あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: 島根半島の楽園_初めてのパラダイス堪能キャンプツーリング

2013年06月15日 | 旅するシーカヤック
2013年6月14日(金) 仕事の区切りが良い今日は、久し振りの有給休暇。 梅雨の3連休、さてどう楽しもうか!
朝5時に起きると最新の天気予報をチェックし、島根半島に決定。

『じゃあ、出かけてくるよ。 今回は島根半島。 天気が悪そうだから、明日には帰ってくると思う』 『はい。 気をつけて』

***

今年はこれで、島根半島シーカヤックの旅は4回目。

この4回は、小波や多古をベースに、多古の七つ穴や小波、野波、加賀の潜戸などを漕いで来たのだが、せっかくだから新しいエリアも開拓したい。

何度も通ってお気に入りになったエリアを漕ぐのは、それはそれでもちろん安心感や懐かしさもあって楽しいのだが、やっぱり『どこから出艇するのが良いかなあ?』、『波が荒い危険な場所はないかな?』、『あの岬を廻った向こうには何が待っているのだろうか?』、と言ったハラハラ/ドキドキ/ワクワク感を楽しめるのは、初めて漕ぐ場所である。

以前、兵庫県の家島~岡山県~広島県~山口県の下関まで、そしてその後は下関~島根県の出雲まで、尺取り虫方式で旅をしていた時は、まさに毎回ハラハラ/ドキドキ/ワクワクの連続であった。

最近は、どちらかというと通い慣れたお気に入りのエリアを転々としながら楽しんでいたのだが、久し振りに忘れかけていたハラハラ/ドキドキ/ワクワクを楽しみたくなったのである。

と言う訳で、今回は初めて訪れる場所を漕いでみるつもり。 『さて、どんな所なんだろう? 楽しみだ!』

***

家を出てから3時間+αで目的地に到着。
いやあ、島根半島なんて近いものだ。 松江道ができて、本当に便利になったなあ。

少し曇り空で、弱いながら風もあるが、全く問題ないレベル。

『ようし、出発しようか』


今回も、先週に引き続いてTシャツ&短パン&サンダルでのツーリング。


やっぱ、島根半島は水がきれい。

漕いでいても気持ちが良い。








漕いでいると、その先に小さな洞窟が!

この洞窟は、多古の七つ穴とは違い、本当に開口面積が小さいのである。

これはまさに、シーカヤックでしか通り抜けることができないサイズ。

ゆっくりと近付き、

通り抜ける。



『うーん、この洞窟は気に入った!』


他にも、通り抜ける事こそできないが多くの洞窟があり、ロケハンツーリングとして、岸沿いをゆっくりと楽しみながら漕ぎ進む。






***

この頃から青空が広がり始め、快適なツーリング日和に。

俺の好きな、ロックガーデンっぽいエリア。

岩や島も、赤っぽい岩肌あり、青っぽい岩肌ありと、目を楽しませてくれる。




島を回り込むと、そこにはまた洞窟が。

入ってみると、

『おお、これも素晴らしい!』

***

梅雨の晴れ間の太陽に照らされて輝く美しい岩肌を眺め、




そして時には空を眺め、


はたまたロックガーデンの水路を漕ぎ抜け、


”島根半島ブルー”に出会う。


瀬戸内では見られないこの眺め。








そしてまた、”島根半島ブルー”である。


***

漕ぎ進むと、小さな水路が。

ちょうどお昼時である事に加え、海水があまりに綺麗なので、

シーカヤックを引き揚げて一休みすることに。

大きな流木に腰掛け、ポカリスエットをゴクリと飲み、コンビニで買っておいたパンをガブリ。

食後は、この海を見ていたら泳ぎたくなってきた。
普段なら、ゴールデンウイーク頃には漕いだ後にザブンと海に飛び込むこともあるのだが、今年は瀬戸内海の海水温が低く、自分でも驚きなのだがまだ泳いでいないのである。

という訳で、半パン一丁になり、海にザンブリ!

『いやあ、気持ちええなあ!』 今年50歳になるオヤジの、この夏初泳ぎである。



『ようし、そろそろ戻るとするか』

無事、出発した浜に戻ってきた。
今回のエリアはまさに島根半島の楽園/パラダイスである。 全く飽きることなく、久し振りに3時間を越えるツーリングをたっぷりと堪能することができた。

『いやあ、ここに来て本当に良かったなあ!』

***

シーカヤックをカートップし、道具とカヤックを潮抜き。
最新の天気予報をチェックすると、夜から雨になりそうだ。 『そうゆうことなら、キャンプ地は決まりだな』

松江市内で買い物を済ませ、多久の湯で今度は自分の潮抜きである。 『あー、さっぱりさっぱり』

そしてキャンプ地へ。

『今回もお世話になります』


晩ご飯は、刺身と割り子蕎麦。

まずは、エビスビールで乾杯!

『プシュッ。 トクトクトク。 シュワワワワー』 『いただきます! グビ、グビ、グビリ』 『プハーッ。 うーん、やっぱ漕いだ後のビールは美味いなあ』

今日の刺身は、地元産の『あご/トビウオ』と境港に揚がったという『マグロ』


見慣れた景色を眺めながら、ビールを飲み、刺身を楽しむ。


そして〆は割り子そば。


***

2013年6月15日(土) 夜中目が覚めると雨の音。 『ああ、キャンプ地をここにしておいて正解だったなあ』

いつものように5時前に目が覚める。

外は雨。

コーヒーを入れ、お気に入りの松江のパン屋さんで買ってきたパンの朝食。

天気予報をチェックしても、このまま雨が降り続きそうなので、今日漕ぐのは早々に諦め、のんびりまったりできそうな温泉を探す。
『お、ここにしてみようか』 温泉も、これまで行った事がない場所を開拓する事に。


荷物をパッキングして出発。

到着したのは、『長者の湯』

まだ朝の8時過ぎなので、人は少ない。

貸し切り状態の温泉で、のんびりまったり。

ここは、アルカリ泉でなかなか気持ち良い。

しばらく入っていると、地元の方らしいおじさんが入ってきた。
『おお、こんにちは』 『あ、おはようございます』

『ここは湯がええよ』 『ほんとですね。 気持ち良いですよ』 『あんたはどっから来た?』 『広島の呉です』

『昨日は休みが取れたんで、島根半島でシーカヤックを漕いでキャンプしたんです。 寝ている間に汗をかいたんで、帰りにサッパリしようかと、ここに来てみたんですよ』 『ん、シーカヤック?』

『ええ、海で漕ぐカヌーです』 『ああ、あの駐車場においてあったボートみたいなやつか』 『ええ、そうです』

***

『ここは良く来られるんですか?』 『おお、よう来るよ。 亀嵩の温泉にもよう行くが、お湯はこっちの方がええ』

『あと、ここには食堂もある。 定食もおいしいが、”玉子掛けご飯セット”が安くてええよ』 『へえ、そんなのがあるんですか。 食べてみたいですね』

『卵掛けご飯セットは、390円でご飯と玉子のお替わりができるんよ。 食堂は11時から』 『11時からですか。 まで2時間以上ありますね』

『まあ、せっかくじゃけえ、ゆっくりしんさい』 『はい、どうせ雨なんで』 『11時になったら、一緒に喰いに行こうや。 わしも玉子掛けご飯を食べて帰るけえ』

***

たっぷり1時間ほど温泉を楽しみ、しばし休憩。
ソファーに座って雑誌を読んでいると、おっちゃんがやってきて、『おお、料理長に早めに食べさせてもらえるように言うとったけえ、少し早めに喰いに行こうや』
『はい。 じゃあ、もう一っ風呂浴びてきます』

風呂から上がると、おっちゃんと食堂へ。 『玉子掛けご飯セット、それぞれ一つずつね』と、おっちゃんが注文してくれる。

運ばれてきて、『はい、どうぞ。 ご飯と玉子はお替わりできますから』との事。

玉子は、殻がしっかりしていて、黄身も薄くて綺麗な黄色である。

『いただきます』

『どや、旨いやろ』 『いや、ほんとうに美味しいですね』 『ご飯は仁多米。 これが美味しいんや。 玉子もええのが使うてある。 ほんまに美味いなあ』

二人とも、ご飯と玉子をお替わりし、『ごちそうさまでした』

『いやあ、ええ食堂を教えてもらいました。 ありがとうございます』 『ほうやろ。 また来て、リピーターになりんさいよ』 『はい、また島根半島でシーカヤックを漕いだ帰りにまた寄りますよ!』



***

今回は、島根半島でこれまで私は知らなかったエリアを開拓し、お気に入りのツーリングコースがまた一つ増えた。 まさに、島根半島の楽園/パラダイスである。
そして、帰りにはこれまた初めて訪れた温泉で、気持ち良いアルカリ泉と美味しい玉子掛けご飯セットを発見した。

いやあ、これは梅雨時期にええ旅ができたなあ!

***

それにしても広島県の呉市の海沿いというのは、こうしてみるとシーカヤッカーにとって理想的な居住地の一つなのではないかと思う。

シーカヤックを始めた頃は沖縄や、日本のシーカヤックのメッカである三浦半島&伊豆半島に憧れ、家族を置いて毎年のように沖縄に漕ぎに行っていた時期もあったのだが、転機になったのは十数年前の横浜単身赴任。

もちろん横浜にはシーカヤックも持参したし、借り上げ社宅も海に近いうえ、休日の早朝なら1時間もクルマで走れば長浜から出艇できる環境ではあったのだが、どの出艇地に行ってもクルマ/車/くるま。。。
そして驚く事に、シーカヤックを積んだ車が何台も駐車場に居るのである。

瀬戸内の私が出艇する場所では、他のシーカヤッカーに出会う事など数年に一度であり、たまに海で他のシーカヤッカーに出会うと近寄って行って話をしたものだが、三浦半島ではシーカヤックが多すぎて他のシーカヤックに近付いて行って話し掛けるなどという気には全くならなかったのだ。

一度、早朝に長浜を出て誰もいない浜に上陸し、のんびり寝転がっていたことがあるのだが、時が進むに連れ、海から陸からBBQセットを持った人達がどんどんと集まり、結局大混雑になった苦い想い出も。。。

瀬戸内育ちの俺からすると、横浜は物理的な海までの距離は近いのだが、心理的な海までの距離はとても遠かった。

そして、1年7ヶ月ほどの単身赴任から広島に戻り、シーカヤックで海に出てみると。。。 いやあ、素晴らしい!
家からほんの30分、1時間で様々な出艇地に行く事ができ、誰にも邪魔されず独りでのんびりまったり海旅を楽しめる瀬戸内海って、こんなに素晴らしいエリアだったんだと実感した。

それ以来、沖縄病も癒え、瀬戸内の海旅にはまってしまったのである。

地図を開くと分かるのだが、芸予諸島は島、島、島、島、島、島。
三浦半島や伊豆半島ではコースタルツーリングだが、瀬戸内はアイランドホッピングが楽しめるエリア。 キャンプツーリングを中心とした旅するシーカヤックのスタイルが好きな人にはたまらないはず。

中でも芸予諸島は、アイランドホッピングが好きなシーカヤッカーなら、地図を見ただけで垂涎ものである。
そして、一つ一つの島に歴史と文化があり、隣り合う島でも全く雰囲気が違うのだ。

こんな、シーカヤッカーにとってパラダイスの様な芸予諸島の中心が、呉である。

『とびしま海道』は目の前だし、ちょっと足を延ばせば『しまなみ海道』 倉橋島や能美島、江田島は庭の様なもの。
周防大島や笠岡諸島へも車で2時間弱。 そして、日本海のツーリングが楽しめる島根半島へも3時間+α。

リバーカヤックを楽しむなら、清流である錦川や、ロングツーリングが楽しめる江ノ川も近いし、ちょっと四国に足を延ばせば、昔家族でタンデム艇2艇でのキャンプツーリングを楽しんだ四万十川や、今度川下りに行こうと画策している仁淀川もある。

いやあ、ほんまに恵まれているなあ。 最高や!

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