やはり「イオンつるかめ青葉すすき野店」の領収書(レシート)は抽選会で認められなかった。認めなかったのは「イオン新百合ヶ丘店」(工藤一美店長)である。
イオン新百合ヶ丘店の1階エレベータホールに工藤店長の顔写真と「お気軽に声をおかけ下さい」と書かれた張り紙が掲示されているが、何か問題が生じても工藤氏が顔を出すことは絶対にない。「店長にお会いしたい」と店員に言っても、ガードは総理大臣並みに固く、出てくるのはせいぜい売り場の責任者である。「あなたじゃ、話にならない」と言っても、「店長は今不在でして」とやんわり断る。私はこれまで何度もそういう目に合っているので、店長は常に不在のようだ。それで、よく店長が務まるな、と思う。
どうしても店長に会えないので、やむを得ずイオンの本部に新百合ヶ丘店の問題を伝えたが、本部自体が煮え切らない。新百合ヶ丘店には何か特別な事情があるのかもしれない。
そういえば、工藤氏が店長になったのはいつなのかは知らないが、少なくとも10年以上にはなると思う。ということは、イオン新百合ヶ丘店は特定郵便局のように、工藤家の家業店なのかもしれない。
小田急線の新百合ヶ丘駅が開業したのは1974年である。多摩ニュータウンと都心を結ぶ路線の中継駅として百合ヶ丘駅と柿生駅の間に作られた。それから39年になる。工藤家はひょっとしたら、その周辺の大地主だったのではないか。
新百合ヶ丘店は元からイオンだったわけではない。中堅スーパーのマイカル(食品部門)とマイカル系列のショッピングセンター・ビブレ、それに複合映画館のワーナー・マイカル・シネマズが一つのビルにおさまっていた。マイカルは、商業部門だけでなく、日本最大のフィットネス・クラブのエグザスも運営していた。マイカル新百合ヶ丘店(ビブレ・映画部門を含む)に隣接してエグザス・グループでも最大級のフィットネス・クラブがあった。ただ妙だったことは、このフィットネス・クラブはエグザスの直営店ではなかったようだ。正式な店名は、もう忘れたが舌を噛みそうな呼びにくい名前がついていたように思う。ひょっとしたら、これもエグザスのフランチャイズ店で、工藤家の誰かが経営していたのではないかと想像している。そう考えれば、工藤一美氏が死ぬまでイオン新百合ヶ丘店の店長の椅子に座り続けたとしてもおかしくない。
私が何度も工藤店長に面会を求めても、売り場の責任者が絶対に店長に合わせない理由も、店長が新百合ヶ丘店の事実上のオーナーで、雲の上の天皇のような存在だと考えれば理解できる。また、本部に物申しても、新百合ヶ丘店に関しては針に触るように神経質になる理由も理解できる。また私が新百合ヶ丘店の問題を、売り場責任者が頑として拒絶してきたことも、本部も手が付けられなかったことも、そう考えれば納得がいく。
私が問題にしたのは、新百合ヶ丘店の食品売り場に設置されている冷蔵保管庫を有料(1回の使用料が200円)にしたことだった。しかも、その理由が振るっていた。保管庫に「お客様のご要望により有料にしました」と書いたポスターを貼ったのだ。どこのだれが、保管庫を有料にしてくれなどと希望する客がいるか。
私自身は、冷蔵保管庫を利用したことは一度もない。しかし、通常どのスーパーやデパートで保管庫を有料にしている店があるか。私は寡聞にして聞いたことがない。で、店員の一人の「保管庫の有料化について店長に言いたいことがある」と会見を申し入れたが、先に述べたように現れたのは食品売り場(スーパーマーケット部門――このことは非常に重要なことなので、イオン新百合ヶ丘店の1階にある食品・日用品売り場はスーパーマーケット部門であることを記憶にとどめておいてほしい)の責任者だった。ちなみに2~5階はショッピングセンター部門で、店名も「ビブレ」と称しており、6階は複合映画館である。複合映画館は今年6月までワーナー・マイカル・シネマズの名称で営業していたが、7月からイオンシネマに変更した。
さてイオンが『期間中のお買い物が(最大10万円まで)買った分だけ、ただになる!』キャンペーンを行ったのは8月8日~8月15日の8日間に買ったレシートを持って行けば、「50人に1人が当たる確率」でレシートの合計金額を0円にしてしまうという、おそらくスーパー業界でも初めての異例なキャンペーンだったと思う。抽選日は8月14・15日の2日間だけで、抽選できる条件は「期間中に集めた5,000円以上(税込)のレシートで、お一人さま1回だけ」というもので。その店だけの買い物ではなくてもいいというのだ。
ただし、レシートの対象店舗は「全国のイオン・イオンスーパーセンターおよびイオンモール・イオンショッピングセンター・イオンタウン内の専門店」に限定されると、このキャンペーン用ポスターには記載されている。対象外は「マックスバリュ、マルナカ、山陽マルナカ、KOHYO、ミキサワ、キミサワグラッテ、ザ・コンポおよびスーパーマーケット各店」とされている。
なお私が問題にしたのは「イオンつるかめ青葉すすき野店」のレシートである。紛れもなくイオンの「つるかめ青葉すすき野店」だ。「イオン新百合ヶ丘店」と、レシートを見る限り、まったく同じである。だが、「イオンつるかめ青葉すすき野店」のレシートは抽選の対象外だという(イオンの本部の主張)。
実はつるかめは元々は英国最大、世界でもウォルマート(米、西友は日本に
おける同社の子会社である)、カルフール(仏)に次ぐ世界第3位の規模のチェ
ーンストア、テスコ社が日本に進出して運営していたスーパーだった。が、業績が上がらずテスコ社は2011年8月、日本からの撤退を発表、翌12年6月にはイオンがテスコジャパン(テスコ社の日本法人)の株式の過半を1円で取得する予定であると発表、テスコ社との交渉を経て13年1月株式の50%をイオンが取得し、3月にはテスコジャパンの商号が「イオンエブリ株式会社」に変更された。イオン自体は持株会社(ホールディング・カンパニー)であり、イオン新百合ヶ丘店も運営会社はイオンリテール株式会社である。そういう意味では、つるかめはイオンの関連会社と言えなくもない(イオンの出資比率は現在50%だから、子会社とは言えない)。イオングループと称してはいるが、イオンの支配下にあるわけではない。ただ、英テスコ社は近い将来、日本から完全撤退すると言われており、その時はおそらくイオンが全株を取得して子会社化する可能性はあるし、イオンエブリもイオンリテールに吸収される可能性が高い。が、現在は少なくとも持ち株比率50%(残りの50%はテスコ社が保有している)に過ぎず、領収書(レシート)をイオンが発行するのはきわめて紛らわしい行為と言えよう。
なおイオンはバブル崩壊で会社更生法を申請したヤオハンやマイカルを傘下に収めて以降、急速に事業や業態の拡大路線に転じ、現在はかつて日本最大の小売業にのし上がったこともあるダイエーの再建にも参画し、いずれはダイエーも傘下に収める意向とみられている。
ほかにも静岡県や神奈川県で広く店舗展開しているドラッグストアのHAC(同社の経営実態は複雑で、キミサワと合併してハックキミサワとなり、その後CFSコーポレーションと社名を変更した)も買収し、現在はイオンの子会社であるマックスバリュ東海に合併されている。だから、今回の抽選会のイベントからはマックスバリュ、キミサワ、キミサワグラッテなどがイベント・ポスターには除外対象として明記されている。
またコンビニ業界5位のミニストップもイオンの傘下に入り、しかもイオンの連結子会社であるが、抽選会の参加対象から除外されているにもかかわらず、イベント・ポスターに明記されている除外対象の中に「ミニストップ」の店名もコンビニも明記されていない。
つるかめの問題に戻る。つるかめが発行しているレシートは、イオンの紛れもないレシートである。実は「つるかめ青葉すすき野店」は当初つるかめという店名でスタートしたが、その後親会社のTESCOと店名を変え、テスコ社がテスコジャパンの株式の50%をイオンに譲渡して以降再び店名をつるかめに戻して現在に至っている。問題のイオン・レシートを発行するレジが同店に導入されたのは6月中旬であった。レジはイオンから提供されたという。
イオン新百合ヶ丘店が発行するレシートと違うのはレシートの発行元である「AEON」の印刷の下部に記載される店名が違うだけである。さらにあえて細部にわたってレシートのプリントで違うのは店名の下に印字されている電話・ファックス番号とホームページアドレスだけだが、それが違うのは当たり前で、さらにその下にはレシートのトップに大きく印字されたAEONよりやや小さめの字で、だが目立つように黒べた白抜きで記載されている領収書という文字の下部に、イオン新百合ヶ丘店の場合はイオンリテール株式会社と印字されているのに対し、つるかめ青葉すすき野店の場合は領収書の下部にイオンエブリ株式会社というつるかめを運営している社名すら記載されていない。ということは、つるかめ青葉すすき野店はイオン新百合ヶ丘店と違ってイオンが直接運営主体のスーパーだということになる。それほどイオングループの中で重要な地位を占めている同店のレシートが抽選対象から除外される理由はないはずだが。
私は抽選日にイオンで幹部の一人と話し合った。その場でイオン本部の顧客担当部門に電話をして、「なぜ、つるかめのレシートが抽選対象から除外されるのか」と聞いてもみたが、納得できる説明は一切なかった。しどろもどろで理由の説明もできず「つるかめは除外されています」と繰り返すだけだった。で、私は「これからポスターを見ます。つるかめを除外することが明記されていれば除外した理由と責任は追及を続けますが、もしそうした明記がなければポスターを破り捨てます。器物破損で警察に訴えるなら、どうぞ」と捨て台詞を残して同店の幹部とポスターをチェックするため売り場に行った。
ポスターには除外対象の中に「つるかめ」の名も「イオンエブリ」というつるかめの運営会社(レシート上ではつるかめはイオンの直運営店になっている)の名も記載されていなかった。ただポスターのチェックに立ち会った幹部との話し合いの中で問題になったのは、除外対象の中に「スーパーマーケット各店」とあり、彼は「つるかめはこのジャンルに入る」と主張した。が、対象店舗のほうには「イオンスーパーセンター」とあり、いったい「スーパーマーケット」と「スーパーセンター」はどこが違うのかということが問題になった。つるかめはレシート上では仮にスーパーマーケットであるとしても「イオンスーパーマーケット」であることは間違いない。私は幹部に「消費者にその違いがわかるか。いやそもそもあなたにその違いを説明できるか」と詰問した。彼は無言になった。説明できないのは彼のせいではない。その差を説明できる人はイオンの岡田元也社長をはじめ日本中探しても一人もいないはずだ。
私は幹部にこう言って、実際に行動に出た。
「これから約束した通り、ポスターを片っ端から破ります。器物破損で警察を呼ぶならどうぞ」
犯罪を防止するのは国民の義務でもあり権利でもある。幹部は私の行動を阻止しようとしなかった。良心があったら阻止できるわけがないからだ。私は20枚ほどポスターを破いて店を後にした。全部破っている時間がなかったからだ。
イオン新百合ヶ丘店の1階エレベータホールに工藤店長の顔写真と「お気軽に声をおかけ下さい」と書かれた張り紙が掲示されているが、何か問題が生じても工藤氏が顔を出すことは絶対にない。「店長にお会いしたい」と店員に言っても、ガードは総理大臣並みに固く、出てくるのはせいぜい売り場の責任者である。「あなたじゃ、話にならない」と言っても、「店長は今不在でして」とやんわり断る。私はこれまで何度もそういう目に合っているので、店長は常に不在のようだ。それで、よく店長が務まるな、と思う。
どうしても店長に会えないので、やむを得ずイオンの本部に新百合ヶ丘店の問題を伝えたが、本部自体が煮え切らない。新百合ヶ丘店には何か特別な事情があるのかもしれない。
そういえば、工藤氏が店長になったのはいつなのかは知らないが、少なくとも10年以上にはなると思う。ということは、イオン新百合ヶ丘店は特定郵便局のように、工藤家の家業店なのかもしれない。
小田急線の新百合ヶ丘駅が開業したのは1974年である。多摩ニュータウンと都心を結ぶ路線の中継駅として百合ヶ丘駅と柿生駅の間に作られた。それから39年になる。工藤家はひょっとしたら、その周辺の大地主だったのではないか。
新百合ヶ丘店は元からイオンだったわけではない。中堅スーパーのマイカル(食品部門)とマイカル系列のショッピングセンター・ビブレ、それに複合映画館のワーナー・マイカル・シネマズが一つのビルにおさまっていた。マイカルは、商業部門だけでなく、日本最大のフィットネス・クラブのエグザスも運営していた。マイカル新百合ヶ丘店(ビブレ・映画部門を含む)に隣接してエグザス・グループでも最大級のフィットネス・クラブがあった。ただ妙だったことは、このフィットネス・クラブはエグザスの直営店ではなかったようだ。正式な店名は、もう忘れたが舌を噛みそうな呼びにくい名前がついていたように思う。ひょっとしたら、これもエグザスのフランチャイズ店で、工藤家の誰かが経営していたのではないかと想像している。そう考えれば、工藤一美氏が死ぬまでイオン新百合ヶ丘店の店長の椅子に座り続けたとしてもおかしくない。
私が何度も工藤店長に面会を求めても、売り場の責任者が絶対に店長に合わせない理由も、店長が新百合ヶ丘店の事実上のオーナーで、雲の上の天皇のような存在だと考えれば理解できる。また、本部に物申しても、新百合ヶ丘店に関しては針に触るように神経質になる理由も理解できる。また私が新百合ヶ丘店の問題を、売り場責任者が頑として拒絶してきたことも、本部も手が付けられなかったことも、そう考えれば納得がいく。
私が問題にしたのは、新百合ヶ丘店の食品売り場に設置されている冷蔵保管庫を有料(1回の使用料が200円)にしたことだった。しかも、その理由が振るっていた。保管庫に「お客様のご要望により有料にしました」と書いたポスターを貼ったのだ。どこのだれが、保管庫を有料にしてくれなどと希望する客がいるか。
私自身は、冷蔵保管庫を利用したことは一度もない。しかし、通常どのスーパーやデパートで保管庫を有料にしている店があるか。私は寡聞にして聞いたことがない。で、店員の一人の「保管庫の有料化について店長に言いたいことがある」と会見を申し入れたが、先に述べたように現れたのは食品売り場(スーパーマーケット部門――このことは非常に重要なことなので、イオン新百合ヶ丘店の1階にある食品・日用品売り場はスーパーマーケット部門であることを記憶にとどめておいてほしい)の責任者だった。ちなみに2~5階はショッピングセンター部門で、店名も「ビブレ」と称しており、6階は複合映画館である。複合映画館は今年6月までワーナー・マイカル・シネマズの名称で営業していたが、7月からイオンシネマに変更した。
さてイオンが『期間中のお買い物が(最大10万円まで)買った分だけ、ただになる!』キャンペーンを行ったのは8月8日~8月15日の8日間に買ったレシートを持って行けば、「50人に1人が当たる確率」でレシートの合計金額を0円にしてしまうという、おそらくスーパー業界でも初めての異例なキャンペーンだったと思う。抽選日は8月14・15日の2日間だけで、抽選できる条件は「期間中に集めた5,000円以上(税込)のレシートで、お一人さま1回だけ」というもので。その店だけの買い物ではなくてもいいというのだ。
ただし、レシートの対象店舗は「全国のイオン・イオンスーパーセンターおよびイオンモール・イオンショッピングセンター・イオンタウン内の専門店」に限定されると、このキャンペーン用ポスターには記載されている。対象外は「マックスバリュ、マルナカ、山陽マルナカ、KOHYO、ミキサワ、キミサワグラッテ、ザ・コンポおよびスーパーマーケット各店」とされている。
なお私が問題にしたのは「イオンつるかめ青葉すすき野店」のレシートである。紛れもなくイオンの「つるかめ青葉すすき野店」だ。「イオン新百合ヶ丘店」と、レシートを見る限り、まったく同じである。だが、「イオンつるかめ青葉すすき野店」のレシートは抽選の対象外だという(イオンの本部の主張)。
実はつるかめは元々は英国最大、世界でもウォルマート(米、西友は日本に
おける同社の子会社である)、カルフール(仏)に次ぐ世界第3位の規模のチェ
ーンストア、テスコ社が日本に進出して運営していたスーパーだった。が、業績が上がらずテスコ社は2011年8月、日本からの撤退を発表、翌12年6月にはイオンがテスコジャパン(テスコ社の日本法人)の株式の過半を1円で取得する予定であると発表、テスコ社との交渉を経て13年1月株式の50%をイオンが取得し、3月にはテスコジャパンの商号が「イオンエブリ株式会社」に変更された。イオン自体は持株会社(ホールディング・カンパニー)であり、イオン新百合ヶ丘店も運営会社はイオンリテール株式会社である。そういう意味では、つるかめはイオンの関連会社と言えなくもない(イオンの出資比率は現在50%だから、子会社とは言えない)。イオングループと称してはいるが、イオンの支配下にあるわけではない。ただ、英テスコ社は近い将来、日本から完全撤退すると言われており、その時はおそらくイオンが全株を取得して子会社化する可能性はあるし、イオンエブリもイオンリテールに吸収される可能性が高い。が、現在は少なくとも持ち株比率50%(残りの50%はテスコ社が保有している)に過ぎず、領収書(レシート)をイオンが発行するのはきわめて紛らわしい行為と言えよう。
なおイオンはバブル崩壊で会社更生法を申請したヤオハンやマイカルを傘下に収めて以降、急速に事業や業態の拡大路線に転じ、現在はかつて日本最大の小売業にのし上がったこともあるダイエーの再建にも参画し、いずれはダイエーも傘下に収める意向とみられている。
ほかにも静岡県や神奈川県で広く店舗展開しているドラッグストアのHAC(同社の経営実態は複雑で、キミサワと合併してハックキミサワとなり、その後CFSコーポレーションと社名を変更した)も買収し、現在はイオンの子会社であるマックスバリュ東海に合併されている。だから、今回の抽選会のイベントからはマックスバリュ、キミサワ、キミサワグラッテなどがイベント・ポスターには除外対象として明記されている。
またコンビニ業界5位のミニストップもイオンの傘下に入り、しかもイオンの連結子会社であるが、抽選会の参加対象から除外されているにもかかわらず、イベント・ポスターに明記されている除外対象の中に「ミニストップ」の店名もコンビニも明記されていない。
つるかめの問題に戻る。つるかめが発行しているレシートは、イオンの紛れもないレシートである。実は「つるかめ青葉すすき野店」は当初つるかめという店名でスタートしたが、その後親会社のTESCOと店名を変え、テスコ社がテスコジャパンの株式の50%をイオンに譲渡して以降再び店名をつるかめに戻して現在に至っている。問題のイオン・レシートを発行するレジが同店に導入されたのは6月中旬であった。レジはイオンから提供されたという。
イオン新百合ヶ丘店が発行するレシートと違うのはレシートの発行元である「AEON」の印刷の下部に記載される店名が違うだけである。さらにあえて細部にわたってレシートのプリントで違うのは店名の下に印字されている電話・ファックス番号とホームページアドレスだけだが、それが違うのは当たり前で、さらにその下にはレシートのトップに大きく印字されたAEONよりやや小さめの字で、だが目立つように黒べた白抜きで記載されている領収書という文字の下部に、イオン新百合ヶ丘店の場合はイオンリテール株式会社と印字されているのに対し、つるかめ青葉すすき野店の場合は領収書の下部にイオンエブリ株式会社というつるかめを運営している社名すら記載されていない。ということは、つるかめ青葉すすき野店はイオン新百合ヶ丘店と違ってイオンが直接運営主体のスーパーだということになる。それほどイオングループの中で重要な地位を占めている同店のレシートが抽選対象から除外される理由はないはずだが。
私は抽選日にイオンで幹部の一人と話し合った。その場でイオン本部の顧客担当部門に電話をして、「なぜ、つるかめのレシートが抽選対象から除外されるのか」と聞いてもみたが、納得できる説明は一切なかった。しどろもどろで理由の説明もできず「つるかめは除外されています」と繰り返すだけだった。で、私は「これからポスターを見ます。つるかめを除外することが明記されていれば除外した理由と責任は追及を続けますが、もしそうした明記がなければポスターを破り捨てます。器物破損で警察に訴えるなら、どうぞ」と捨て台詞を残して同店の幹部とポスターをチェックするため売り場に行った。
ポスターには除外対象の中に「つるかめ」の名も「イオンエブリ」というつるかめの運営会社(レシート上ではつるかめはイオンの直運営店になっている)の名も記載されていなかった。ただポスターのチェックに立ち会った幹部との話し合いの中で問題になったのは、除外対象の中に「スーパーマーケット各店」とあり、彼は「つるかめはこのジャンルに入る」と主張した。が、対象店舗のほうには「イオンスーパーセンター」とあり、いったい「スーパーマーケット」と「スーパーセンター」はどこが違うのかということが問題になった。つるかめはレシート上では仮にスーパーマーケットであるとしても「イオンスーパーマーケット」であることは間違いない。私は幹部に「消費者にその違いがわかるか。いやそもそもあなたにその違いを説明できるか」と詰問した。彼は無言になった。説明できないのは彼のせいではない。その差を説明できる人はイオンの岡田元也社長をはじめ日本中探しても一人もいないはずだ。
私は幹部にこう言って、実際に行動に出た。
「これから約束した通り、ポスターを片っ端から破ります。器物破損で警察を呼ぶならどうぞ」
犯罪を防止するのは国民の義務でもあり権利でもある。幹部は私の行動を阻止しようとしなかった。良心があったら阻止できるわけがないからだ。私は20枚ほどポスターを破いて店を後にした。全部破っている時間がなかったからだ。