
後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和55年2月、加藤一二三先生と第29期王将戦第3局です。

大山先生の向い飛車で

57銀型。加藤先生は棒銀です。

46銀から固められるので、36歩は形ではあるのですが、後で問題になりました。

大山先生は対棒銀で75同歩と取ることも多いです。

端に角を出るのは少し強引なさばき方です。居飛車としては76歩に66銀と出られる形なら、74飛や71飛もありますが、66には金銀が利いているので

94歩。73歩同桂75飛で銀と角の取り合いです。

大山先生は銀を手放して桂馬をとれるからよし、という読みでした。

ところが65歩と突かれ、王手飛車があります。36歩がたたりました。

65同歩から香と飛の取り合いですが、駒得で良し、ではありません。

桂を取られ、73の桂にも逃げられ(65同飛は62香)

24桂を利かされ

やっと65桂を取ったら角を打たれます。よいことがないですね。

85飛に47角成でも悪いですが、94角もあります。飛をつないで受けますが、あとは加藤先生がどう寄せるかだけです。

普通に飛を取って8段目から寄せます。

端に手をつければ攻め駒は十分。

大山先生は端を謝らずに、半分形作りで攻めを見せます。

加藤先生は馬を切って寄せに出ました。

11角成を催促して竜を使い

詰めろがかかるようになればもう少し。

一度31金と手を戻し

詰み筋です。

投了図。
大山先生でもタイトル戦で王手飛車の筋をうっかりするのですから、我々が両取りを食らっても仕方ないですね、となぐさめられるような将棋でした。棒銀に75同歩と取るのは、一気に良くなるかもしれませんが、失敗するとひどいのです。本譜は棒銀が角と交換できたということになるのですから、ちょっと振り飛車が無理をしている感じです。
形勢が良くなると好手が生じやすくなるわけで、加藤先生の寄せを学びましょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:加藤一二三王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 8八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 6六歩(67)
12 6四歩(63)
13 4八玉(59)
14 4二玉(51)
15 3八玉(48)
16 3二玉(42)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 4二銀(31)
23 5七銀(68)
24 7三銀(62)
25 6七金(58)
26 8四銀(73)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 3六歩(37)
30 7二飛(82)
31 7八飛(88)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 同 銀(84)
35 9五角(77)
36 9四歩(93)
37 7三歩打
38 同 桂(81)
39 7五飛(78)
40 9五歩(94)
41 8三銀打
42 7一飛(72)
43 8二銀(83)
44 6五歩(64)
45 同 歩(66)
46 9九角成(22)
47 7一銀成(82)
48 8九馬(99)
49 7八歩打
50 6五桂(73)
51 4六銀(57)
52 8八馬(89)
53 5五歩(56)
54 2四桂打
55 3七銀(38)
56 4四香打
57 6五飛(75)
58 8三角打
59 8五飛(65)
60 9四角(83)
61 8一飛打
62 4六香(44)
63 同 歩(47)
64 7八馬(88)
65 5七金(67)
66 8五角(94)
67 同 飛成(81)
68 9八飛打
69 4八桂打
70 6八馬(78)
71 5九香打
72 1五歩(14)
73 5四歩(55)
74 1六歩(15)
75 6六角打
76 1七歩成(16)
77 同 桂(29)
78 5七馬(68)
79 同 香(59)
80 4七金打
81 2六歩(27)
82 6八飛成(98)
83 1一角成(66)
84 5七龍(68)
85 3八香打
86 1六銀打
87 3九玉(28)
88 3一金(41)
89 7四角打
90 3七金(47)
91 同 香(38)
92 2七銀成(16)
93 3八金(49)
94 2八銀打
95 同 金(38)
96 同 成銀(27)
97 同 玉(39)
98 4八龍(57)
99 投了
まで98手で後手の勝ち