中国、日本の軍用機が異常接近したとの報道があります。尖閣列島の領有権問題、靖国神社参拝、南京大虐殺などの歴史認識で中日政府の関係は最悪の状態にあります。このようなことが東シナ海における軍事衝突の可能性を高めています。紛争を話し合いで解決することなく、軍事的な対抗、対立では何も生み出しはしません。
もう1つの問題は、安倍、自民党政権、右翼勢力が、これらのことを使って、自衛隊の軍備増強、集団的自衛権行使容認、武器使用の容認世論を形成することに利用していることです。紛争を平和的に解決する、話し合いで解決することこそが、最善の道であることを確認すべきです。武力での問題への対応には未来はないことを確認すべきです。
<報道>
24日に東シナ海の公海上空を飛行していた自衛隊機2機に中国軍の戦闘機が数十メートルの距離まで接近したことを受け、小野寺五典防衛相は25日、「常軌を逸した行動だ」と中国を厳しく批判した。現場は日本と中国の防空識別圏(ADIZ)が重なるエリア。偶発事故の危険性が浮き彫りとなり、不測の事態を防ぐ手立てが急務となっている。防衛相は25日、安倍晋三首相に24日夜に報告した際に「引き続きしっかりした態勢をとってほしい」と指示されたと明らかにした。政府は同日夜、外交ルートを通じて中国に抗議した。
中国軍機が自衛隊機に異常接近した現場は日中中間線の周辺で、尖閣諸島から北方向に約200キロ~300キロメートルの位置。中国軍のSU27戦闘機2機が午前11時と正午ごろ、海上自衛隊の画像情報収集機OP3Cと、航空自衛隊の電子測定機YS11EBにそれぞれ約30~50メートルの距離まで接近。空対空ミサイルを装備した戦闘機が自衛隊機の後方に回り込んだもようだ。
警戒監視が目的の外国機への接近は「数百メートルが常識的」(自衛隊幹部)で数十メートルの近さは異例。防衛相は25日、記者団に「このように接近する中国戦闘機の航行はいまだかつてなかった。特異な例なので公表した」と語った。自衛隊機は「通常の警戒監視の任務で航行していた」といい、東シナ海での中国とロシア海軍による合同軍事演習を監視していたようだ。
相手側の防空識別圏内であっても公海上なら警戒監視は問題ないと防衛省幹部は語る。中国機はミサイルを搭載しており「かなり緊張感をもって対応していた」と防衛相は危機感を示した。接近された自衛隊の航空機はプロペラ機で「マッハの速度を出せる戦闘機からはとても逃げられない」(自衛隊幹部)という。
議員外交などで日中関係の改善を探る動きが双方から出てきたタイミングだけに、政府は中国側の意図をつかみあぐねている。防衛省には「政府の指示なしに現場の判断で戦闘機が突発的に動いた可能性もある」(幹部)との見方もある。防衛省は東シナ海上空での警戒監視を継続する方針。政府はかねて海上での衝突を未然に防ぐ「海上連絡メカニズム」の構築を中国に呼びかけている。
<レコードチャイナ報道>
2014年5月25日、中国国防部は、東シナ海で自衛隊機に中国軍機が異常接近したと日本メディアが報じたことについて、「自衛隊機が中国の防空識別圏に侵入し、中ロ合同演習に対する偵察・妨害を行った」とした上で、「中国軍用機を緊急発進させて必要な措置を取った」と発表した。中国新聞網が伝えた。
国防部は「自衛隊機が演習区域に侵入し危険な行動を取ったことは、国際法に著しく違反するものであり、誤った判断や空中での意外な事件を招きかねない」と強調し、日本に抗議したことを明らかにした。