たまたま通りすがりに出くわしたロードサイドのホームセンターへ、とりあえず駐車(駐車場が広かったから)。



せっかくだから、ホームセンター見物。

マルムスベリーというところのホームセンターでした。



ハチミツ色のコッツウォルズストーン、売ってます。



土いろいろ売ってます。



砂利いろいろ売ってます。



花苗いろいろ売ってます。




常緑のものコーナーはこちら、とか、アルファベットごとのボックスとか、目当てのものがある人は、すんごく探し易いです。



人工芝も売ってます。もちろん、リアル芝も売ってますけども。
イギリス人みんなが、プライドを賭けてリアル芝の手入れにしっかり専念してるのかと思いきや。



この日泊まる予定の宿があるのは、コッツウォルズ北部、Stow-on-the-Woldの郊外。
Stow-on-the,,って… そう、コッツウォルズ地方に最初に降り立った時に泊まったユースホステルのあった、あの町。

旅の最初の3日間ほどは、コッツ地方の北部をがっつり・ゆっくり・丹念に堪能しよう、という心づもりだったのでしょうね、私。
まさか2日目くらいであらかた満喫し終わっちゃって ぶっちゃけ飽き始めてるとは、露にも思わず。

旅の終盤、もう一度コッツ地方に戻って来て、その時に南部をがっつり巡る予定だったのですが、
もういいや、先に行っちゃえ。ちょっと遠いのだけど、思い切って、南部の方に足を伸ばす事にしました。



ということで、はや11時。
辿り着いたのは、Tetbury(テットベリー)という町。




とにもかくにも、まず教会へ。

「旅がうまく廻りますように」とお願い。



テットベリーの聖母マリア教区教会。
少なくとも681年からキリスト教の礼拝が行われている教会。1777年にこのとんがり尖塔と塔以外のすべてが取り壊され、1781年に現在残る建物が出来たそうです。(が、その後もちょくちょく改修を繰り返して今に至る。)ジョージ王朝時代のゴシック様式です。

って、なぜやたら詳しいかというと、
なんと、日本語の解説パンフが置いてあったからです!助かるわー。




テットベリーの中心にある名所は、
マーケットホール(市場)。



現役で使われてます。



八百屋のほかには、カバンとかも売ってたり、



お花屋もあったり。



すぐそばの道路は通行止めになっていて、人に優しい感じ。





マーケットホール周りに掲げられている三角の旗。
空に映える三色。



コッツウォルズ丘陵地帯でとれる石(石灰岩Limestone)は、北東部~中部~南西部と、それぞれで色が違うそうです。

今まで廻ってきた北部は、ハチミツ色。
中部は、黄金色。
南西部に下るにしたがって、柔らかい白色に変化してゆくそうです。(『地球の歩き方』調べ。)

ということで、ここらへんは



確かに白っぽいです。厳密に言うとグレーっぽい。




教会の尖塔が見えます。方向音痴にはありがたい目印。

あの教会の位置を気にかけながら、散策します。



やっぱりハンギングバスケット。グリーンの柱の白い回廊沿いにこの素敵な3色の取り合わせ、もう全部がラブリーすぎて悲鳴を上げそう。



こういう坂道、好き。



三角のとんがり具合がきつい家が多い気がします。そしてグレー。ハチミツ色のよりもシックな雰囲気。



この町は、アンティーク屋さんが多いみたい。

入ってみました。



いろいろ。



あるある。



外にあるのはたいがいデカい。



セットで買いたくならざるを得ない、きれいな椅子。この色彩感覚ったら・・!
ここに見られる色の取り合わせの感性は、シックともキュートとも通じる。スマートとも、コケティッシュとも。また、モダンとも、クラシックとも。なんとでも通じる色彩感覚は、おそらく「普遍性」に通じるツボを突いてるに違いなくて、それはすなわち、とても素晴らしく、理想的。




天使。天使像を見ると、どいつもこいつも同僚の子のSくんにそっくりなので、どうしてもSくんのことを思い出さずにいられない、というか、Sくんは実際にリアルに天使(断言)。




弊社で扱っているのと同じものも、ある。
初めて見るものもある。
その中でも、



『FIRE』と書かれた赤いバケツは、初めて見たし、なにこれかっこいい!と思った。
消防用でしょう。

建物の中は、



インテリア用アンティークの数々。ウシの首。





鏡写し。



当然ですが何も買わず。
出る。












また、アンティーク屋さん。



奥まった中庭にある入口へのアプローチが、素敵。

細いアプローチを抜けたところにある、ぽっかり開けた、囲まれた(感じの)庭。いつか作りたい、こんな空間!

ツルアジサイも、いつか使いたい。



町の散策は続く。



旗も続く。



家同士がくっ付いてる。

ドアや窓の枠に、個性あり。赤と白が隣り合っていても、衝突感ゼロ、違和感ゼロ。



紫出て来た。ちょっと、こんな色、なかなか使えませんわ。

どんな色でもフィットするのは、明るいグレートーンのベージュが地になってるから、だろうな。





石積みじゃなく、砂利を塗込めたタイプの壁も。たまに見かけます。






パーキングが無い場合、車は基本、路肩にずらずら~、縦列駐車。
向かい合わせの停め方。小さな道だからこそ。




おや、



さっきのとは違う、小さな教会発見。



親しみの湧く、木造感。



素敵エントランス。石の腰掛け待合。

中も、



素敵な。

静かな、ちいさな教会。Church of St. Saviour

さすがにここには、日本語パンフは置いてなかった。

また、旅の無事を祈る。静かに、じっくり。





再び、町中へ。リアルRPG気分は続きます。




よくディズニーとかのおとぎ話のお城の絵でみた、城壁の天端の凸凹の、あれ。

今改めて見ると、なるほど石をああやって組み合わせて作っていたのかと、納得。





向こうから人が来た!

超狭い道は超緊迫。








庭、作ってました。



まな板、売ってました。



そんなこんなで、



再びあの、目印の塔のふもとへ、戻って来ました。

コッツ地方南部(の中では比較的北の方)にある町、テットベリーでした。



この後、「あ、これはものすごく癒されそう!」と、
「ラベンダーファーム」なるものを目指しました。




車一台しか通れない完全田舎B道路を、ドキドキでひた走り、


到着したらば






ラベンダー農園は、お休みだったのか、そもそも開放してないのか、人の気配さっぱり無く、入れず。

あー、ああ。
今日はどうやっても、空回りの日らしいや。


若干途方に暮れる午後。





今日はもう、いいや、さっさとマナーハウス・ホテルに行っちゃおう。早めにいって、お高い宿で、たっぷり寛がせていただきましょう。


ということに決めて。

でもでも、せっかくだから(というか何も無いまま帰るのもあれだから)、
今来た田舎道でも、記念に写真に撮っておこうかな、、



こういう道も、素敵だな~

、、、と、そこに!




ふああっ!




脱走兵だあああ!

イギリスといったら羊。羊に出逢うたび、テンションあがっちゃう私。
特に、不意打ちの脱走兵との遭遇とか。



脱走兵その1 は じっと こちらのようすを うかがっている。


お互いに 完全静止。

お互いに 完全に沈黙。
息を殺して、お互いにお互いの様子をうかがい合ったまま、
微動だにせず



沈黙の時が流れます







やがて

痺れを切らしたか

脱走兵は むこうに脱走した。





かわいく寄り添い合いながら*




うふふ。

良いもん見た。

良い時間、もらった。



大した収穫も 記念すべき感動も無いけど、これでいい。

そんな午後。







 >>続く。>>






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