“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

自民党政権の住民帰還政策

2014年05月30日 10時58分59秒 | 臼蔵の呟き

自民党政権が進めた原子力政策の結果として、福島第一原子力発電所が事故を起こし、福島県浜どおり地方が汚染され、避難地域になったことは誰デモが知っていることです。その点では、東京電力、歴代自民党政権、原子力産業、御用学者の刑事責任、政治責任は明確です。その自民党政権が賠償費用を減らしたいと東京電力に代わって、避難地域の住民に帰還を促す。帰還できる環境、条件を整備し、何の不安もない形まで整備して、帰還を要請するならば、良いとしても、汚染の不安、生活上の不安がある地域に故郷だから、帰るのが当然と言われても、帰還できないのは当然のことです。

避難者を思い、避難者の立場で考えれば、分かりきったことです。誰が事故を起こし、故郷を放射能で汚染したのかーーそれは歴代自民党政権であり、東京電力です。彼らの政治的な責任は消えることはないのです。

<信濃毎日社説>住民の帰還 国と東電に問われる責任

 「来年春以降を目指す」。福島県楢葉町の松本幸英町長が会見し、町民に帰還を促す目標時期を明らかにした。

 東京電力福島第1原発の事故で被ばくした楢葉町では全町民が避難生活を強いられている。町は今春、町民の避難先で懇談会を開いてきた。帰郷への不安の声を聞き、その時期を町自ら判断するためだった。

 国は町内の住宅地や道路などの除染は3月に終えたとする。電気やガスもほぼ復旧した。それでも町が、帰還までに1年近い間を置いたところに、条件を整えることの難しさがうかがえる。

 一応の除染とインフラを戻すだけでは、避難者は帰るに帰れないだろう。放射線量の低減策を続けるとともに、コミュニティーを再建し、就労の場を確保しなければならない。3年前から時が止まったままの避難区域の復興は、これからが本番だ。

 福島県の調査によると、原発事故で避難している人の多くが、帰郷の条件に「放射線の影響や不安が少なくなる」「原発事故の今後について不安がなくなる」ことを挙げた。懇談会で示された楢葉町民の意向も同様だった。

 避難者のためらいをよそに、国は帰還への動きを徐々に広めている。4月には福島県田村市の都路(みやこじ)地区で避難指示を初めて解除。川内村でも協議を始めた。

 政府は都路地区の解除に当たり、再度の面的な除染はしないと断言している。年間被ばく線量を1ミリシーベルト以下とする政府目標に達していないばかりか、森林はほとんど手付かずなのにもかかわらずだ。被ばくの心配を拭うには、長期的な取り組みが求められる。

 避難区域で計画されている、汚染土壌や放射性廃棄物を保管する中間貯蔵施設も帰郷の不安材料になっている。必要な施設だけれど、肝心の住民への説明はなおざりだ。安全策を丁寧に説明し、理解を得ることが欠かせない。

 賠償の問題も大きい。政府は避難指示解除後は、避難者に支払う毎月の慰謝料を1年で打ち切るとしている。住宅損害への賠償も十分とは言えない中で、生活再建のめどが立つのだろうか。

 除染や賠償の問題に早く区切りを付け、原発事故克服の目につく成果としたい政府の思惑が透ける。苦しんでいる自治体や避難者の立場に立って、復興指針も賠償指針も何度でも見直し、暮らしの再建を支えていかなければならない。それだけの責任が、国と東電にはあるはずだ。


維新の分党・分裂 

2014年05月30日 09時25分08秒 | 臼蔵の呟き

維新の会が分裂しました。右翼的政治勢力が、選挙で勝つために野合した付けがまわり、憲法改正問題で、分裂に至りました。しかし、この維新の会は、政治でいえばもっとも重要な平和、靖国参拝、従軍慰安婦問題、民主主義、基本的人権の維持擁護、原子力発電所の稼動、エネルギー政策、消費税税率の引き上げ、TPP交渉促進では自民党と政策的にニヤリイコールでした。個別政治課題では自民党の政策よりも過激な主張を繰り広げていました。第三極の本質は、野党ではなくて、自民党よりも右翼的な政治勢力として、日本政治に右傾化を促進するという犯罪的な役割を果たしていました。

この維新の会が分裂したのは当然のことであり、国民からみたら感激すべきことです。このような勢力が野党を語って、政治を右傾化させたこと、野党の共同を阻害したことの改善に役立つものです。

そもそも、政党は政治理念が一致していること、党綱領が明確に存在しなければ政党としての機能を発揮することは出来ません。そのことは民主党が政権について、大混乱し、国民的な批判を浴びたことを見れば当然のことです。

現在の日本の政治経済の閉塞状況は、自民党型政治、政策課題の推進によってもたらされたものであり、この自民党型政治への批判、転換が基本にならない政策課題は意味を持たないことは自明のことです。選挙に勝つことが最優先し、野合しているような維新の会、みんなの党、結いの党、民主党などが日本が抱える政治経済の閉塞感を打開する展望を提示することができないことはあきらかです。彼らは自民党の補完勢力としてしか、機能しません。

<毎日新聞社説>維新の分党へ 再編より反省が先だ

 実態は自壊である。衆院で野党第2党の日本維新の会の石原慎太郎、橋下徹両共同代表が分党で合意した。石原氏が結いの党との合流に憲法観の違いなどから反対したことで方向性の違いが決定的となり、維新の会は分裂する。

 石原、橋下両氏という東西の二枚看板で現在の姿となった同党だが、憲法観や原発政策が異なり、体質も違う旧太陽の党と旧維新の会が合体した矛盾が結局、露呈したと言える。理念なき野党再編に走るような愚を繰り返してはならない。

 石原氏は記者会見で「憲法を直したい。結いの党との合体は合点がいかない」と強調した。石原氏は結いの党との共通政策に「自主憲法制定」を盛りこむよう求めたが、江田憲司代表は拒否したという。

 江田氏によると橋下氏は「自主憲法など大した問題ではない」と折り合いをつけようとしたとされる。だが、その認識は誤っている。

 自主憲法制定を掲げるかどうかは現憲法下の戦後政治を肯定的に評価するか、さらに憲法論議をいわゆる「押しつけ論」に立脚して展開するかを決定づけるものだ。政治の根幹にかかわる部分で相いれない以上、分裂はむしろ当然だ。

 衆院選を控えた1年半前、理念や政策に違いを抱えたまま構造改革路線の旧維新の会とタカ派色の濃い旧太陽の党は合流した。当時「憲法破棄」を唱える石原氏に橋下氏は強く反論していたものだ。方向性の違う双頭体制が機能しなかった反省が足りないのではないか。

 維新の会迷走の大きな要因は橋下氏の言動にもある。従軍慰安婦問題をめぐる発言が混乱を呼び、肝心の大阪都構想は失速状態で、出直し大阪市長選も空回りに終わった。いわゆる第三極勢ではみんなの党も分裂したうえ、渡辺喜美前代表は「政治とカネ」の問題で党首を退いた。与党との対立軸を示せず、野党として十分機能しなかった責任は重い。

 分党が橋下氏らの勢力と結いの党の合流を加速させる可能性はある。だが、理念と政策軸を打ち出さない限り、生き残り目当ての離合集散という印象はぬぐえまい。

 石原氏は結いの党との合流に反対した理由に集団的自衛権問題もあげた。安倍晋三首相が目指す憲法解釈の変更を橋下氏は支持するが、江田氏は慎重姿勢だ。安全保障、歴史認識など根幹に関わる部分で一定の共通認識に立たなければ「なぜ再編か」の説得力を欠く。橋下氏が首長として国会議員団と調整し続ける課題も残されたままだ。

 第三極勢は衆院で約70議席を持ち、民主党を上回る。反省なき再編は危うい。巨大与党を監視する責任をもっと自覚すべきだ。

<東京新聞社説>維新の会分裂 憲法観が違うのなら

 当然の帰結と言うべきだろう。日本維新の会の「分党」が決まった。政党は理念・政策の一致が基本だが、結党当初から憲法観や原発など基本政策の違いが指摘されていた。分裂も致し方あるまい。

 直接のきっかけは、日本維新の会と結いの党との合流をめぐる石原慎太郎、橋下徹両共同代表間の対立のようだ。両党の共通政策案に「自主憲法制定」を盛り込むよう求め、拒否された石原氏が、橋下氏に分党を申し入れた。

 日本維新の会は、大阪府知事を務めていた橋下氏らが結成した地域政党「大阪維新の会」を発展させる形で二〇一二年九月に結成された。同年十一月には石原氏らが率いる太陽の党と合流し、直後の十二月の衆院選では五十四議席を獲得する躍進を果たした。

 合流から約一年半での分裂だ。しかし、結党当初から基本政策の違いは顕在化していた。最たるは原発・エネルギー政策である。

 大阪市長に転じていた橋下氏は「脱原発」を目指していたが、石原氏はこれに反対し、衆院選公約は結局「既存原発は三〇年代までにフェードアウトする(次第に消える)」との表現にとどまった。

 憲法をめぐっても「連合国軍総司令部(GHQ)の押し付け」と考える現憲法を破棄し、新たな自主憲法制定を目指す石原氏らと、大阪都構想に代表される統治機構改革に憲法改正の主眼がある橋下氏らとの隔たりは大きかった。

 両共同代表を結び付けたのは、中央官僚による支配打破という共通の思いだったが、理念・政策の違いに目をつぶった、選挙を勝ち抜くための合流は、当初から無理があったと考えざるを得ない。

 日本維新の会の分裂は、来年の統一地方選や、衆院選との同日選の可能性も指摘される一六年の参院選に向けて、野党再編のきっかけとなるだろう。

 その際、留意すべきは理念・政策の一致である。特に、憲法や安全保障、原発・エネルギーなどの基本政策は重要だ。ある程度、考え方に幅があるのはやむを得ないが、同じ方向を目指さなければ、混乱のもととなる。

 昨年成立した特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認をめぐる議論を見ると、野党がバラバラのままでは一強支配を強める自民党に対抗するのは容易でない。

 野党各党は粘り強く話し合いを重ねて、有権者に政権の選択肢を示してほしい。それは今、野党に課せられた責任でもある。