食料を自給できない国家は、真の意味で独立国家と言えるのか考える必要があります。安倍、自民党などが勇ましく海外で戦争できる日本、自衛隊と叫んでいますが、どうやって日本が戦争に巻き込まれたり、戦闘状態に入ったら、食料を確保するのでしょうか。片方で戦いながら、片方の手で食料を輸出して欲しいと言うのでしょうか?ばかなことをいうなと言われてしまいます。
まともに、食料も自給できない国家が戦争ごっこをしたいなどと言うのは寝言みたいな話です。安倍、石破、自民党中枢、右翼など考えは軽薄そのものです。中国・アジア侵略戦争時に餓死した兵士、栄養失調で食べることが課題であるような状態で、他国と戦うなどができるはずがありません。
農業の効率化とこの社説でも言っていますが、日本の農業、林業、酪農などが効率面でアメリカ、オーストラリア、カナダなどと比較して、上回ることはありません。こんなことは少し、知識があるものであれば、誰でもわかることです。効率的、非効率で食糧問題を論じること自身が非常識なのです。そんなことはないと主張する人は自らの食料をすべて自前で調達したら分かるはずです。いついかなるときにも調達することが出来るはずもないし、生産者の苦労を知ったらそのようなおろかなことは言えるはずもありません。
<毎日新聞社説>食料自給率目標 農業強化に逆行するな
政府が食料自給率目標の見直しを進めている。食品の熱量を基に算出したカロリーベースの自給率は、必ずしも国内農業の実力を反映しない。目標として掲げる意味から問い直すべきだろう。
国民の生活を守るために国内農業の強化は欠かせない。生産者の意欲や努力を反映し、農業の構造改革を促す目標の設定を求めたい。
政府は2010年に策定した「食料・農業・農村基本計画」で、20年度に50%まで引き上げるとの目標を掲げている。しかし、今週、閣議決定された農業白書によると12年度の食料自給率(カロリーベース)は3年連続で39%にとどまった。40%前後の水準が10年以上も続き、目標達成の現実味は乏しい。
そこで、来年まとめる新しい基本計画では実態に即した目標に引き下げようと、農水省の審議会が議論を進めているわけだ。しかし、カロリーベースを目標に掲げること自体に疑問がある。
これは国内で消費した食品のうち国内産が占める割合を、熱量を基に算出した数値だが、国内消費の約2割は食べ残しなどで大量に捨てられている食品だ。それを減らせば国内農業の実力にかかわらず、自給率は高まる。一方、国内産が7割以上を占める野菜はカロリーが低い。野菜農家が頑張っても目標達成にはほとんど貢献しないのだ。
自給率が低迷している大きな原因は、カロリーの高い肉類の消費が多いことだ。食用の家畜は65%が国内で飼育されているが、輸入飼料で育てられるとその肉は国産とみなされないため、自給率は15%程度にとどまる。これを引き上げるには飼料を国産に切り替える必要がある。
そこで、農水省は飼料用のコメの生産を増やすため、主食用のコメ並みの収入を得られるよう補助金を増額することを決めた。生産者にとって飼料用のコメは主食用と同等の価値があるということだ。そうした税金の塊のような餌で育った牛や豚は自給率に反映する。
一方、飼料用米への生産シフトは主食用米の生産抑制につながり、減反と同様にコメの価格を維持する効果をもたらす。それによって生産性の低い農家が温存されれば、農業の構造改革に逆行する。カロリーベースの自給率を目標に掲げることは、そうした不合理な農業政策を正当化することにつながりかねない。
国際的にも、食料自給率を政策目標としているのは韓国、台湾、中国、ロシアしかない。農水省も自給率が輸入停止のような緊急時の供給力を示す指標ではないことを認めている。そうであれば、より意味のある新たな目標を早急に検討すべきだ。