梢の上のうえの空に山藤咲いて5月です

　糸桜里の湯の湯に行く道筋、車の窓から山藤の咲いてる木が見えました。ばばちゃんは「藤の花がきれいだ」と言いました。

　公園などの大きな棚がつくられそこに藤の古木の花が見事に咲いている。それはほんとうにきれいだと思います。でも山藤はちょっと違います。美しいですけど荒々しいんです。

かつて里山が大事に管理されていた昔はこんなに藤が山いっぱいに咲いてはいませんでした。藤はとっても強いんです。自分では立ち上がれない蔓なのに水楢などの木に絡みついて梢の上までのぼり見事な花を梢いっぱいに咲かせるのです。


　そして、その水楢の木を覆い尽くして木を弱めるのです。時にはたくましく幹に絡みつき蔓が太り絡みついた木の幹を枯らしてしまうこともあるのです。だから昔は藤が木に絡まないように小さいうちに切り取っていたのです。藤の花はきれいですし、山一面に咲く姿は見事です。でもそれは里山が放置され荒れている象徴でもあるような気がするんです。だからじじいは藤を怖いなと思う気持ちもあるんです。



　藤は秋になると大きな豆のさやが出来ます。子供の頃その豆をとりだしておはじきにして遊びました。友達とその実をフライパン（昔は茶ほうじといっていました）で煎ってふたつみつ食べました。あぶらこくて美味しかったです。ところがあとでなんだか頭がのぼせて気持ち悪くなりました。毒があるんでしょうか、昔飢饉があったときも松の木の甘皮を食べたなんて話しは聞いていましけど藤の実を食べたと言う話しは聞いていません。

天王様の新緑の欅がきれいです。

　さつきの頃になるといつも八日沢の八坂神社の新緑の欅の美しさに心を奪われます。そして今は静かな小さな神社ですけど、かつてはこの神社のお祭りには近郷近在からたくさんの人がキュウリをもってお参りにやってきた。だからこの神社をキュウリの神様と言うんですとおっしゃるこの集落の方の言葉にも心がひかれるのです。

　今は八坂神社と言われている八日沢の鎮守様ですけど江戸時代には天王さまと呼ばれて牛頭天王をお祀りしてる神社だったんだそうです（井関敬嗣先生会津坂下の伝説と史話より）

　つまり牛の頭を頂いた恐ろしい怒りの形相の神さんが、人々に近づこうとする疫病の悪霊から人々を守ってくださる神社だったんですね。
　この牛頭天王の写真はネットでヤフー検索の画像からお借りしました。

　素人考えでは、印度あたりから渡来されていた悪病よけの神さんなのかもしれません。　
　旧暦6月15日 （今年は新暦で7月22日）は毎年天王様のお祭りだそうです。かつては近郷遠郷かたくさんの人が参集してお参りし、たくさんの出店も出てそれはそれは賑やかでしたと集落の方はなにか誇らしげにそして寂しげに語られるのです。

　井関敬嗣先生の会津坂下の伝説と史話によればこの日をかつての若い男女は「ヨビチの鑑札受」けと称して楽しみにしていたとのことです。
　ヨビチとは夜日市、つまり宵祭りのことなんだそうです。天王さまのお祭りはこの地方最初の夏祭りです。今と違って若い男女が集まって楽しむのことの出来たのはお祭りの宵か盆踊りの夜でしたから若者たちはその年最初のこのお祭りをとても楽しみにしていたんだと思います。

　でも、今は疫病から人々を守るのは役場や保健所や病院の仕事ですし、若い男女が集まって楽しむ場所はお祭りや盆踊りでなくてもいつでもどこでもあるようです。　

　だから、もうキューリの神様のお祭りに近郷近在からの群集はなくなり、鎮守祇園天王の大きな幟は立ちますけど集落の氏子の皆様だけがお参りする静かな祭りになりました。


　時の流れですけどさみしいことです。

ベニシジミという蝶が舞って恋をして

　新しい命が生まれるんですね。食草はギシギシという草だそうですけど幼虫に食べ尽くされて枯れたように見えるギシギシがあちこちに見えました。

　それにキアゲハがたくさん飛んでいました。なんだか春のキアゲハは小さいんではないかと思いました。気のせいでしょうか。昨年ブルさんにキアゲハとアゲハの違いを教えていただきましたけど私はまだアゲハチョウはみたことがありません。昨年人参に不気味な模様をしたおおきな青虫がついて気持ち悪いと知人がいっていました。黄アゲハチョウも幼虫の時は害虫なんですね。


　なんか今日の散歩（18日）は疲れて元気が出ませんでした。86年の生きて来た道を振り返ったりしながらとぼとぼと歩きました。疲れました。

　夕食にばばちゃん（83歳）が伊勢講の仲間も少なくなったけど今度90歳の新しい友人をいれて近く柳津のなんとか旅館で一日楽しむんだと言っていました。わがつれあいながらえらいと思いました。

　私はといえば、7年ほど前手ぶれが防止出来るズームレンズが出来たというので、目の玉だ飛び出るように高価だと思いましたが購入して愛用していました。今度そのレンズが新しくなって発売されたと聞いて購入しました。なんと未使用新品のレンズだけれど展示用にカメラに装着されていたレンズだと言うことでプロテクター、フードをつけて4万円台で購入できました。最初に購入したISのズームレンズの半額です。昨日の子供の写真は新しいレンズで撮りました。

　軽いし、ワイドが18ミリとぐんと広くなってるし、色彩が鮮やかだし、ルンルンです。
じじいもしょぼくれていないで元気出して生きていこうと思っています。

うわぁいと叫んで走る子ら笑顔

　1年生の女の子と男の子が下校するところに会いました。どうやら女の子がリーダーらしいです。

　子供らの初夏の世界が輝いています。

　東小学校の元気な子供たちです。

イワカガミのピンクの花がきれいです。

　今日もまた（16日）糸桜里の湯裏山の遊歩道にじじいが独りイワカガミの花に心をおどらせてレンズを向けました。

　道にはあでやかなレンゲツツジも咲いていました。


　ふつうの山ツツジの花は食べると甘酸っぱい味がして美味しいので子供の頃よく食べました。でもこのレンゲツツジは大人の人から絶対に食べないよう言われました。猛毒があって馬や牛は絶対食べないのに子ヤギが食べて泡を吹いて苦しんでいるのを子供の頃見た記憶があります。ミツバチの養蜂業者はこの花のあるところでは採蜜しないと聞いたことがあります。だからあでやかできれいなレンゲツツジの花ですけど私は好きになれません。


　この白い花は秋になるときれいな赤い実をつけるガマズミじゃないんでしょうか。昨年の秋ブルさんに赤いきれいな実をつけている木をガマズミだと教えて頂きましたけど、思い出しました。

　遊歩道のあちこちにこんな可憐な小さな花を見つけました。なんという植物なんでしょうか、背丈がわずか5センチにも満たない小さな植物でした。


　私はこの糸桜里の湯の裏の里山は大好きなんですけど、よく亜高山帯で見かけるゼンテイカ（日光キスゲ）や、イワカガミや、ショウジョウバカマがどうしてこんな近くの低い里山に咲いているんだろうか不思議に思うことがあるんです。糸桜里の湯から5分もいくとゼンテイカの小さな群落があって6月には美しく乱れ咲くのを見るとすばらしいと思うんです。


　これから初夏に咲く朴の木の白い花、高い木に咲く藤の花、ヤブウツギやツクバネうつぎの花、そして秋の萩の花や、オミナエシ、それに数は少ないんですけどキキョウも見ることができるこの糸桜里の湯の裏山は私の大好きな大事な里山なんです。