広い圃場には誰一人姿は見えません。大型のトラクターで耕耘し、早いスピードの大型田植機と軽トラで熟年のご夫婦二人であっという間に田植え作業は終わってしまうんです。
植え終わった田んぼは除草機で畦の草を刈る姿が見えたりします。畦の草を刈らないとクサカメムシなどの虫害が出てると聞いたことがあります。草刈りも自走する草刈り車で早いスピードで終わっているみたいです。
植え終わった広い圃場には9月のコンバインでの稲刈りまで作業してる人の姿はほとんど見えません。
70年ほど昔、私は小さな自作農の百姓でした。田植えが終わると家の働き手みんなで素手素足で田んぼに入り暑い陽を背に受けて一番こ2番こと自分の手で除草(田の草取り)をしたのです。地べたを這いずりまわる百姓仕事でした。ですから田植えが終わっても田んぼには人の姿がいっぱいでした。
今の稲作農業は機械化だけでなくて栽培技術も革命的に進化したんですね。
今農村は豊かになりました。どのお家でも自動車が2台か3台はあります。でもそれは街へ仕事に通うために必要なんですね。
でも農村は静かになりました。圃場に人の姿は日常的には見えません。昔は洟垂れ小僧のがき大将を中心にわんさとわらしこが遊んでいましたけど、今は子供の姿は激減し、また今の子供達は綺麗な服装でスポ小(スポーツ少年団}や塾に通うようになりました。いなせなで元気な若い衆の姿が消えました。
這いずりまわる百姓が幸せなはずはありません。また昔の嫁いびりなぞ今はありません。生活力のある女性はもし無慈悲にいびられればさっさと離婚して家を出て行きます。そんな例がないわけではないようです。
農村は豊かになりました。そして劇的に変わりました。私が親しくしていただいて作業の写真など撮らしていただいていた大規模な稲作を中心に手広く農業経営をなさっていらっしゃった熟年のご夫婦のお姿がこと春の作業でのお姿にお会い出来ませんで少しく心配なぞしている私ですです。農村はどう変わっていくんでしょうね・・・心配です。