Q.
会社では今時ではありますが、office2003が標準仕様になっていました。
そのため、前回質問させていただいたマクロのファイルも2003で作成しました。
しかし、このたび会社の標準仕様が2010または2013になります。
以前のマクロの講座で紹介されていたかもしれないのですが、使用しているPCの
officeのバージョンをあげる前に実施しておくことや注意点はありますでしょう
か?
A.
これは、あと数ヶ月で2003の延長サポートも終了しますので、今そのような
移行予定の会社も増えているかと思いますのであらためましてご説明しますと、
2003で作成したマクロを2010や2013で動かす事には殆ど問題が生じることは
ありませんので、特に実施しておくことは要りません。
ただしですが、移行した後に「逆戻りする(2010→2003など)」といった場合
には、少々問題ありありですので、その場合には注意が必要です。
その辺も含めて、以前、メルマガに詳しく書いた記事がありますので、下記
ご参考にしてください。
↓↓↓以下は、メルマガ(2013.10.07増刊号)からの抜粋です。
バージョンが上がっていく上で最も重要なことは、
バージョンアップにも大小(大幅な時と多少の時)というのがありますので、
次回の2010から2013へのバージョンアップというのは、明らかに小規模な
バージョンアップであると思いますが、Officeソフトの場合にはここ10年
で言うと、2003→2007のバージョンアップの際に大幅な改造というのが
行われたわけです。
Excelの2000や2002や2003のあいだや、Excel2007や2010(や、今度の2013も
含めて)のあいだ、その中での行き来というのは特に問題なしに気にしなく
てもよいわけであるんですが、
大幅なバージョンアップがなされた(97~2003まで)と(2007~)のあいだ
を跨ぐような使い方をする時は、特に気をつけなければなりません。
よくまれにですが、「Excel2007で作ったマクロが2003で動かない!」など
と言って怒っているような人もおられるようなんですが、
それはあくまでも素人さん的な考え方でありますので、コンピュータシステム
のことをよく知ってるプロの人間であれば、「上流のバージョン(新しい方)
で作ったプログラムが下流のバージョン上でも動くのが当然だろう・・・」
なんてことは、、考えもしません。
それは決して製造販売元のマイクロソフトに文句の言える話ではない訳です。
いくらさすがのマイクロソフトといえども、未来から過去は変えようがあり
ませんから。。(笑)
ITの世界には、「パージョンアップ」という言葉はあってもその逆の
「バージョンダウン」という言葉は存在しません。
(バージョンアップに失敗して前のバージョンに戻すという行為のことを、
間違ってそう称して使ってるという人がたまに居るだけです。。)
もし動いたとしても、それは、「たまたま運よく動いただけ。」であって
常識的には「動くわけがない。」と考えるのが正しいわけです。未来から
過去は変えようがありませんから。。
2007や2010のバージョンで作ったマクロでも、特に罫線や色関係や新しい
関数を使っていないものであれば、2003以前のバージョンでも動くという
場合は多いですし、最初ダメでも出たエラー行を片っ端から削除していく
という方法で動くということもありますので、もしそれでも動けばいい
というのであれば、それはそれでいいわけではありますが、、
基本、2007や2010で作ったマクロが下位の2003でも使える、と考えるのは、
”まるで素人考え”なだけでありますので、その不満をネット上に書き
込んだりしてプロのSEやプログラマーの人達に笑われてしまわぬよう
気を付けてください。
小規模なバージョンアップ間での移行(2010から2007とか)や、大規模な
場合でも下流から上流へ(2003から2007や2010とか)は、特に大きな問題
は起こりません。
もし、下流から上流へ(古い方から新しい方へ)移行して問題があれば、
それは製造元のソフト会社に文句を言える話であるわけです。(過去は
変えようがないですが、未来はいくらでも変えられるわけですから、
作った会社はちゃんとその辺を考えて作る責任があるわけです。)
こんな荒んだ時代(!?)ではありますが、我々、現代に生きる者達の頑張り
次第で、輝かしい人類の未来を切り開くということは可能でしょうし、
核兵器や原発ゼロの世界という未来も、実現できるかもしれません。。。
(すいません、これは余談です。)
最後にバージョンの基本についてまとめますと、
大規模なバージョンアップが行われた際(2003→2007)のマクロの行き来は、
下流から上流へ(Excel2000や2003 から 2007や2010への移動)は、○
上流から下流へ(Excel2007や2010 から 2000や2003への移動)は、×
これが根本的な、基本中の基本です。
バージョンを混在して使わなければならない状況の方は(自宅のPCが
Office2010で、会社は未だ2003だ、といった人は)このことだけはよく
よく意識をした上で、マクロ作りに励んでいただくと大丈夫と思います。
コンピュータプログラムというものは(ここで教えているマクロを含めて)
とても便利な反面、元来よりそうした厄介な面も持ち合わせている・・・
というものでもありますので、そうご理解ください。
「エクセルマクロを10分で理解する(動画)」
昨日のCNETJapanのニュースで、
▼山形県がMS Officeを再評価、2014年度中に全庁導入--OSSから回帰 (_CNETJapan-トップ - 2013.09.04)
http://japan.zdnet.com/business-application/analysis/35036808/
という記事が出ましたが、経費削減で数年前から地方自治体に広まってきていた無料(または小額)のOffice似ソフトへの依存体質へ歯止めがようやくかかってきたという感じですね。
記事によると、2年前にOpenOffice.orgを全面採用した山形県では、書式やレイアウトなどが崩れる事象が頻繁に発生しての手直しでの作業効率低下で、かえって人件費の無駄を招いてしまったということです。
こういったOffice似ソフトというのは、「マクロはほぼどれも使えない!」というのもさることながら、これら使ってみると一目瞭然なんですが、やはり真似したバッタものは所詮、バッタものに過ぎない・・という感じがするわけです。
たとえば、Excelをそっくりに真似した模造の表計算ソフトではなく、独自のもっとExcelより使いやすい(私の希望としてはExcelより軽い)表計算ソフトというものを独自の技術で開発して、それを安く(または無料で)提供してくれるというのであればともかくなんですが、ただ、Excelそっくりの互換性(ファイル形式も操作性も・・)だけを強調して、本家より安い事だけを売りにするソフトというものは、いかがなものか?と思ってしまうわけです。(独占企業なのでOfficeソフトが高いというのは事実ですが・・・)
かつて(もうなくなってしまった?)ロータス123というExcelに対抗できる表計算ソフトが存在していたように、マイクロソフトがこの分野を独占することが決してよいことではないと思いますので、そうしたソフトを製造する会社や団体は、Officeの模造ではなく独自の対抗できるものをぜひ目指してほしい・・・と願っています。