ある日のこと。
夕方、会議が終わって事務所に戻るため社内バスに乗っていたら、向かい側の席に座っておられた方が突然私の横に移動され、『シーカヤックのNさんですよね?』と話しかけられた。
少し戸惑いながらも、『ええ、そうですが。。。』
おそらく名札も見ておられたのだとは思うが、『色黒で坊主頭、そしてその時計で分かりました』
まさかこんな所でと、俺は驚くとともに苦笑い!
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お話を伺うと、最近シーカヤックを始められ、また私のブログも見ていただいているとの事。
そこからは、短い時間ではあるが、しばし歓談。
私は、『実はかなり以前、会議で一度同席した事がありましたね』『へえ、そうなんですか』
その後、自転車仲間の方々が、最近シーカヤックを始められた事や、私の事をご存知だということなどなどを伺う。
『それにしても、社内でもブログを見ていただいている方が居られるのですね。 なんだか恥ずかしいなあ。 それに、社内って以外と狭いもんですねえ』
バスを降りるとき、『せっかくのご縁ですから、機会を作って一度ご一緒しますか?』 『ええ、ぜひ』
『カヤック含めて道具は一式準備できますから。 また連絡します』
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2014年9月13日(土) 音戸大橋の駐車場で待ち合わせ。

今日は、久々にシングル艇を2艇積み。

少し風はあるが、秋晴れの絶好のツーリング日和である。
9時半前。 到着され、挨拶を交わし、私のクルマに乗り換えていただいて、今日の出艇地へ。
『晴れてはいるんですが、少し風があるので、今日の風向きでも漕ぎ易いエリアに行きましょう』
ここは、俺のお気に入りのエリア。 日帰りツーリングでは良く訪れる場所である。

カヤックを浜に降ろし、ドリンクとお弁当を積み込むと出発だ。

ソロツーリング派の俺にしては珍しく、久々に他の方と一緒に出掛けるツーリング。

今日の空は青く澄み、空気はスッキリ。
まさに、秋を感じる芸予諸島ツーリングである。

途中、向かい風や少しの波も楽しみながらのパドリング。

11時半頃には、お昼ご飯を食べるために浜に上陸した。
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流木に座り、蒼い海と青い空を眺めながら、お弁当を食べ、四方山話を楽しむ。

『このエリアは、シーカヤックを始めた頃から通っていて、いまだに自然海岸がたっぷりと残るお気に入りの場所なんです』

『昔は、妻と子供達を浜で遊ばせておいて、一人で島まで渡ったり、子供が大きくなった後は、彼らと漕ぎにきて海遊びしたり。 潜って魚を突いてもいいし、釣りもできる』

『海の水もきれいでしょう?』

私はその方から、シーカヤックを始められた経緯や、長くやっておられる自転車のお話を伺った。
『ここには、俺のぬいぐるみがあるんですよ』

『ここまで持ってきたんですか?』 『まさか! 浜で拾って、雨風で流されないように、ここに避難させたんですよ』と笑う。
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『せっかくですから、もう少し漕いでみますか』

『少し南下して、あの岩まで行ってみましょう』

『あの島を一周して帰りますか』

朝の風も治まり、穏やかな芸予諸島。

”芸予ブルー”も美しい、最高のツーリング日和になった。

『お疲れさまでした。 良いツーリングでしたね』
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カヤックをカートップし、温泉に移動。
露天風呂につかりながら、またまた四方山話。

無事、音戸大橋の駐車場に戻る。
『今日は楽しかったですよ。 また、機会を作って漕ぎましょう』
家に戻ると、カヤックを降ろし、道具を潮抜きして干す。
『いやあ、今日は楽しんでもらえたようだし、秋晴れになって本当に良かったなあ』
『さて、夜は久し振りに家族で焼き肉にでも行くか』 ツーリングの後のビール、いやあ、こりゃあ楽しみだ!