“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

法人税率引き下げのまやかし

2014年05月12日 12時58分17秒 | 臼蔵の呟き

問題の本質は、法人税率の引き下げが主要課題でないことはあきらかです。法人税率が低いから、日本に投資をしよう、生産拠点移転させようなどと考える多国籍企業があると思いますか?

本当に、安倍、自民党、民主党などの主張は、うんざりです。でたらめで、長期的な視点に立つ、政策検討、提起ができない無能な政治家、政党としか言いようがありません。中国や、東南アジアに進出する製造業、企業は法人税が低いから出るなどと言うことを重要な政策決定の要因にはしていません。彼らの行動で、重要なことは市場が近いこと。賃金水準が安いこと、市場規模が大きい場所、政治的に安定し、治安がよいことなどです。そのくらいのことは誰でも分かることです。国民を馬鹿にしたような言い訳で法人税率を下げるのは止めること。

<河北新報社説>法人税率引き下げ 

安倍晋三首相の意を呈して、法人税の実効税率引き下げに向けた政府税制調査会の検討が始まった。
 法人税率を引き下げれば国内外からの投資が拡大する。投資が拡大すれば企業活動は活性化する。企業活動が活性化すれば法人税収は増える。安倍首相の経済政策「アベノミクス」が描くシナリオは、あたかも「風が吹けばおけ屋がもうかる」がごとしだ。


 確かに欧州では、税率を引き下げて法人税収入が増えた。アベノミクスも、この「法人税のパラドックス(逆説)」の再現を目指す。ただ、現実の経済活動は、為政者の振り付け通りに踊ってくれるものなのか。
 世界的な法人税率の引き下げトレンドは欧州に端を発する。地理的にも経済的にも統合された欧州では、企業がより税率の低い国へ、いとも簡単に移転してしまう。企業を自国に引き留めるため、あるいは隣国から引き抜くために税率の引き下げ競争が起きた。

 一方、極東の島国に進出しようという企業は、市場の将来性やビジネスチャンスの有無を慎重に見極めて投資を決める。欧州の事例がそのままわが国に当てはまるわけではない。
 製品輸出国がひしめき合うアジア経済圏で、日本が周辺諸国並みに税率を引き下げたとしても、賃金の高さや厳格な品質管理などがネックになって海外企業の誘致は難しい。それでも日本に生産工場を設けたいと考える海外資本は、高度な先端技術産業に限られる。まっとうな投資はごく一部にとどまり、企業の乗っ取りが横行する、という指摘もある。
 中国・大連にも生産拠点を有するアイリスオーヤマ(仙台市)の社長大山健太郎氏は「法人税率は、製造原価の安い東南アジアで、どの国に進出するかを選択するときの判断材料の一つにすぎない」と言い切る。
 机上の経済理論に対し、世界市場で厳しい勝負を繰り広げてきた企業経営者の、これが率直な「法人税」観だ。

 「失われた20年」の間、日本の企業は耐用年数の過ぎた設備を使い続け、最新設備を続々投入した中国などに大きく水をあけられてしまった。ここでもアベノミクスは、法人税率を引き下げれば、その分が設備投資に回り、企業を強くするとともに経済全体を潤すとそろばんをはじく。
 税率の引き下げで企業経営が身軽になるのは確かだが、投資意欲が低いのは、もともと資金が払底しているからではない。日本企業の内部留保は年々歳々、膨らみ続けているのだから。
 労働運動総合研究所の試算では、2012年度末時点の内部留保は482.1兆円に上る。それは、安倍首相が「ため込むのではなく賃上げを」と経団連に要請したほどの額だ。
 税制による成長戦略が駄目だとは言わないし、リスク覚悟の政策選択が必要なときもある。ただ、そこには、十分な説得力がなければならない。


おかしいと感じる感覚を大切に

2014年05月12日 10時59分53秒 | 臼蔵の呟き

長いものに巻かれて、出来るだけ、時代の変化、影響から身を守ろうとする思考は、人間として誰しもがもつ感情なのかも知れません。誰かが、声を上げることは良くても、自分がその役割、主役にはならないと。

権力者が一番都合よく、社会を支配するのは国民を分断することです。その分断により、自らへの政治的批判を分散化させて、政治変革のエネルギーにまで発展させない。そのためには、支配層を批判しないように世論を都合よく誘導する。批判するような集団、グループ、組織を孤立化させ、分断し、力をそぐこと。このようなことを常に彼らは行ってきましたし、現在も行っています。誰かが白と言えば、黒と言う人間を対置させる。御用学者を使ってさも、もっともらしいことを宣伝する。御用学者には資金提供を行い、支配下に置く。

さらに、彼らは自分たちにとって都合の悪いことを主張する集団、組織の声を無視し続ける。無視することで時間を稼ぎ、批判者が疲れることを待つ。そして、多くの疲れた批判者たちがあきらめるのを待つ。

経団連に代表される企業は、これらの手法をあらゆる課題で使って、自らの利益を最大化するように活動しています。そのためには政治資金で、政権、与党をがんじがらめに締め付け、自らの代理人として政治経済、司法を動かしています。高級官僚などは、再就職先として収入、身分保障を通じて、癒着、支配する構造を作り上げています。

衆議院、参議院選挙などで、自民党、公明党、政権与党に組する人物、候補者に投票しない。彼らの政治支配をやめさせることこそが、真の改善につながるのではないかと考えます。彼らのうその政策宣伝、理屈をおかしいと感じる感覚を大切にしなければと思います。そして、おかしいと感じたことを声に出してゆくこと。まずは、そのことがすべての始まりなのかと思います。

<信濃毎日社説>原発事故の問いかけ 転換への一歩として

 「原発いらない」「再稼働やめろ」

 5月2日夕、首相官邸前に集まった大勢の市民が、ドラムの音に合わせ、脱原発のシュプレヒコールを響かせていた。この抗議運動は2012年3月、政府が示した関西電力大飯原発の再稼働方針を機に始まった。毎週金曜日に開かれ、この日で100回目。同様の運動は県内を含め各地に広がっているものの、政府が訴えを聞き入れる兆しはない。

 「100回もこんなことをやらせるな」。官邸前ではそんな叫びが上がった。

   <滅亡に向かう曲線か>

 東京電力福島第1原発の事故後、多くの人が原発の危険性に目を向けた。水素爆発の写真や映像、福島の人たちが故郷を追われた過酷な現実は、原発は安全という虚構を突き崩した。崩れたのは“安全神話”だけではなかったのだろう。このころ会話を交わした人々の多くが、これまでの社会のあり方に対する疑問を口にしていた。

 本紙にも、読者の思いが寄せられている。「景気浮揚だけを追い続ける経済活動に、主婦として疑問の目を持ち続けていこうと思う」「環境や人心の絆を壊す利器の開発はやめ、利便偏重から脱して、心豊かな社会の構築に努めてほしい」「足元の生活を見直し、少しでも地球にやさしい日常に変えていけたら」

 行き詰まりを感じさせる理由は以前からあった。増加する自殺者、深刻な少子高齢化、不安定な雇用、国と地方が抱える膨大な借金…。01年の米国同時多発テロ、08年のリーマン・ショック、同年に秋葉原で起きた無差別殺傷事件などの事象を「近代システムの破綻」「資本主義の限界」の表れとして挙げる識者が少なくない。

 社会学者の見田宗介さんは、生物学でいう「ロジスティック曲線」を用いて、いまの日本が置かれている状況を分析している。

 例えば、ある昆虫が森に移りすむと、最初は少しずつ個体数が増え、やがて大増殖する。森の環境容量に近づいてくると、滅びないよう個体数がほぼ横ばいで推移するようになる。この増殖の流れがS字形の曲線を描く。

 日本の人口の推移が、この曲線と重なる=図。横ばいになるのを「安定平衡期」と言うが、どの生物も移れるわけではなく、滅びる種も多い。この場合を「修正ロジスティック曲線」と呼ぶ。日本の将来推計人口はむしろ「修正―」の方に近いという。

 見田さんは各国の人口統計も調べている。世界人口は増えているけれど、1年当たりの増加率は1970年をピークに急激に下がっていると指摘している。「どこかで方向転換しないと、これは必ず人類は滅びに至るわけです。今後人間はどうやって安定平衡期に軟着陸するのかと、そういった時期にきている」(「現代社会はどこに向かうか」)

   <おかしいという感覚>

 社会のありようを変えることの重要性は、経済学者や歴史学者、哲学者、芸術家、作家らが、それぞれの世界で感じ取っている「異変」を基に訴えている。温暖化に伴う異常気象、穀物生産量や漁業資源の減少といった問題は、近未来を生きる人たちに迫る危機の前兆なのかもしれない。

 それなのに政府は、原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、成長一辺倒の道を歩もうとしている。「私たちの社会のどこかがおかしい」という感覚を、もっと

煮詰めなければならない。

 官邸前や国会周辺での抗議は2時間にわたって続いた。運動が始まって間もないころは、およそ20万もの人々が沿道を埋めた日もあった。いま集まるのは1500~3千人という。

 運動を主催する「首都圏反原発連合」のミサオ・レッドウルフさんは「自民党に政権が移ったころから参加者が減ってきた。日常に流され、熱が冷めるのも人のさがだと思う」。自身は7年ほど前から、原発に反対する活動を続けてきた。関心が薄かったころを知るからか「不条理な状況には免疫がある」と苦笑いする。

 社会の転換を図ることは容易でない。それでも、未曽有の原発事故がもたらした問いを忘れず、エネルギー問題のこれからを見据え続けていきたい。新たな社会へ向かう第一歩として。

 

 


消滅都市リスト

2014年05月12日 06時15分31秒 | 臼蔵の呟き

日本の政治経済の無作為、矛盾が将来的にこのような結果をもたらすかもしれないとの分析結果です。

この分析から言えることは、地方の過疎化、限界集落が市町村レベルの小都市まで及ぶことを意味しています。また、急激な人口減少は、自治体機能の維持が出来なくなることも意味しているのではないかと思います。少子高齢化は、日本社会の現状を表していますが、自然現象として起きているのではなくて、政治経済がもたらす構造的な問題から派生しています。その自覚がない政治、行政の無策のなせる業です。生まない夫婦、家族が悪いと言って突き放している限り何も問題は改善しません。

住む場所がない。経済的に子どもを持てない。教育費が高すぎて、子どもの数を制限する。子どもがいると働くことができない、その結果、収入が少なくて生活維持ができない。保育園が少なくて働くことができない。などなど、政治がその制約条件を改善、緩和することが出来る課題が沢山あります。

<毎日新聞社説>消滅都市リスト 東京集中への重い警告

 厳しい警告である。産業界や学界の有識者らで構成する「日本創成会議」の分科会(座長・増田寛也元総務相)が独自の人口推計を盛り込んだ資料と提言をまとめた。2040年までに日本の市区町村(政令市区部も個別に計算)の約半数が最終的に「消滅」の可能性がある状態に追い込まれかねないと指摘、個別のリストを公表した。

 試算は今後も東京など大都市圏への人口流入に歯止めがかからない前提で算出したものだが、誇張とは言い切れない。人口減少ペースをできるだけ緩和し地域崩壊を食い止めるため、地方での長期的な人口確保策の検討を本格化すべきだ。人口減少は不可避とはいえ、個別試算まで示されると多くの自治体にとってはやはり衝撃だろう。

 資料は将来人口を決定づける要素として「20〜39歳の女性人口」に着目した。2010年から40年までの30年で同人口が5割以下に減る市区町村について増田氏らは人口減少を防止できず自治が困難になりかねない「消滅可能性都市」と定義した。

 国立社会保障・人口問題研究所の各種推計にもとづき試算した場合でも373市区町村がこの基準に該当する。だが、増田氏らは大都市圏への人口流入が研究所の想定以上のペースで継続しかねないとみており、その場合、全体の約5割の896に拡大してしまう。そのうち人口が1万人を切る市区町村も523と全体の約3割を占め「このままでは消滅の可能性が高い」と分析している。

 増田氏らは昨年末に月刊誌でもこうした試算を公表し波紋を広げたが、今回は個別市区町村の推計を公表しただけに影響は大きい。「消滅」との過激な表現や地方からの人口流出の見積もりには議論もあるだろう。だが、東京などでは今後、後期高齢者が激増し介護など要員ニーズなどが想定され、地方から大都市圏に若い世代が流出する要因となる。出生率が低い東京などへの人口流入で人口減少と地域社会の空洞化が一層加速する懸念は否定できまい。

 同時に公表した提言は人口減少を緩和するため12年で1.41だった出生率は25年に1.8にまで上昇することが望ましいとの目標を掲げた。子育て支援などの社会環境の整備と地方活性化に向けた施策を両輪で回すべきだ。提言では各種政策も列記したが「東京一極集中」是正は価値観を転換するくらいの覚悟がいる。

 分科会があえて個別リストを公表したのは全体数や社会保障の制度論議に偏重しがちだった人口減少問題を地域の現実的な課題とする認識を共有する狙いからだったという。実態を見据え、地に足のついた議論を進めていく端緒とすべきだ。


福島除く東北5県 137市町村消滅可能性 2040年推計

 学識経験者らで組織する「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)は8日、全国の市区町村の2040年の人口推計結果を公表した。福島県を除く東北5県の市区町村172のうち137市町村は、子どもを産む中心世代の若年女性人口(20~39歳)が10年比の50%以下となり、急激な人口減少で自治体機能の存続が難しくなる「消滅可能性都市」に分類された。

 消滅可能性都市とされた市町村数は青森35、岩手27、宮城23、秋田24、山形28。若年女性の人口減少率が最も大きいのは青森県今別町で88.2%。同外ケ浜町83.1%、同中泊町79.7%、同深浦町79.3%、山形県鮭川村78.1%と続いた。
 消滅可能性都市が県内の市町村に占める割合が8割を超えたのは全国で青森、岩手、秋田、山形の東北4県と島根県のみ。同会議は「東京への人口移動は他地域と同様だが、東北の出生率の低下が西日本より進んでいるため」と分析している。
 消滅可能性都市の中で人口1万人以下の自治体については「このままでは消滅する可能性が高いと言わざるをえない」と指摘。東北では青森23、岩手15、宮城12、秋田10、山形19の計79市町村が該当した。
 県庁所在地でも青森、秋田両市が消滅可能性都市となった。仙台市の若年女性人口も減り、青葉区32.3%減、泉区41.9%減などと試算。若年女性人口が増えるのは8.3%増の宮城県富谷町、15.2%増の秋田県大潟村だけだった。
 福島県は福島第1原発事故の影響で人口の試算が困難として、市町村別の推計は見送った。
 座長の増田元総務相は東京都内での記者会見で「この推計を現実として受け止め、共有することが大切だ。各自治体によって対策が違うはずで、早く取り組まないといけない」と訴えた。
 同会議は、国立社会保障・人口問題研究所が昨年公表した将来推計人口を基に、40年の若年女性の数を試算。全国では、東北の137市町村を含む896市区町村が消滅可能性都市と分類され、全体の49.8%を占めた。
 宮城県内で消滅可能性都市とされたのは、石巻、塩釜、気仙沼、白石、角田、登米、栗原、蔵王、七ケ宿、村田、川崎、丸森、山元、松島、七ケ浜、大郷、大衡、色麻、加美、涌谷、美里、女川、南三陸の23市町村。