7月17日にマレーシア航空機が撃墜されて以降、一段と深刻になっていたウクライナ危機打開の動きがようやく始まった。ウクライナのポロシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領が、ベラルーシの首都ミンクスで26日に会談、にこやかに握手を交わした。
2か月半ぶりの対話を実現させたのは、当事国の首脳の事態打開への強い思いもさることながら、ウクライナ情勢の悪化によって複雑な利害関係が交錯しているEU諸国の足並みの乱れにもあった。ドイツなど主要国はロシアの天然ガスにエネルギー資源の多くを依存しており、フランスはロシアに軍用艦船の売却方針を変えず、対ロ制裁を強行していたのはウクライナと軍事的にも経済的にもほとんど関係のないアメリカと日本だけになった。
今回のウクライナ危機打開交渉は、2国間の首脳会談だけでなく、EU代表(独メルケル首相と思われるが、正式発表はない)とベラルーシ、カザフスタンの両国大統領も参加しているという。お邪魔虫のアメリカも日本も「蚊帳の外」だ。
ベラルーシもカザフスタンも、ウクライナと同様、旧ソ連の構成国である。5者会談のお膳立てをしたEUが、金魚の糞のようにオバマ氏の言いなりになっただけの日本はともかく、対ロ制裁の主導権を握ってきたアメリカをあえて外したところにも、ウクライナ問題の複雑さが見て取れる。
現に昨日のNHKニュースはウクライナの首都キエフでの独立記念式典の盛大さを伝えると同時に、ウクライナ東部の「親ロシア派」の勢力下にある主要都市での「親ロシア派」のパレードの盛大さも伝えた。日本は国内に深刻な民族対立や宗教対立を抱えていないため、そうした問題を抱えている国の政治の難しさが理解しにくい。
ウクライナ情勢に何の「国益」も関与しない日本が、なぜ日ソ関係の打開の絶好のチャンスまで棒に振ってオバマ大統領の要請(また間違えた。「恫喝」だった)に唯々諾々と従って対ロ制裁に踏み切ったのか、安倍政権は国民にきちんと説明する必要があるだろう。
また5者会談のタイミングをとらえてロシアのラブロフ外相が記者会見で、危ぶまれていた今秋のプーチン大統領の訪日について、「ウクライナ危機とは関連づけていない」と述べ、訪日が実現するかどうかは日本次第とボールを投げてきた。それに対して菅官房長官が記者会見で「現在、日程を調整中」と答えればいいのに(そう答えておけば、訪日が実現しなかった場合も「日程の調整がつかなかった」と言い訳ができた)、バカなことに「さまざまな要素を総合的に考慮して検討していきたい」と述べた。
もともとプーチン大統領の訪日は安倍総理のほうから要請して実現の運びになった計画である。北方領土問題やシベリヤや樺太に眠る資源開発など、両国
が協力して解決することができれば、政治的・経済的に日ロの関係は極めて良好になり、日本を取り巻く安全保障環境は著しく改善される。アメリカにとっては、たぶん好ましくないことだろうが…。
だから菅官房長官の「さまざまな要素を総合的に考慮して」という歯切れの悪い言い方は、はっきり言えば「オバマ大統領の意向をお伺いしないと答えられない」ということだ。そのくらいのことはマス・メディアも理解してほしい。
その件とは直接関係はないが、自民党の高市政調会長が昨日「戦後70年の節目を迎える2015年に、河野談話に代わる新しい官房長官談話を出す」よう求めた文書を菅官房長官に提出した。すでに政府の「河野談話の作成過程の検証」によって談話は、韓国側が用意した16人の「元慰安婦」の証言のみを根拠とし、韓国側と談話の内容についてもすり合わせを行ったことが明らかになり、またそもそも「従軍慰安婦問題」に火をつけた朝日新聞が誤報だったとして記事を取り消した以上、「河野談話の見直しをしない」という政府方針は根底から覆ったと言わざるを得ない。
高市氏によれば、新談話については菅氏からは「出す」とも「出さない」とも返答はなかったようだが、早くオバマ大統領にお伺いを立てた方がいいよ。日本政府の方針はオバマ大統領が決めるのだから、高市氏は要請する相手を間違えたようだ。
2か月半ぶりの対話を実現させたのは、当事国の首脳の事態打開への強い思いもさることながら、ウクライナ情勢の悪化によって複雑な利害関係が交錯しているEU諸国の足並みの乱れにもあった。ドイツなど主要国はロシアの天然ガスにエネルギー資源の多くを依存しており、フランスはロシアに軍用艦船の売却方針を変えず、対ロ制裁を強行していたのはウクライナと軍事的にも経済的にもほとんど関係のないアメリカと日本だけになった。
今回のウクライナ危機打開交渉は、2国間の首脳会談だけでなく、EU代表(独メルケル首相と思われるが、正式発表はない)とベラルーシ、カザフスタンの両国大統領も参加しているという。お邪魔虫のアメリカも日本も「蚊帳の外」だ。
ベラルーシもカザフスタンも、ウクライナと同様、旧ソ連の構成国である。5者会談のお膳立てをしたEUが、金魚の糞のようにオバマ氏の言いなりになっただけの日本はともかく、対ロ制裁の主導権を握ってきたアメリカをあえて外したところにも、ウクライナ問題の複雑さが見て取れる。
現に昨日のNHKニュースはウクライナの首都キエフでの独立記念式典の盛大さを伝えると同時に、ウクライナ東部の「親ロシア派」の勢力下にある主要都市での「親ロシア派」のパレードの盛大さも伝えた。日本は国内に深刻な民族対立や宗教対立を抱えていないため、そうした問題を抱えている国の政治の難しさが理解しにくい。
ウクライナ情勢に何の「国益」も関与しない日本が、なぜ日ソ関係の打開の絶好のチャンスまで棒に振ってオバマ大統領の要請(また間違えた。「恫喝」だった)に唯々諾々と従って対ロ制裁に踏み切ったのか、安倍政権は国民にきちんと説明する必要があるだろう。
また5者会談のタイミングをとらえてロシアのラブロフ外相が記者会見で、危ぶまれていた今秋のプーチン大統領の訪日について、「ウクライナ危機とは関連づけていない」と述べ、訪日が実現するかどうかは日本次第とボールを投げてきた。それに対して菅官房長官が記者会見で「現在、日程を調整中」と答えればいいのに(そう答えておけば、訪日が実現しなかった場合も「日程の調整がつかなかった」と言い訳ができた)、バカなことに「さまざまな要素を総合的に考慮して検討していきたい」と述べた。
もともとプーチン大統領の訪日は安倍総理のほうから要請して実現の運びになった計画である。北方領土問題やシベリヤや樺太に眠る資源開発など、両国
が協力して解決することができれば、政治的・経済的に日ロの関係は極めて良好になり、日本を取り巻く安全保障環境は著しく改善される。アメリカにとっては、たぶん好ましくないことだろうが…。
だから菅官房長官の「さまざまな要素を総合的に考慮して」という歯切れの悪い言い方は、はっきり言えば「オバマ大統領の意向をお伺いしないと答えられない」ということだ。そのくらいのことはマス・メディアも理解してほしい。
その件とは直接関係はないが、自民党の高市政調会長が昨日「戦後70年の節目を迎える2015年に、河野談話に代わる新しい官房長官談話を出す」よう求めた文書を菅官房長官に提出した。すでに政府の「河野談話の作成過程の検証」によって談話は、韓国側が用意した16人の「元慰安婦」の証言のみを根拠とし、韓国側と談話の内容についてもすり合わせを行ったことが明らかになり、またそもそも「従軍慰安婦問題」に火をつけた朝日新聞が誤報だったとして記事を取り消した以上、「河野談話の見直しをしない」という政府方針は根底から覆ったと言わざるを得ない。
高市氏によれば、新談話については菅氏からは「出す」とも「出さない」とも返答はなかったようだが、早くオバマ大統領にお伺いを立てた方がいいよ。日本政府の方針はオバマ大統領が決めるのだから、高市氏は要請する相手を間違えたようだ。
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