『abさんご』黒田 夏子著
何年前だったかなぁ~ 75歳で芥川賞受賞というのが気になって読みました。
横書きで(だから?後ろから読むことになります)、漢字やカタカナをほとんど使わず「ひらがな」で書かれた「abさんご」では、《へやの中のへやのようなやわらかい檻(蚊帳のこと)》で、《天からふるものをしのぐどうぐ(傘)》といった言い回しで書かれています。 読む人が想像してね。と言われているような文章は、丁寧に読まないと内容が頭に入って来ません。 日本語の勉強?に最適(^_-)-☆
縦書きで書かれた「毬」「タミエの花」「虹」は普通に前から読むことになります。 でもこの表紙?にバーコード付いているので裏表紙ってこと?
どちらから読んでも内容は一人の少女の心の中を覗いているような気分でした。 近頃は五感で感じ取ることが少なくなってきているのでは?と思いながら・・・ 今や情報の波?嵐?の中にいて、自分自身で何かを感じることが不得手?になっているかも知れません。 空を見上げ、風(空気)を感じ、自然を眺め・・・ ヤッパリ!出かけなきゃぁ~です。
タイトルの意味が気になっていました。
「abさんご」というタイトルにはどういう意味がありますか。との質問に作者はこう答えています。
【いろんな連想をして頂きたいので、書いた側であまり説明はしたくはないんですけれども、少なくとも表面的な意味では「abさんご」は「aかbか」という選択肢の意味の「ab」です。・・・「aなのかbなのか」枝分かれという意味で、「さんご」の、生きているさんごではなくて骨格の、波に洗われうちあげられたさんごは枝分かれしているので、そのイメージを結びつけています。・・・】と・・・ 納得出来ました、本の書き出しに意味が含まれていたのですね。