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STAP検証実験、いつまで税金の無駄遣いを続けるのか。理研の解体的出直しとは野依体制の一新だ。

2014-08-28 07:25:59 | Weblog
 なぜいつまでも無駄な研究に税金を使い続けるのか。理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(CDB)でのSTAP細胞検証実験のことである。
 昨日(27日)午後3時半過ぎから研究チームのリーダー、丹羽仁史氏らのプロジェクトチームが4月から実施してきた実験の中間報告を行った。すでに科学誌『ネイチャー』に掲載されたSTAP論文は取り下げられている。それでもSTAP細胞の作製に200回以上成功していると小保方晴子が言い張るのなら、小保方に作らせて、本当にES細胞とは違う新しい万能細胞であることを確認できてから、CDBの総力を挙げて「夢の若返りも不可能ではない」(小保方)STAP細胞再現条件の確定を目指す研究を行うべきではなかったか。
 丹羽氏によると、この検証実験は論文に記載されている通りの方法で22回行ったという。これまでに使った実験費用は予算約1300万円のうち約700万円だという。まだ600万円残っているから、今後マウスの種類や実験に使う臓器、細胞を刺激する方法など条件を変えて来年3月まで実験を続けるという。実験のやり方を変えるなら、それはもはや検証実験ではなく、新しいテーマの研究ということになるのが科学の世界の常識だ。
 また丹羽氏は、カネについての考え方もおかしいのではないか。検証実験チームが何人かは公表されていないが、彼らは1年間雲や霞を食べ、給料を貰わず実験を続けているとでも言うのか。確かに予算は1300万円かもしれないが、それはマウスや実験器具の購入費などのことだろう。民間企業だったら、その研究に人件費も含めてどのくらいの予算を投じる価値があるかを計算したうえで、実験の期間や規模を決める。
 そもそもSTAP問題発覚後に設置された外部識者による理研の改革委員会(委員長=岸輝夫東京大名誉教授)は、6月に公表した提言で、研究不正を誘発したり防げなかったりした背景にCDBの構造的欠陥があったと指摘し、理研に対してCDB解体や人事の一新、理研全体のガバナンス体制の見直しを求めていた。 
 小保方ら論文執筆者全員が論文の撤回に応じた時点で、論文の検証実験をする意味はなくなっている。小保方に自信があるのなら、論文共著者のハーバード大バカンティ教授が「ハーバードに戻っておいで」と言ってくれていたのだから、ハーバード大で世紀の研究成果を実証して見せれば、小保方に対するすべての疑惑は払しょくされていた。小保方はなぜそうしなかったのか。しなかったのではなく、出来なかったのではないか。

 昨日、丹羽チームの中間報告に合わせるかのように、理研の野依良治理事長がCDBの「解体的出直し」のプランを下村文科相に提出した。CDBは現在研究室が約40あり、研究者は約450人いるが、研究室を半減し、ベテラン研究員を中心とした「中核プログラム」とセンター長直属の「センター長戦略プログラム」を廃止するという。が、研究者の雇用は維持する。
 すでに撤回された論文の検証実験に人手を割けるほど研究者が余っているの
なら、雇用を維持する必要はないだろう。第一、改革委が求めていたガバナンス体制の見直しとは、野依理事長体制の一新を意味しているはずだ。CDBのセンター長の竹市雅俊氏は更迭するようだが、トカゲの尻尾切りで事を収めようとするのか。
 野依理事長は2001年、ノーベル化学賞を受賞している。研究者としては、確かに折り紙つきと言えるだろう。
 が、私が小学生のころから、ファンだったプロ野球については「名選手、必ずしも名監督たりえず」と言われていた。最近は、プロ野球界でもトッププレーヤーを監督にするとは限らず、プロ野球界では事実上死語になっている言葉だが、最も合理的な思考が要求されるはずの科学界において、プロ野球界ですら常識のガバナンスが無視されているというのはどういうことか。
 理研の「解体的出直し」とは、CDBの体質に手をこまねいてきた野依体制の一新から始めるべきではないのか。 

 

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