“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

「一体改革論」と消費税増税のカラクリ③

2012年06月22日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
「一体改革論」と消費税増税のカラクリ③
慶応義塾大学 経済学部 教授 金子勝さん

3、消費税率引き上げの問題
 (1)中小業者、低所得者への対策がまったく出来ていない。現在、消費税率を引き上げる前から、中小業者への消費税率徴収方法をめぐって、課税強化が進行している(実態として)。自分(金子教授)は社会保障の改革が出来るのであれば、消費税、他の増税にも賛成するつもりであった。しかし、野田、民主党中枢は「一体改革」を投げ捨て、自公の要求を丸呑みしようとしている。これは、社会保障の切り下げを行い、消費税率だけを引き上げる暴挙だ。そして、自民党の国土強靭化計画200兆円投資、八場ダム建設、東京外環道1.3兆円投資に擦り寄っている。失敗した過去への後戻りをしている。どこに未来があるのか考えただけですぐ分かるはずである。

 (2)税制は全体を見直ししなければ、整合性が取れない。
   ①なぜ、消費税率引き上げだけが浮上したのか。②消費税制度はなにが問題なのか。③納税証明書インボイス方式ーーーー消費税は、食料や電気・ガスなど生計費に課税する税です。公平だが、所得の低い人にも等しくかかるため、低所得者の生活には重くのしかかる税です。この逆進性を解決するには、ヨーロッパと同じようにインボイス方式を導入して、生活必需品とそれ以外に税率を分けるしかありません。インボイス方式は、課税事業者が物を売る際に、消費税額を記載した納品書を発行し、それがなければ仕入者は消費税の仕入れ税額控除ができないという制度です。売上げ側と仕入れ側の納税額は相反する為に相互チェックが働き、過大仕入れや過小売上げの計上による脱税行為が困難になり、そこがガラス貼りになります。
中小企業における事務処理の増大を理由に見送りされましたが、正確な所得を税務署に把握されたくないのが本当のところであり、大企業ともども反対しました。④定額給付は低額所得者に「やさしい制度」だ。そのこともうやむやにされている。⑤労働のアウトソーシングもひどくなる。ヨーロッパではすでに問題になっている。理由は、アウトソーシングで人件費が経費扱いとなり、大手企業には有利になるからである。正規労働者が減り、派遣社員が増える。⑥消費税の滞納者がどんどん増えている。内需業者は消費税率引き上げ分を商品価格に転嫁できない。そのために、中小企業は消費税を支払えなくなっている。日本経済はデフレ下にあり、消費税5%を転化できる企業は大手企業だけである。⑦消費税率の引き上げを今やることは、時期として、もっとも不適切な時期である。ヨーロッパの金融危機は収まっていない。ヨーロッパにおいて法人税率引き下げ、減収分を、消費税率引き上げで埋めてきた。その結果、消費税率はこれ以上引き上げできない率、領域まで上がってしまった。リーマンショックは第一ラウンドの危機、ギリシャ、欧州連合の金融危機は第二ラウンドである。ギリシャは増税もできなくなっている。⑧大手企業上位100社は輸出比率が高く、輸出品の消費税は還付されている。これは、実質的な減税となっている。⑨年金制度も崩壊する。男女が働き、掛け金を支払う。そして、年金給付を受けるような社会構造を作らないと持たない。女性が働くような社会構造を作れているかといえば、まったく出来ていない。
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原子力村の泥沼

2012年06月22日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日も、昨日に引き続き原発の話です。

昨日、ドイツの原発やエネルギー関係企業の脱原発のことを書きましたが、日本は全く正反対のようです。日立は三菱重工、東芝と並んで国内の原子炉メーカーです。この日立が、6月14日に原子力事業を2011年度と比べ2020年度は2・3倍の3600億円に引き上げる計画を発表しました。

元経済産業省事務次官の望月晴文氏は原発政策を推進した張本人です。この望月氏が、原子炉メーカーの日立製作所の社外取締役として6月22日の株主総会で就任することになっています。

この男は、2010年6月に原発が54基だったのを「2020年までにあと9基」「30年までに、少なくとも14基以上」新増設し、原発依存度を高める原発政策推進の「エネルギー基本計画」をまとめた責任者です。

さらに、原子炉メーカーと一体となって原発輸出を推進する国策会社「国際原子力開発」(2010年10月)の設立の立役者です。日立製作所では、この男の社外取締役就任について「産業政策などの分野で豊富な経験と識見を有することから、当社の経営に有効な意見、提言をいただく」と期待を寄せています。

原子力安全委員会の班目(まだらめ)委員長は、三菱重工などから数百万円単位の寄付金をもらうなど業界と癒着していることが明らかになっています。これに対して細野環境相は、完全に業界と線引きすることは困難であり「詳しい専門的人材を入れていかなければいけない」と、専門性を理由に業界関係者の原子力安全委員会への業界関係者の委員会就任を容認する国会答弁をしています。

政府、官僚、原発メーカー、(学者、金融機関など)がよってたかっての原子力村です。

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「一体改革論」と消費税増税のカラクリ②

2012年06月21日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
「一体改革論」と消費税増税のカラクリ②
慶応義塾大学 経済学部 教授 金子勝さん

<09年政権交代と民主党問題>
1、民主党は国民の期待を裏切った。
 (1)政府の審議会などは、自民党時代の審議委員がそのまま、居残っている。その結果、審議会での議論、結論は旧自民党政権時代のままの流れが踏襲されている。八場ダムの建設継続答申などはそのよい見本である。
審議会は、御用学者、業界の利益代表者によって占められており、政権交代の願いに応えるような構造、体制にはなっていない。

2、誰一人責任を取らない異常さ。
 (1)小泉構造改革、イラク戦争参加、原発事故などの失政で誰一人責任を取っていない。このような政治的な間違い、政府への批判が、政権交代を実現した原動力であった。アメリカのオバマ大統領の選出にも共通する政治的期待、流れでもある。そのテーマは「変化、チェンジ」である。

 (2)「変化」と「決められない政治打破」スローガンの意味
   自民党政治の行き詰まり、閉塞感を打破するために、政権交代が起きた。しかし、野田氏は「決められない政治打破」を叫び、突き進んでいる。「決める政治」とは自民党、公明党との大連合のことであり、変化ではなくて、逆戻りを意味している。
これでは09年選挙結果、選挙民の期待は、裏切られたとしかならない。自民党政権による社会保障の切捨てなどにより、生活保護者は増えるだけである。年金支給は切り下げられ、無年金者が増えれば、その結果、生活保護者が増えることは当然のことである。
また、自民党は「国土強靭化」提案を行い、党の政策として今後200兆円を投入し、公共事業投資を行おうとしている。歴史を逆転させようとしている。

 (3)人の命、健康が脅かされている。国家の責任は、「国民の生命と財産を守ることである」。それが出来ない国家は国家と言えない。
   決めることが出来る政治とはーー与野党が歩み寄れということ。自民党小泉政権時代に構造改革と称して「郵政民営化」、自民党政権による「200兆円に及ぶ公共事業投資」などがまったく総括されず、放置されている。野田政権は、「失敗した過去に戻ろうとしている」。政党政治が壊れようとしている。100年に一度の経済危機なのだ。このことへの有効な対応がまったく出来ないでいる。
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野田政権がとっている姿勢、特徴

2012年06月21日 13時00分00秒 | 臼蔵の呟き
民主党政権として、民主党をまとめようとの意思はないことが特徴です。その理由は、自民党、公明党との大連合を常に模索し、民主党議員に依拠しなくても重要法案を可決する手法を重視しているからです。その具体的現れは、国会の各種委員会、正式な会議での質疑を軽視し、密室談合と批判される三党協議を繰り返していることに現れています。

2009年選挙公約をまったく反故にしてしまっています。この点も、鳩山、菅内閣とは大きく変質しています。前2内閣は問題があっても、政権公約にはこだわりを持っていましたが、現在の野田政権、岡田、前原、仙石氏はまったくその姿勢がなくなりました。その理由は、参議院で過半数を握れず、法案の多くが成立しない中で、自民党、公明党に依拠しない限り、成立させることが出来ないと理解し、妥協することを基本戦術としたためです。この点では北海道大学山口二郎教授が指摘する「手段と目的」を逆転、混同しています。権力にしがみつき、明確な政治理念がなく、手段なのか、目的なのかが分からなくなっているのだと思います。

民主党中枢は、自らの支持基盤を大手企業(選挙権がない)、多国籍企業(選挙権がない)、経団連(選挙権がない)、高級官僚、大手マスコミ(選挙権がない)などに置くことを明確にしました。その結果、国民の声、選挙民の多数の声を遮断し、無視する姿勢を鮮明にしています。これまでこのような姿勢を明確にした政権は、過去の自民党政権を入れても非常に珍しい政権です。選挙を意識して、選挙民の意見、意向、批判を気にしますが、現在の民主党中枢部は民主党の分裂を当然のこととし、自民党、公明党との大連立を想定しているために、現民主党議員の選挙恐怖心は持ち合わせない状況にあります。その点で、大胆な暴走が始まり、歯止めが利かなくなっているのではないかと思います。その意味で、野田、岡田、前原、仙石、その集団の議員を落選させる必要があります。

ではなぜ、このような政権公約投げ捨て、自らの政党を無視した政策提起を次々と行うのかです。その最大の理由は、民主党が党是をもっていない、烏合の衆であることに起因していると思います。どのような国家、外交、政治経済、文化を築くのかの理念が党としてない、個々人の思いだけで行動しているからだと思います。

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税収減東電は賠償を!

2012年06月21日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
税収減東電は賠償を 福島県、月内にも東京電力に請求

当然の請求です。しかし、このような複雑で、通常は考えなくてもよい、税収減少分の試算などをなぜしなければならなかったのかを考えなければならないと思います。
事故がない状態では、福島県民の住民税、所得税は自然減を考慮すれば、想定できました。また、県内で活動する企業群も、収入、支出は激変していませんでした。したがって、県、市町村の税収は10年度と大きな差はなかったはずです。3.11事故を境にして、激変したのですから、県、市町村が東京電力に減収分を請求するのはきわめて当然の請求行為だと思います。

<税収減東電は賠償を 福島県、月内にも東京電力に請求>

 福島県は、福島第1原発事故で落ち込んだ県税収入の減少分を6月中にも東京電力に賠償請求する方針を固めた。県が一般会計の損害分を賠償請求するのは初めて。
 対象は個人県民、法人県民、法人事業、不動産取得、ゴルフ場利用、狩猟、産業廃棄物の7税の2011年度の減収分。請求額は計数億円になる見通し。
 税収減分は、政府の原子力損害賠償紛争審査会の中間指針で「税収の期待権が損なわれたにとどまり、県民や企業が賠償金を受け取れば担税力が生じる」として原則的に賠償の対象外とされている。県は「人口や税収の自然減分を除き、原発事故が要因の減収分は賠償対象になる」と判断し、請求に踏み切る。
 県はこうした考えを各市町村に伝えており、市町村税収に関する損害算定の参考にしてもらう方針。県内の市町村では福島市が3月、風評被害による法人市民税の減収分を東電に請求している。
 県は出荷できなくなった肉牛の買い上げ費用や企業への利子補給などの事業費用分も請求する方向で検討。税収減分と合わせた請求総額は数十億円以上に上るとみられる。
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