国家における外交とは何かが問われる話です。国の将来像、国家観があって外交努力をするのかが問われるのだと思います。地球儀外交とは中国憎し、中国包囲網を作るために必死に外交努力を行う。私は、日本軍国主義復活、中国的視政策を成し遂げたいために訪問しました。と言うような指導者を「歓迎」「ともに努力しましょう」などというほどおろかな指導者、政権はないのではないかと思います。
21世紀は紛争を話し合いで解決する時代。国連が中心となり、軍事力による威圧、資源の略奪などがない世界を作る。その世界の政治的潮流から全く離れ、異なる動きを重ねても、良い結果を生み出すはずがありません。そもそも考え方が間違っているからです。
アメリカでは次期大統領選挙で共和党がブッシュ弟を候補にしようとの動きもあるようです。ブッシュ・ブレア・小泉によるイラク政権転覆の軍事作戦、リーマンショックによる経済危機で、ブッシュの政治評価が落ちているにもかかわらず、ブッシュ人気(無いに等しい)にすがるアメリカ共和党もガラパゴスのような政党になっています。腐っても鯛、腐っても世界のアメリカ、その政権にどのような思想、政治家がつくかは4年後の世界の政治経済に大きな影響ができることも確かです。しかし、これだけ時代が分かっても戦争にこだわり、軍事力で対応することにこだわる政治家、政党がアメリカ、日本で中枢に存在し続けるとは異常なことです。
<北海道新聞報道>
安倍地球儀外交 37カ国訪問も足元の中韓空白解消めど立たず
日本と価値観を共有する国を戦略的に訪問する安倍晋三首相の「地球儀俯瞰(ふかん)外交」が岐路に立たされている。首相は8日まで10日間にわたり欧州6カ国を外遊するなど、2012年末の就任以来37カ国を訪問し、経済開発や安全保障面での連携を確認。夏にはオーストラリアや中南米歴訪も予定するが、政治、経済両面で密接に絡む中国、韓国とは依然として関係改善のめどさえ立たないまま。足元の「空白地帯」解消は手探りの状態が続いている。
首相は就任以来、ほぼ月1回の頻度で外遊を重ねてきた。足を運んだ国は米国やロシア、東南アジア、アフリカなど延べ43カ国。
首相は昨年1月の所信表明演説で「地球儀を眺めるように俯瞰し、戦略的な外交を展開する」と宣言。政府関係者は「台頭する中国への包囲網を構築する狙いもある」と地球儀俯瞰外交の意義を説明する。
ただ、中韓両国とは靖国神社参拝など歴史認識をめぐり関係が冷え切った状態。3月にオランダ・ハーグで開かれた核安全保障サミットでは、オバマ米大統領の仲介でようやく日米韓の3カ国首脳会談にこぎ着けたが、2国間での首脳会談開催は見通せていない。
安倍政権は今秋に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日中首脳会談の実現に向け、関係改善への地ならしを本格化させている。政権内では「2国間での首脳会談に発展させるのは簡単ではない」(政府関係者)との見方が広がっており、空白解消にはなお時間がかかりそうだ。
弟ブッシュ氏の16年大統領選挙
<WSJ>
米国最大のスイングステート(浮動票が多い州)であるフロリダ州の元知事。有名な政治家一家の出身。多額の寄付をする共和党支持者のお気に入り――。
そんなジェブ・ブッシュ氏が2016年の大統領選挙への出馬を決断すれば、共和党に彼ほどの経歴や家柄に対抗できる候補者はそうはいない。だが、彼にわくわくするだろうか?彼の名前を聞いて、共和党支持者の魂は揺さぶられるだろうか?一般大衆は彼に声援を送るだろうか?
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と米NBCニュースが共同で実施した最新の世論調査で、こうした疑問が浮かび上がった。
1つには、兄のジョージ・W・ブッシュ氏が2000年の大統領選挙に向け共和党候補として他候補を圧倒したような支持をほとんど得ていないことが挙げられる。共和党員――特に熱心な党員――の中では、ジェブ氏は例えばケンタッキー州のランド・ポール上院議員らライバルになりそうな相手より後れを取っている。ヒラリー・クリントン氏が民主党員から得ている熱い支持の足元にも及ばない。ましてや若い世代や女性、ヒスパニック系の有権者は言うに及ばずだ。
まず兄のW・ブッシュ氏と比べてみよう。1997年9月の時点でW・ブッシュ氏に肯定的な見方をする米国民の割合は30%近くを占め、否定的な評価はわずか15%だった。次の大統領選挙までの残りの年月を比べると、当時のほうが今より7カ月長い。
W・ブッシュ氏に対する肯定的な評価は1998年末までに53%に達した。その時の否定的な評価はわずか9%だ。(次の大統領選挙まで2年という同じタイミングでみると、2006年12月に実施されたWSJ/NBC世論調査では、当時、民主党候補だったオバマ大統領と、共和党候補のジョン・マケイン氏はともに半数を超える肯定的評価を得ていた。)
現在、弟のジェブ氏は――「ブッシュ」の名前自体がダメージを受けたことも一因だが――逆の立場にいる。米国民の3分の1近くがジェブ氏を否定的に評価しており、肯定的な評価はわずか21%だ。残りの約3分の1はどちらの見方も示さず、わからないと回答した人もいる。
ジェブ・ブッシュ氏を担ぎ出そうとしている共和党員の多くは、異端の自由論者であるポール氏が共和党の大統領候補に浮上するかもしれないことにいまいましく思っている。
WSJ/NBCの世論調査によると、全体的にポール氏の方がやや多い支持を集めており、共和党員の中でも同様だ。11月の選挙に高い興味を持っていると回答した共和党員の中では、ポール氏の優位性が一段と高まる。より熱心な党員の間では、58%がポール氏を肯定的に評価したのに対し、ブッシュ氏は44%だった。
民主党の有力候補とされるクリントン氏と比較するとその差はもっと拡大する。元ファースト・レディーであり前国務長官のクリントン氏は、民主党員のほぼ全員に好かれている。党員の77%が肯定的に評価しているのだ。
クリントン氏の評価は34歳未満の若い世代や女性、ヒスパニック系の有権者の間でも目立って高い。これら3つの有権者層は2回の大統領選挙でオバマ氏の勝利をけん引した支持層だ。
少なくともジェブ・ブッシュ氏にとって、ホワイトハウスまでの道のりは兄が通ったものよりはるかに困難なようだ。