小林紀興の「マスコミに物申す」

第三の権力と言われるマスコミは政治家や官僚と違い、読者や視聴者の批判は一切無視、村社会の中でぬくぬくと… それを許せるか

小保方晴子氏のSTAP細胞作製疑惑に新たな疑惑が浮上した。彼女はなぜ真実を明らかにせず逃げ回るのか?

2014-03-14 06:28:43 | Weblog
 STAP細胞の夢が消えようとしている。昨日(13日)、STAP細胞の作製に成功したとされてきた小保方晴子氏が「研究ユニットリーダー」として籍を置いている理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター長の竹市雅俊氏が毎日新聞の取材を受け、『ネイチャー』に投稿・掲載された論文について「取り下げざるを得ない」と語った。今日、記者会見を開いて「すべて説明する」という。読者がこのブログを読まれているころには、すでに記者会見は行われているかもしれない。
 問題はやや複雑化してきた。私が11日に投稿したブログ『小保方晴子氏のSTAP細胞作製は捏造だったのか。それとも突然変異だったのか?』では、告発者の山梨大学教授の若山昭彦氏が、「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在する確信がなくなった。研究論文に名を連ねた研究者たちに論文の取り下げに同意するよう働きかけている」という段階だった。この告発に対して理化学研究所は「研究の本質的な部分については揺るぎないものと考えている」と発表していた。
 若山氏の告発によって、メディアも一斉に動き出した。読売新聞のワシントン支局記者が論文の著者の一人であるハーバード大学医学部教授のチャールズ・バカンティ氏への書面での取材に応じて「STAP細胞についてのネイチャー誌の論文に対する疑惑と懸念は、私たちの発見や結論には何ら影響しないと固く信じている」と改めて強調し、論文の撤回に難色を示したという。
 ところが、ネイチャー論文に対する疑惑だけでなく、別の疑惑も明らかになった。朝日新聞が12日に報道した記事(デジタル版)によると、小保方氏が母校の「早稲田大学の提出した英文の博士論文で、参考文献リストが他の論文と酷似しており、リストは論文の根拠となる文献を示すもので、学位取り消しの検討が求められる状況となっている」という。この記事だけでは何のことかさっぱりわからないが、こういうことのようだ。
 2011年2月に提出された博士論文はSTAP細胞の論文ではないが、章別に参考文献リストが記載されていて、たとえば第3章には参考文献リストとして38件が記載されているが、肝心の論文中では引用したことを明示せずに、台湾の病院の研究者らが医学誌で発表した論文に記載されている文献リスト53件の中から無断で孫引きしたということらしい(※これは私の要約。記者は朝日新聞の編集委員ということだが、意味不明な文章だったので要約した)。
 私は、著書やこのブログでも引用したり転記(転載)したり、あるいは要約する場合は必ず、そのことを明示することにしているが、著書の末尾に「参考文献」として列挙したことは一切ない。私は事実を調べる場合に、今は取材活動など一切しないが(単純に時間と金の無駄遣いになるため)、インターネット
はよく利用させてもらう。新聞記事は著作権の対象にはならないが(最近署名記事が増えており、署名記事の場合は著作権の対象になる)、事実として公になっている場合を除き、私が新聞記事を引用したり要約したりする場合は基本的に事実としては私自身が責任を負えないと判断した場合で、だから「◌◌によれば」といった間接的表記にしている。だから、読売新聞読者センターとの紛争についても、私にあれだけコテンパンに書かれても読売新聞は私に対して何もできない。
 巻末に参考文献を羅列するのは、自分の頭で考えたのではありません。このように権威ある人の論文をベースにしています。――と無能さを自ら告白しているようなもので、しかも論文のどこがオリジナルで、どこが「ノリとハサミ」なのか明確でない論文が博士論文としてとおってしまうこと自体が私には信じがたい。だから、小保方氏の博士論文自体も問題ではあるが、小保方氏は章末に参考文献を列挙していたようだから、なぜ早稲田大学の論文審査委員は、小保方氏の論文のどの箇所がどの文献を参考にして書いたのか、あるいは無断引用なのかのチェックをまったくしていなかったということになる。つまり私に言わせれば、小保方氏一人のインチキな博士論文という問題より、一流大学と衆目が認める早稲田大学では、バレさえしなければどんな盗作的博士論文でもとおってしまう大学だということを世間に公にしただけということになる。この一件で小保方氏の博士号をはく奪でもしようものなら、早稲田大学は恥の上塗りをするだけになる(私は小保方氏の博士号はく奪に反対しているわけではない。念のため)。
 またいまネイチャーに投稿した論文に掲載された写真が、過去の論文に掲載した写真と酷似していることも問題になっている。この問題の仕方もおかしいと言わざるを得ない。万能細胞であることを証明する根幹とも言うべき写真だそうだが、でっち上げの写真なのか、単に過去の論文に掲載した写真と酷似しているだけなのか、それを調べなければ結論は出せないはずだ。マウスを使って作製した万能細胞だったら、同じ実験で得た写真が酷似するのは当たり前ではないか。ネイチャーに掲載した写真が、人工的に細工が施されたものであれば、とんでもない話だが、その証明はされていないようだ。
 第一、論文の著者名には14人の研究者が名を連ねている。論文を取り下げるよう告発した若山氏も名を連ねた著者の一人だ。彼は研究に実際には参加せずに、名前だけ貸した人間なのか。メディアは告発した若山氏を英雄のように扱っているが、今頃になって研究者の良心がとがめるくらいなら、安易に名前を貸したことについて「STAP細胞作製についてどのような関与をしたのか、なぜ確信が持てない研究論文に著者として名を連ねたのか、当時は確信していたとしたら、なぜ今になって確信が持てなくなったのか」といった疑問に、まず答える必要があるのではないか。そうすればSTAP細胞作製に対する疑惑の解明にも大きな役割を果たすことになる。
 11日に投稿したブログにも書いたが、100%の再現性がなければ事実として認められないというのであれば、少なくとも若山氏は共同研究をしていた時には100%の再現性を認めていなかったのか。ips細胞発見の山中伸也教授にしても、いきなり100%の再現性が認められる結果に出くわしたわけではないと思う。
 自然界の状況は、同じ日、同じ場所でも、1分違えば差異が生じる。そうした 差異が偶然の大発見、大発明につながるケースも少なくない。そうした現象を生じさせた自然界の状況を突き止めることができれば、同じ条件を人工的に作り出すことによって再現性は限りなく高まる。
 私はいまでも、事実としてはSTAP細胞は出来ていたのではないかと思っている。だから米ハーバード大学教授も「STAP細胞についてのネイチャー誌の論文に対する疑惑と懸念は、私たちの発見や結論には何ら影響しないと固く信じている」と自らの信念を語っているくらいである。また理化学研究所も当初は「研究の本質的な部分については揺るぎないものと考えている」と主張していた。しかも論文の著者14人中9人が理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターの研究者(小保方氏を含む)である。センター長で、今日「論文は取り下げざるをえない」と毎日新聞記者に語った竹市氏は、水面下で疑惑が持ち上がり始めた先月上旬、やはり毎日新聞の記者に「データに疑う余地がなかった。聞いた瞬間から信用した」と語ったという。
 ネイチャー誌の規定により、論文の取り下げには著者全員の同意が必要だという。果たして全員が同意するのか。もし同意するということになると、若山氏も含め著者全員に、論文に名を連ねたことの説明責任が生じる。「ビールをごちそうになったから名前を貸した」では済まされない。
 また、これだけ大騒ぎになっているのに、肝心の小保方氏はなぜメディアから逃げ回っているのか。たとえ再現性に問題があったとしても少なくとも13人の研究者がいったんはSTAP細胞作製の成功を認めたわけで、小保方氏自身の説明責任は何よりも重い。自分が首をくくれば、それで済むという問題ではない。冗談ではなく、追い詰められて、真相を闇に葬ったまま小保方氏が自ら命を絶つことを私は一番恐れている。
 

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