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20160129今日の一手<その258>; 4枚の攻めは切れない

2016-01-29 | 今日の一手
20160129今日の一手

12月13日の名南将棋大会からAさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩と金の交換で、持ち歩もありますから先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は68飛97角54銀と持ち駒金で4枚。
後手の攻め駒は33角1枚。
総合すれば先手が有利で、優勢に近いです。

大局観として
仕掛けの前はこの局面でした。

一目先手の作戦勝ちです。攻め駒の配置がきれいですね。私なら一度は58金左、さらに47金まで指してから仕掛けるところですが、ここで65歩でも悪くないと思います。65歩同歩に54歩

これは一気につぶしてしまおうという攻め方ですね。54歩ではなく65同銀として、64歩同銀同銀同角同金同飛でも十分なところです。54歩に同金65銀45歩54銀64歩でもう一度問題図です。

後手としては54同歩では65桂でつぶれそうなので仕方なくの64歩です。瞬間は金損ですから、ここは強く攻めていけそうです。嫌なのは33角の利きが通ってしまった(54歩と突き捨てたため)こと、26歩からの反撃があること、57の地点が開いているので桂馬とか銀とか打たれてしまうことです。ですから58金左は指しておきたかったというのと、54歩を突き捨てないほうが楽だったかという気がするのです。

問題図だけ見れば、攻め駒は4枚ですから、これを減らさないように食いつけば勝てます。美濃囲いなので横からの攻めには強く、飛車を渡してもよいのですが、69金が離れてしまうので両取りには気を付けます。
多分一番簡単なのは77桂を使うことです。後手から77角成とされると飛車を外す手も生じて複雑になってきます。


△ 実戦は53銀成でした。

53同銀に65桂のつもりですね。でも77角成58飛55歩で

ここでは飛車が使えなくなりかなり難しくなってしまいました。58飛が疑問手です。逃げずに攻めるべきです。
この後は54歩76馬52成銀同飛53銀22飛64銀不成

ここから26歩同歩27歩同銀35桂

この寄せ合いで互角に近い展開です。38銀と逃げたのが敗着のようで、逃げずに73銀成同桂53歩成でどうだったか。


○ 65桂と使うほうがいいでしょう。

54歩73桂成同金に64飛といっても指せそうですし、64角同金同飛で

63銀打には53歩があります。

飛車も捨てて寄せられます。

63銀打ではなく53銀打なら63銀と打ちます。(62銀から82金でもよさそうです。)

61銀62歩同銀引同銀成同銀63歩

これも寄りです。

後手としては73桂成に同金では金をはがされるので桂で取ります。

64飛(角で行くのもある)63銀打(63銀は同飛成から31角成)68飛(53歩もありそう)

64歩に53歩が利くのが痛く、53同銀(逃げれば52銀と打ちこむ)に43金

53歩の筋があり後手陣をうまく固められません。
後手からの変化もいろいろありますが全部先手が指せそうです。

最初に戻って65桂に同歩は

53銀成に56桂65飛64歩

これに64同角同銀同飛53銀34飛

桂と歩3枚の交換で、後手は歩切れで困っています。

また、64歩に同飛もありそうで64同銀同角67飛

82銀61玉52成銀同飛53歩64飛成52歩成同玉

81銀不成でこれも先手よしです。


○ 85桂もあり

今度は54歩の一手でしょう、73桂成に同金か同桂で前の変化に合流します。変化が半分になるのでこちらのほうがわかりやすそうです。


× 64同角は

64同銀同飛54歩

角が73の銀と交換してしまったので77桂がうまく使えない形で逆転模様。


× 64同飛は

64同銀同角54歩65桂67飛

桂馬は使いやすいのですが、67飛の利きもよく、これも難しくなります。


× 65銀と捨てるのは

銀を取ってもらえばいいのですが、77角成64銀68馬

68同金26歩同歩27歩同玉35桂

53の地点がふさがっているので44角が王手飛車にならないから後手が攻め合い勝ちになります。


× 65歩はありそうですが

54歩64歩62歩には53歩

53同銀に63金と打ち込む筋でまあまあ。

でも62歩と受けずに77角成で

63金に26歩同歩27歩同銀35桂

これも難局です。

☆ まとめ

問題図の前、仕掛ける前に58金から47金として、後手が35の位を取らないなら36歩まで指してしまってから仕掛けたい気がします。後手は52銀と引いて専守防衛なのですからあまり有効な手はなく飛車先交換くらい。銀冠にすることもできそうです。そう考える私の考え方が古いかもしれません。先手のNさんは若い方なので、直線的に攻めてよいならそれを選ぶというのが現代的な考え方というものかもしれません。皆さんはどちらをとりますか?

問題図では後手から77の桂を取って角が成るというのは大きな手なので、取らせずに65桂か85桂としてしまうのがわかりやすかったと思います。54の銀は取らせても桂馬が4枚目の攻め駒になればよいです。

実戦の53銀成でも悪くはないのですが、そのあとの58飛は疑問手です。後手からの57桂が気になって、つい回ってしまうのですが、それなら58金左と備えてから仕掛ければよい話です。飛車が隠居してからはかなり難しくなりました。

攻める時には攻め駒の枚数を数えましょう。4枚あれば切れにくく、さらに持ち歩があれば上から攻められるし、横からの攻めでも と金つくりもできるので条件がよくなります。自玉が堅ければ大駒を切ってもよい時もあります。




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