“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

貿易、経常赤字 成熟国の政策

2014年05月11日 12時59分22秒 | 臼蔵の呟き

日本経済の閉塞感は、製造業の生産拠点が減少、海外に移転したこと。また、大量生産、大量消費型産業構造を転換できないでいること。日本が持つ科学技術、製造技術を生かした産業の発展策が系統的にされていないこと。環境対策などの技術、産業の育成が軽視されていること。自然エネルギーなどの開発、投資が遅れ、転換しないことから来る化石燃料の輸入、代金が増加していること。―――これらはすべて国策に関係したことです。従来型の産業構造を転換しなかったことから来る矛盾と問題点を先送りしているだけです。抜本的な対策は異次元の金融緩和でないことはまともな経済学者、科学者であれば誰でもが分かることです。

また、規制緩和と称して自民党政権がとってきた労働法制の緩和は、非正規労働を爆発的に増加させ、日本が誇っていた中産階級、所得階層の崩壊をもたらしました。その結果、1%富裕層、99%の普通の人と、貧困層を作り出しました。そのことで、生活保護世帯の爆発的な増加、高止まり、失業者の拡大、失業手当財源の枯渇、これらを含めて社会保障制度の財源が財政に占める比率が拡大、提言かできていません。―――裏を返せば、自民党型政治、政策によってもたらされ、企業への利益誘導、利益付け替えの結果、国民が不幸にされているだけに過ぎません。また、企業活動は社会的責任を全く果たさずに、氏企業利益のみを追求すると言う身勝手さが横行する社会になっています。

このようなことを止めない限り、現在の政治経済の閉塞感、矛盾は改善しないことはあきらかです。また、輸出主導の経済構造、経済対策も止めるべきです。消費税の輸出企業への還付は国内消費税の約三割が還付されるような実体を改善すべきです。実質的に輸出補助金を多国籍企業、輸出大手企業に支給しているのを止めるべきです。また、法人税率引き下げをやめ、海外からの企業投資、進出を促進するなどという幻想、まやかしを宣伝しながら法人税率の引き下げを正当化することを止めるべきです。

<東京新聞社説>貿易、経常赤字 慌てず成熟国の政策を

 日本は「貿易収支」に加えて「経常収支」も一時、赤字となった。「赤字」は心配だが、日本の経済は成熟期に入っている。「成熟」にふさわしい腰を据えた経済政策が問われている。

 日本と海外とのモノやサービスなどの収支を示すのが「経常収支」で、「貿易収支」と「所得収支」が二本柱になっている。「貿易収支」は輸出入、「所得収支」は企業が海外に投資した収益として得られる配当金や利益の収支だ。

 二〇一三年度、「貿易収支」は過去最大の十四兆円近い赤字となった。超円高期に進んだ国内産業の空洞化、東日本大震災後の原油や液化天然ガスの輸入増などが背景にある。

 円ドル相場は2008年に一ドル=100円を割り込み、家電や自動車などの輸出企業は、為替に影響されない経営を目指して現地生産を進めた。国内産業は空洞化して輸出が減る構造変化をもたらした。異次元金融緩和で円安に戻したが、空洞化と現地生産で輸出は容易には増えない。原燃料の輸入額は価格上昇や円安で膨らみ2011年以降、貿易赤字が定着している。

 ただこの間も「経常収支」は黒字で推移してきた。「所得収支」が黒字で、貿易赤字を埋めてきたからだ。貿易では赤字だが、これまでに投資した海外から安定した収益があがるようになり、差し引きでは黒字となっていたわけだ。

 その「経常収支」が昨年十月から今年一月まで赤字になり、「国富の流出」と危機感が広がった。だが心配するよりも、経済構造の変化をしっかりと受け止めることが大切だろう。

 「国際収支の発展段階説」という見方がある。経常収支などの「国際収支」は経済の発展段階に伴い変化していくという考え方だ。「貿易収支」は新興国に追い上げられて競争力が低下し、赤字基調になる。半面、蓄えた資金を海外投資した果実である「所得収支」は黒字になり、「経常収支」も黒字で推移する。この段階は「成熟した債権国」とされ、日本は長期的にこの段階にあるとみられる。

 重要なのは「経済の成熟化」を踏まえた政策のあり方だ。

 企業の競争力を高める「法人税減税」が検討されているが、少子高齢化を安定成長に生かす「健康長寿社会」への具体策はみえない。働く女性の環境整備、格差の中で意欲を失いつつある若者の雇用などでも、多くの切実な声に応える施策が今、求められている。


セウォル号の原因調査と対策

2014年05月11日 10時56分28秒 | 臼蔵の呟き

韓国は、セウォル号事故に驚き、政治も、社会も打ちひしがれているように思います。また、大災害の事故原因を追究し、二度と同種の事故を引き起こさないように教訓化し、対策を講じることができないできた。その難しさを感じてもいるようです。事故調査をどのような立場、視点から行うかも重要なことと思います。政権、企業が責任追及を逃れたいがために行うような事故調査はその後の教訓化、対策には生かされません。

事故調査の報告書が長文、膨大であればよいわけでもないと思います。

今回の事故について言えば、船長の資格取得、船長としての能力、船長としての必要な訓練などがどうであったのか。また、乗組員の多くが未熟者、非正規労働者であったことはなぜか。そのような船舶、船会社が公共交通機関の任についていたのはなぜか。そのようなことに対する規制、点検は政府、行政機関がなぜ出来なかったのか。船舶の改造は法的な規制、点検がされなかったことはなぜか。脱法性が疑われる過積載はなぜ、摘発されなかったのか。そのようなことが企業にとってやすやすと実行できるのか。今までの報道で顕在化している点は、きちんと調査し、政府、行政、司法が点検し、事故防止策を起案し、徹底をすべきです。船舶所有会社の経営内容、船舶の定期点検、安全装置などの常設、使用可能状況の点検を行う。そのような行政機関の権限強化、人員確保も必要と思います。

日本の原発事故についても、全く同じことが言えます。安倍、自民党政権、経済産業省、業界、御用学者の癒着はもっとひどいものです。

<韓国中央日報>時視各角 韓国は今度も忘却の国になるのだろうか

セウォル号惨事から24日目。あちこちに怒りの空気が広がっている。怒りは、古くて腐った存在をえぐり取るための出発点だ。だが怒りだけで世の中は変わらない。過去の多くの災難を振り返って考えてみよう。政界やメディアは怒りに満ちた言葉や文章を吐き出して、2、3カ月過ぎると議論さえしなくなる。怒りは長く、反省は短い。特に白書文化は、集団の怒りが集団の忘却へと早変わりする韓国社会の1つの断面を見せている。

1994年に発刊された西海(ソヘ)フェリー号の沈没事故白書を見る。表紙の副題からして怪しい。「私たちはその惨事、こうやって克服した」。白書であれば「事故原因と対応」程度でいいのではないか。分量も付録を除けば150ページ程度と薄い。目次は副題よりもさらに大げさだ。第2章「渾身の救助活動」、第4章「1つにまとまった島民の意志」、第5章「日が昇る私たちの蝟島(ウィド)」…。

白書という言葉は、英国政府が国民に知らせる政策報告書の表紙が白いところから由来した。事故白書は原因を見つけ出して詳しく記録しておくことによって似たような惨事を繰り返さないために作る公的な報告書だ。ところが死者・行方不明者が292人に上った西海フェリー号の白書は「誇らしい克服記」だった。この白書を開いてみたのは2回目だ。初めて見たのは2008年2月だった。崇礼門(スンネムン、南大門)防火事件を機に事故白書の実態を調べてみることにした。

1993年の文民政府スタート以降に起きた20件の大型災難を検証対象にした。取材は初動段階から困難を極めた。災難白書が集めてある機関が1カ所もなかった。白砂浜でガラスの破片を探すような気持ちで追いかけて1冊、2冊と集めていった。取材が終わると同時に、大韓民国の情けない素顔があらわれた。災難20件のうち12件は白書が最初からなかった。8冊を集めて、防災専門家らに鑑定を依頼した。聖水(ソンス)大橋と三豊(サンプン)百貨店の崩壊事故を除く6冊は、白書と見るのは難しいという判断が出てきた。西海フェリー号白書の評点が最も低かった。21年後に起きた同じようなセウォル号惨事は、この時に予告されたようなものだった。

その後の白書文化は、少しは良くなったのだろうか。首都圏の大学教授である防災専門家の話だ。「崇礼門白書はそれなりによく作られた。だが全般的に見れば良くなっていない。白書の発刊は依然として義務事項ではない。大きな災難が起きても、社会が持続的な関心を持たなければ発刊しない。崇礼門の放火数カ月後に世宗路(セジョンノ)政府庁舎で大きな火災が起きたが、白書なしに過ぎ去った」。

政府が、対策準備を急いでいる様子だ。今回だけは長くて深い反省の時間を持てばと思う。民間・国会を中心に挙国的な真相調査委員会を構成することを望む。数年かかっても良い。惨事の問題点・原因をしらみつぶしに見つけ出して細やかな対策を立てよう。腐敗して無能な企業・官僚が全く身動きのとれないような具体的で実質的な代案を出そう。米国は9・11テロ以後、与野党が力を合わせて2年間余りで200万ページ以上の白書を作成した。

5年前の取材当時、2003年米国コロンビア号の事故白書をインターネットで捜し出した。地球に帰還したスペースシャトルが爆発して宇宙飛行士7人が犠牲になった事件の記録だった。全6巻3000ページ余りの分量だった。そのそばに史上最大の人命被害(死亡502人)を出した三豊百貨店の白書を置いて写真を撮った。300ページ余り、しかも最もよく作られているという国内白書がこの程度だ。集団反省と集団忘却、大韓民国は再び岐路に立っている。

イ・キュヨン論説委員 


地球温暖化 対策強化は待ったなし

2014年05月11日 06時00分10秒 | 臼蔵の呟き

EU諸国にゆき積極的平和主義、集団的自衛権の演説をしても、誰も喜びませんね。日本が、世界の中で、尊敬される国になりたければ地球温暖化の防止、貧困格差の解消、戦争のない世界を作ることなどで将来を見据えた、政策提起をすべきです。でも、安倍、自民党政権のような右翼的な思想と復古主義を政治的目標とするような政権運営では無理でしょうが。

<信濃毎日社説>地球温暖化 対策強化は待ったなし

 間近に迫る地球温暖化の危機を痛感する。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最新の報告書を公表した。国際社会が対策を取らなかった場合、今世紀末の地球の平均気温は最大で4・8度も上がる。高潮や洪水被害が増え、飲み水が不足。穀物の生産量や漁業資源が減り、紛争を招きかねないと警告している。

 温室効果ガスの排出大国である日本は重く受け止め、曖昧なままの温暖化対策に早急に道筋を付けなければならない。

 IPCCは、温暖化に関する科学的な情報を各国の政策決定者に提示する。世界中の科学者と政府関係者が参加し、数年ごとに報告書を改定している。

 昨年9月から今年4月にかけ、(1)温暖化の原因や気温上昇予測(2)社会や生態系への影響(3)温室効果ガス排出削減策―の三つの報告書を順次まとめ、発表した。

 温暖化が続くと、気温の上昇で水や食料が不足し、貧困や経済への打撃といった紛争要因が助長され、人間社会の安全保障にも影響が及ぶと強調している。

 危険性を回避するには、2050年までに低炭素エネルギーの割合を3~4倍に増やし、温室効果ガスの排出量を10年比で40~70%減らす必要があると指摘する。今世紀末には排出量をほぼゼロにするくらいの「社会の大規模な変革が求められる」と訴えている。

 世界の排出量はここ10年、年2%ずつ増え続けている。各国がよほど本腰を入れて取り組まなければ達成できないだろう。日本の対策は停滞している。政府は、13年から始まった京都議定書第2約束期間への参加を拒否した。原発が止まっていることを理由に、20年までの排出量削減目標を大幅に後退させてもいる。

 原発停止を言い訳にしてはならない。エネルギー基本計画で見送った自然エネルギーの具体的な導入目標を明らかにし、投資や技術革新を促すべきだ。省エネの一層の推進も欠かせない。

 IPCCの報告書を受け、米政府は「温室効果ガス削減に向け、野心的な(国際社会の)合意形成を追求する」と表明した。欧米の足並みはそろいつつある。

 9月には国連で気候変動に関するサミットが開かれる。安倍政権は真剣に温暖化問題に臨む姿勢を国内外に発信し、理解を得られる政策づくりを急いでほしい。