hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)というグループをご存知だろうか?メンバーは二十代だけれどTIFにも出場したし、カテゴリー的にはアイドルグループという事になる。というより、彼女達がアイドルグループとしてカテゴライズされる事がアイドルというジャンルの奥深さでもあり、それはとても素晴らしい事なのだ。
hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)「ゆけゆけGOGO女の子!!」
ハイパーヨーヨは精力的にライブをこなしていて、今までに600ステージ以上を行なってきたそうだ(Wikipediaより)。最近はよく秋葉原でライブを行なっているので気になる存在だった。先月、そんな気になるライブに潜入してきた。
狭い階段を降りて客席に向かう。まさに潜入という言葉がぴったりであり、ビールを手に取り、目の前のステージにメンバーが現れるのを今かと待った。定員百人ほどのそのライブハウスはあっという間に満員になり、ステージ横の階段にまで人が溢れている。
時間になり三人が現れた。ハイパーヨーヨのメンバーだ。動の二人、静の一人という構成で、アップテンポな曲に合わせて楽しく歌い弾ける動の二人。トークが始まると、そのトークがとても面白い。抑揚の付け方、言葉の選び方、会話のテンポ、もうプロである。トークライブだけでもお客さんを呼べそうなくらいの完成度。必然的にトークも長くなる。
トークだけでなく、歌もパワフル。ライブ慣れしているのがよくわかるのは上手さだけでなく、客席への視線の向け方、煽り方がしっかりしている事でわかる。客を一人一人よく見ているから自然と客席もステージのペースに乗っていく。予習が不完全だった私も自然に体が動き、ステージの三人にハートをわしづかみにされていた。
トークの中で客席にアンケートをとるコーナーがあった。「○○な人は手を挙げてください」的なあれだ。その質問の中で「今日初めて私達を観るという人」というのがあった。そこはアイドル現場のお約束で常連も手を挙げてメンバーにツッコミを受ける流れになる訳だけれど、改めて挙手を行なったところ、初めてさんは何人かいた。その一人は私である。センターのメンバーゆかりんさんが誰にしようかと挙手している人を見回したあと私にマイクを向けてくれた。
ゆかりんさん「ハイパーヨーヨ、どうですかぁ?」
私「サイコー!」(指でGoodを作りながら)
ライブは予定の一時間を超え、一時間半ほどとなった。とても余韻が残るそのステージは、着飾った言葉はいらない。サイコーという言葉しか浮かばなかった。小さな低いステージはセットと呼べる代物ではなく、大雑把に言ってしまえば私達が立っている目の前でメンバーが歌ってくれているような、そんなストリートライブ感があった。
距離だけでなく、ハイパーヨーヨの三人は歌を愛し楽しみ、この場所がある事を心から大切にしている事が伝わるものだった。いつまでも、いつでも歌う場所が存在するなんて「絶対」はこの世界にはない。それを知っている人間の強いハートがステージを作っていた。
そして、ヲタもそれを痛いほど理解しているのが伝わる現場だ。
歌う場所は誰にでも与えられる訳ではない。そんな本来は当たり前な事はメジャーな空間にいると忘れてしまいがちになるし、歌い手だってそれを意識するのはなかなか難しい。でも、それがわかった人達は歌える場所を大切にするのだろう。
ハイパーヨーヨのメンバーも、ハイパーヨーヨヲタも、この場所とこの場所に足を運んでくれた人を大切にしている。それは何よりもハイパーヨーヨが好きで、ハイパーヨーヨの歌が好きで、ハイパーヨーヨのライブが好きだからという確固たる理由が存在しているからだ。私はもっとこの空間に浸ってみたい。そう思いながら帰りの階段を上がっていた。頭の中では、先ほど観てきた色んなメロディとリズムが流れ、それはとても明るく力強いものだった。
hy4_4yh ハイパーヨーヨ ライブ映像