2014年8月31日(日) 今日で2014年の8月が終わる。
夏らしくなかった夏だが、今日がシーカヤック教室の最終日。 この練習が終わると、あとは恒例の島渡りイベントを残すのみとなる。
それにしても、本当に今年は天気が悪かったので、強風で練習をキャンセルせざるを得なかったり、風が強くて思うように練習できなかったり、教える立場としてはなかなか舵取りが難しい夏であった。
今日が最後の練習日。 せめて今日だけでも、良い天気に恵まれますように!
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朝9時過ぎ。 練習場所に到着。
今日は晴れ間も覗いており、風も穏やかで絶好の練習日和。
横で漁師さんが作業をしておられた。
『今日は今から海に出られるんですか?』 『いいや、船の底をきれいにしよう思うて』
『なるほど。 貝殻や海藻がついていると、だいぶ速度や油の消費量が違うらしいですね』 『そうそう。 船持っとるんも大変なんよ』
『それにしても、今年は変な夏でしたね』 『ほうよの。 でも、あと十日もすりゃあ、風も変わって涼しゅうなる』
『広島の方は土砂崩れで大変じゃなあ』 『ええ、ほんまですね。 俺が住んどる呉なんか、急傾斜地ばっかりじゃから、あがあな雨が降ったらひどい事になりますよ』
『ここも、ずっと前に山が崩れた事があるんよ』 『えー、そうなんですか。 でも確かにあっちを見ると、家のすぐ上が山ですね』
『今から子供らに教えるんね』 『はい、そうなんです』
『大変じゃなあ』 『いやあ、俺もこれが楽しみなんですよ』
『ほうね。 じゃあ、気をつけて』 『はい。 ありがとうございます』
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手分けしてカヤックと道具を運び、準備体操をして海に出る。
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『今日は、練習最後の日じゃから、島に渡る力をつけるように、しっかり距離を漕ごうな。 そして、楽しくやろう』
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いつものように、小学校中学年から高学年のシーカヤック部員5人と職員さん2人が参加。
久し振りの晴れ間の練習。 みんなで気持ちよくパドリング。
『ようし、今日はチャンスだから少し外に出てみようか』
防波堤に囲まれた湾内だけでは、島渡りの時の海の波の感じとは違うので、練習で外に出たいと思っていたのである。
残念ながら、これまでは風が強い日ばかりでチャンスがなかったのだ。
しっかりと周囲をワッチしながら、一艇一艇、外に送り出す。
最初はみんな、湾内とは違う波に戸惑っていたようだが、すぐに慣れた様子。
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集まって休憩した時には、『どう、ようく眺めてごらん。 外に出ると景色がきれいだろ』 『ほんとだね』
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湾内に戻ると、しばし休憩。
PFDをつけて、みんなで海にプカプカ浮いてみる。 『ライフジャケットを付けて浮くのは気持ちええなあ』
『ようし、じゃあ最後にリレーをしてみようか』
シーカヤック教室を始めて7年目だが、これまでで初めての試みである。
3人ずつの2チームに分けて、カヤックを使って沖で待っている俺を目印にターンし、交代していくリレー。
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『ヨーイ、スタート』
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漕ぎ手は全力を出して漕ぎ、残っているメンバーは大きな声を出して応援。
そして、3人目が『ゴール!』
いやあ、みんなカヤックに乗り込んだり降りたりするのも上手にできたし、ターンも上手くなった。
この練習はなかなか良かったなあ。
『お疲れさまでした』 これで、午前の部は終了。
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お昼ご飯をいただき、昼からはシーカヤック体験教室。
小学校低学年から中学1年生までの子供と、施設に実習に来ている方2名、そして職員さん2名で体験教室をスタート。
準備運動をして、まずは陸上でパドリングの練習。 そして舟割りを決め、海に漕ぎ出す。
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初めての子も、前回の体験教室に参加してくれた子も、みんな楽しそうに漕いでいる。
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30分ほど漕ぎ、戻ってしばし休憩。
もちろん午後も、PFDを付けて海で体を冷やす。
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最後に、ちょっとだけ防波堤から外に出て、景色を眺める。
『どう、ちょっと外に出ると良い眺めだろ』 『ほんと、そうですね。 気持ちいい』
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8月最後の日曜日は、午前中にシーカヤック部の部活動、午後は体験教室と、たっぷりと海と戯れる事ができた。
久し振りに天気にも恵まれ、子供達も喜んでくれたようだし、外を漕いで島渡りに向けた練習もできた。
さらには、初めてトライしたリレーも良い練習であることがわかるなど、とても充実した一日で、担当の職員さんも手応えを感じてくれた様子。
『いやあ、最高に良い夏の一日だったなあ。 2014年のシーカヤック教室は、これにてお開き。 そして残すは、恒例の島渡り』
島渡りの日は天候に恵まれますように。 楽しみだ!