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ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間

2017-01-18 22:23:06 | ハロプロ(スマ アン)

アンジュルム『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』(Promotion Edit)

 たとえば、今のアイドル界にまったく新しいコンセプトのアイドルって作れるのか?そんな事を考えていたら、もう一人のアイドル研究者はこう言った。
「もうアイデアは出尽くしたよ。売れたければ、可愛い子を一人でも多く集めればいいんだ。そして、その子たちをメディアに乗せて、たくさんファンと接触させる。共有感と親近感。これを高いレベルで実現できた所が勝ち組になるのさ」
 「勝ち組」という言葉があまり好きではない私は、「勝つってなんだ?負けって何に対して負けたんだ?」と首を捻りながら、アイドルという仕事の中に年々重要度が増しているように思えてならない「親近感」というものについて、改めて想いを巡らせた。
 「親近感か」と言葉にしてみても、アイドルとファンの間に横たわる何か」の何が近くなるのかはわからない。

 デジタルを通して趣味世界が便利になる事によって、ファンがアイドルに求めるものは多くなっている。スマートフォンの存在は、パソコンに疎い人でもインターネットサービスの利便性を享受できる環境を産み、SNSという相互性の高いネットサービスが身近な存在になった。
 当然、市民がそうやってSNSを日常的に親しんでいる時代だから、アイドルもネットに乗せて自分を発信していくのが当然になっていく。ブログという名の公開日記は「アイドルがやるべき仕事」と認知され、アイドルは自分の日常の瞬間を世界に晒していく。そして、ツイッターはまさに「リアルタイムな時報」として日常をファンに共有させるサービスとして、「アイドルがやったほうがいい仕事」として精神的重要度を高めていく。「今この瞬間、僕とあなたがこの画面を見て、同じ事柄について思いを馳せている」のだ。

 日常を垣間見ることが出来るようになると、要求はもっとエスカレートしていく。「あなたの私服が見たい」「あなたの部屋が見たい」「あなたが寝る時の恰好が見たい」。動画配信が、動画撮影の知識が無い素人でも出来る時代はとっくに到来していた。

 便利だね。楽しいね。近くにいるね。理想の女の子だね。デジタルの発展と人々の思い入れの加速は比例していき、それと同時に、そこにリアルに存在している筈の「距離」というものを曖昧にしていく。
 何か大切なこと、忘れていないか?アイドルって何のために存在しているのか、忘れていないか?

 「そこに立っているのは人間なんだよ」そんな当たり前な事実が、心の叫びとして届いた。

 愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間  (作詞:児玉雨子)  以上、意訳:アルファ

 ※ アップフロント様は、怪我や病気を患ったメンバーに対して、メンバーの意思を尊重して今後の活動方針を決める良心的な会社であることを書き加えておきます。更に書くと、メンバーに必要以上にネットサービスの仕事をさせていない会社であると思っております。

コメント
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