“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

民主党、野田首相への評価

2012年06月17日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
北海道大学山口二郎教授の考察です。なかなか、面白い話です。山口教授は民主党政権支持、政権交替有益論で民主党を積極的に支持してきた政治学者です。山口教授は、率直に今の民主党を評価して、自らの反省も行っています。その点では、主張するだけで、無責任な学者でもないように思います。原子力村の学者のような無責任な「いんちき学者」とは性格をことにします。

<山口教授の考察>

野田首相と小沢元代表の会談も決裂し、首相は内閣改造に踏み切った。自民党との妥協で消費税率引き上げ法案の成立を図るという路線が明確になった。また、大飯原発についても、首相が近いうちに再稼働の決断を下すという流れである。重大な政策に関して次々と結論が出ることで、民主党の変質は明らかになった。
自民党よりも左側の選択肢として民主党を位置づけるという、私のような戦略から見れば、こんなものはもはや民主党ではないということになる。非自民の若手政治家が権力をとるための方便として民主党を規定すれば、これこそ民主党の面目躍如ということになる。いずれにしてもはっきりしているのは、3年前の政権交代を選択した民意は裏切られていることである。

 野田首相の最大の問題は、決断の自家中毒(アディクション)である。決められない政治を脱却することは必要である。そもそも政治における決定にとって、獲得あるいは到達すべき目標を具体的に設定し、そのための適切な手段を選ぶことを意味する。野田氏は大目標を見失い、手段の部分で自分が断を下すと息巻いている。ねじれ国会における野党の抵抗、民主党内における小沢グループの反対など、決定に対する物理的障害が大きいために、余計に決定に取りつかれている。

 消費税率引き上げは社会保障財源の確保のための手段である。したがって、どのようなレベルの社会保障を実現するためにどのような手段を動員するかを明らかにしなければ、払う側は納得しない。財政の非常事態を乗り切るためにはともかく自民党と妥協してでも消費税率を引き上げることが重要だという主張もある。東北、上越新幹線のたとえを使って、目的地は青森、新潟と異なっても、とりあえず大宮までは一緒に行こうと首相は呼び掛けている。自民党は次期総選挙に向けた政権公約で生活保護費の削減など小さな政府路線を明確にしたうえで、消費税10%を主張している。民主党の目的地はどこなのだろう。

 原発はエネルギー供給の手段の1つである。そして、事故の補償や廃炉の費用を計算に入れると、この手段が極めて高コストであることが明らかとなっている。関西の自治体首長に対する政府の説得の仕方を見ていると、原発の再開それ自体が目標で、安全対策に対するまともな疑問をすべて無視しているように思える。

今後十、二十年という時間軸の中で原発をどのように縮小していくのか、代替電源をどのように拡大していくのかという展望を全く示さないまま再稼働を認めれば、またずるずると原子力発電が再開され、エネルギー政策も維持されるだろう。あまつさえ、原子力政策大綱の策定過程で、推進派の委員だけに情報を伝え、お手盛りの議論をしていたことも露呈した。現状は、戦争犯罪人に敗戦後の安全保障政策を決めさせているようなものである。肝心の政府、民主党からはこのような事態に対する怒りが伝わってこない。

 今更言うまでもないことだが、政権交代を選択した人々は、「国民生活が第一」というスローガンを実現してもらうために、また政官業の癒着構造を打破して、利権を排除するとともに国民環視の下で公正な政策決定を行う政治システムを作るために、民主党に政権を預けたのである。

 政権交代によって実際に改善されたことはいくつもある。東京大学の大沢真理教授の調査によれば、子ども手当や高校無償化によって年収7百万円以下の世帯において負担率は低下し、とくに夫婦と中学生、高校生を持つ年収3百万円以下の家庭においてネットの税負担はマイナス、すなわち政策的受益の方が税負担よりも大きくなっている。今日給与所得の分布をみると全体の6割は年収4百万円以下であり、民主党が打ち出した中間層の家計を支援するという政策は奏効しているのである(大沢、「税・社会保障の逆機能と打開の道」『生活経済政策』2012年5月号)。

また、同氏は、自民党政権下の構造改革路線が現実にはトリクルダウン効果を持たず、所得税の累進性の緩和や資産課税の減税、社会保険料負担の増加によって、全体として税・社会保障が貧者から奪い、富裕層に配分する逆機能を持っていたことも明らかにしている。

 日本国債の信用を維持するために今消費税率を引き上げるという議論は理解できる。しかし、その緊急避難の先に野田政権、あるいは民主党が何を目指すのか、何の議論もないように見える。主要閣僚が各地でタウンミーティングを開いて理念を伝えているつもりかもしれない。しかし、財務省流の帳尻合わせ至上主義でもなく、自民党流のトリクルダウンでもない、どのような社会のモデルを目指すのか、明確な言葉はない。民主党が着手した中下層の家計支援を持続可能にするための税制改革だと言えばよいはずだが、今の民主党主流派にはそのような理念がないのだろう。

 今肝心なのは、決めること自体ではない。何のために決めるのかという目標を明確にすることである。目標なしに手段だけ決めても、政治の課題は解決されない。自民党の言いなりになって修正協議を進めるのは、民主党の自殺である。消費税率の部分だけ切り離して妥協するという曲芸もあるのかもしれない。しかし、自民党が極めて保守的な政権公約を打ち出した以上、民主党はこれに対抗する福祉社会のビジョンを示す責務がある。

 困ったことに、民主党の中堅から若手の優秀な政治家と話していると、原発にしても、消費税にしても、どこかで誰かが決めるのだろうという諦めを感じる。シニシズムは民主主義の大敵である。日本の命運を左右する重要な政策課題について、党内での議論を積み上げることによってのみ、理念を再確立できるはずである。

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大飯原発再稼動と経済、政治の構図

2012年06月17日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
今朝のNHKで大飯原発稼動の報道を行っていました。その中で、大飯町の住民の方の発言が出てきました。原発が稼動しないと、ローンが払えない?

大飯町の住民が原発に依存し、そこから抜け出すことが出来ないことを「正直」に語っていました。これこそが、これまでの原発依存、安全神話と一体となって進められた自民党、電力会社、原子力村の連中の思惑そのものであると感じました。
国家のエネルギー政策、生存を左右する話が、貧困と置き換えられています。原発再稼動、原発必要論が過疎化、地域産業対策の貧困によって保障されるおかしさを放置していては、この問題の改善が進みません。

また、大飯町長の関連企業、福井県の原発の安全審査を担当する科学者は、原子力産業から資金提供されています。たとえは悪いのですが、麻薬のような資金提供を受けています。野田、福井県、科学者、立地町長、関係者は全て電力会社、原子力関連企業群からの資金に漬かっています。これで安全性の点検、安全ですと答申した???笑ってしまいます。

しかし、それで事故が起きて、困るのは福井県全体、立地自治体住民は全員、避難、長期にわたる帰還困難に陥ります。そして、誰も責任は取らない。とることも出来ません。まして、野田、仙石(閣僚以外では唯一4閣僚会議に参加)が責任をとることもありません。

責任を取らされるのは税金を払っているわれわれです。現実に福島原発事故費用は今後かかる廃炉費用も含めて(兆円単位)、国家補償、税金の投入によって実施されています。東京電力は現在、国有企業になっています。小泉(竹中平蔵の受け売り)、野田は、新自由主義者ですが、都合が悪くなると企業の国有化で、大手企業を救済し、郵政は民営化(アメリカ金融機関の要求)を行いました。彼らのいい加減さを見抜くことが必要です。彼らの行動は全て、大手企業、多国籍企業の要求に沿っています。基本的な考え方は大手企業最優先主義、企業利益至上主義以外はありません。国家の長期的な展望、見通しなどはまったく持っていません。

長期的には、エネルギーは再生可能エネルギーに移行することは誰が考えても当然のことです。現実に原発依存を止める先進国が出ていることを見ても明からです。また、ドイツの経常収支がよい1つの理由は、再生可能エネルギーの比率が高まる中で、化石燃料、ウランなどの輸入量、輸入コストの低減が経常収支の好転につながっていると言われています。考えてみれば、当然のことです。一企業、産業の利益と国家の利益、将来とどちらが大切なのかが理解できない民主党、野田、仙石、前原の「亡国思想」には辟易です。


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宮城県美術館

2012年06月17日 06時00分12秒 | 蜂助の呟き
こんにちは。蜂助です。今日は、美術館の話しです。

消費税増税、原発再稼働、社会保障改悪、障害者支援法など国民の反対を無視しての談合と強行、国と民自公のやり方は許すことができません。

さて気分を変えて、昨日、宮城県美術館に行ってきました。


2つの特別展を見たかったからです。

ひとつは、以前ここで紹介したルーブル美術館からの「メッセージ 出会い」です。岩手、宮城、福島の美術館を巡回します。ルーブル美術館が東日本大震災の支援として無償で届けてくれた美術品です。日本航空をはじめ多くの協賛会社が協力してくれました。ということで、この特別展は常設展扱いで、特別料金は発生しません。



そして、もうひとつが「アンドリュー・ワイエス展」。こちらは昨年4月からの開催予定でしたが、東日本大震災で中止を余儀なくされました。しかし、埼玉県朝霞市にある丸沼芸術の森、株式会社丸沼倉庫より復興支援として開催が実現したものです。



両方ともすばらしいものでした。2つとも7月22日(日)まで宮城県美術館で開催していますので是非ともご覧ください。

ついでと言っては申し訳ないのですが、私の好きな彫刻家の佐藤忠良の作品を集めた佐藤忠良記念館にも行ってきました。


この写真は、隠し撮りではありませ。館外にありますので撮影自由です。

佐藤忠良さんの特区別展が、北海道の旭川美術館で7月4日から8月26日まで行われます。お近くの方は是非ご覧ください。佐藤忠良記念館とアトリエから約300点が行くそうです。忠良記念館の学芸員の方から聞いた情報です。

ルーブル美術館のアンリ・ロワット館長から寄せられた言葉の中に「本展覧会が私たちの関係をさらに強くするとともに、また本展をご覧になる方々に、美しいものと対する時間と、心の平和と豊かさをもたらすことを願っています。」という一節があります。深い言葉です。

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福島第1原発事故 福島・川内村長、「仮の町」受け入れ

2012年06月16日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
いろいろな問題が浮上します。この検討課題は、福島県双葉郡の4町はよいニュースと思います。出来るだけ自分たちの元、住んでいた地域に戻れれば、また、その地域に居住出来るほうが便利だと思います。放射能汚染の恐ろしさと、その対応の困難さを考えると大飯原発の再稼動判断などは「もってのほか」の判断です。

<福島第1原発事故 福島・川内村長、「仮の町」受け入れ>

 福島第1原発事故で放射線量の高い福島県双葉郡の4町が検討する「仮の町」について、福島県川内村の遠藤雄幸村長は13日、村への設置要望があれば積極的に受け入れる意向を表明した。
 村議会6月定例会の一般質問に答えた。遠藤村長は「現時点で村への打診はないが、提案があれば最大限努力する」と強調。仮の町受け入れをめぐる県の調査に対し「前向きに検討する」と回答したと明らかにした。
 「仮の町」構想は、大熊、浪江、双葉、富岡の4町が検討している。遠藤村長は、衛生事業などを双葉郡で共同運営してきた経緯から「郡外に仮の町ができた場合、事務が非常に難しくなる」と述べ、郡内設置は利点があると理解を求めた。
 ただ、構想の実現には用地費やライフライン整備などの財政負担、住民税や選挙権の扱いなど課題も多く、「国の動向を注視する」と語った。
 川内村は原発事故で村民約3000人のほとんどが一時避難。村はことし1月に「帰村宣言」を出したが、帰還した村民は現在、約650人にとどまっている。


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自衛隊の市街地行進、異常な様

2012年06月16日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
自衛隊の市街地行進

6月15日福島土湯街道から福島大森に抜ける自衛隊福島駐屯地道路で、完全武装の自衛隊員、200~300人が武器携帯(肩に担ぎ)、顔にペイントを塗り、1人づつ縦に並んで行進をしていました。その横を、自家用車がどんどん通過する状態でした。突然の自衛隊員それも、延々と続く自衛隊員の武装行進にはびっくりしました。公道ですのでその道路を通る福島市民は誰でも、遭遇する環境でした。自衛隊員が野戦訓練さながらの格好で行進するさまは、異様な威圧感と、場違いな感覚を与えていました。

何かが、おかしい。どうしてこんなことを自衛隊が行うのか。運転しながら、考え込んでしました。11年3月の原発事故のときは、放射性物質の対応をする部隊、車両、機器が福島駐屯地に集結し、異様な雰囲気を作っていました。今年は、公道を武装した自衛隊員が行進するという異常さ。

民主党政権は、行政機関を掌握しているのだろうか?と本当に不安と、驚きとがない交ぜになっています。自民党政権時代もこのような自衛隊の武装行進には遭遇したことはありませんでした。駐屯地内での行動が、一般市民が居住する空間に、武装兵が式典でもなく、行進するなどはあってはならないことではないかと思います。民主党政権、防衛省にとって憲法はどのような法的な制約を加えているのでしょうか?

大飯原発の再稼動を強引に決めて、推し進め。TPP交渉を水面下で進め、消費税率を倍、10%まで引き上げる。社会保障の切り下げ、後退と「たが」が外れたような、野田、仙石、前原、玄葉らの言動と行動は放置して置けないくらい危険な状態に陥っているように思います。




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