2015年11月7日(土) 週末一晩くらいは家を空けても大丈夫そうということで、苦労をかけている妻のリフレッシュも兼ねて、かなり前から予約していた宿をキャンセルする事なく予定通り旅に出掛ける事にした。
妻が毎朝のルーチーンにしてくれている用事が済むと、一息入れていつもより遅めに家を出る。
週末は雨の予報であったが、幸いにも雨は降っておらず、ロードスターの幌を下ろして、快適な晩秋のドライブに出発!
***
いつもよりクルマが少なく快適な尾道松江道を走り、山陰へ。
山陰道での昼休憩では、前から気になっていた『牛骨ラーメン』を食す。
『へえ、意外にあっさりした出汁なんだねえ』 『今日の夜は蟹タップリだから、定食なんか食べられないよ。 これくらいでちょうどいいね』
今日の日本海は、風もあり高い波が押し寄せている。
しばしクルマを止めて、冬の日本海を感じさせる海を眺める。
***
鳥取砂丘が近づくと、『あー、砂の美術館っていう標識があったよ』と妻。
『あそこ、行ってみたいと思ってたの』との事。 『ようし、じゃあ寄り道してみようか』
テレビをほとんど見る事のない俺は知らなかったのだが、妻は前にニュースで見て、機会があれば行ってみたいと思っていたとの事。
今年の展示はドイツ特集らしい。
実は期待していなかったのだが、室内展示場に入ってみると、そのスケールと精巧さに驚いた。
『へえ、こりゃあスゴいなあ』
アインシュタインもあり、有名な『E=mc2』も壁に刻まれていた。
『いやあ、ここは来て観て良かったね』
***
再びクルマを走らせ、今日の宿がある浜坂町へ。
チェックインまで少し時間があったので、来る前に情報を見つけておいた図書館へと向かう。
ここはなんと、あの『孤高の人(新田次郎)』で有名な『加藤文太郎記念図書館』なのである。
兵庫県の浜坂町は、小説にも出て来るように加藤文太郎が生まれ育った町。
町の誇りである加藤文太郎を顕彰し、山をイメージした図書館となっている。 二階には資料室があり、自由に見学できるのである。
***
新入社員の頃に初めて読んだ、新田次郎の『孤高の人』
昔から群れる事が苦手だった俺は、加藤文太郎の仕事に向かうその姿勢や志、高い目標を掲げ、一人で山に向かう姿に感銘を受けたことを覚えている。
当時はまだシーカヤックを始める前であったのだが、シーカヤックを始めてから『サラリーマン・カヤッカー』として読み直した時も、改めてサラリーマン山屋としての加藤文太郎の絶妙なワークライフバランスを保ちつつ目標に向かって一歩一歩進んでいく素晴らしい生き方に、魅了されたものである。
まさに、サラリーマン・カヤッカーである俺にとって、このような生き方がしてみたいと思わせられた、目標となる人であった。
***
たまたま今回、松葉ガニの解禁に合わせて企画したドライブ旅行なのだが、偶然にもようやく見つけた宿が浜坂であった事は、とても嬉しい事であった。
さっそく二階の資料室へ。
明日は山登りのイベントがあるという事だが、今日は他のお客さんはおらず、俺と妻の二人だけ。
新田次郎さんが一度山で加藤文太郎に出会った事があるというエピソードが綴られた貴重な資料や、
孤高の人の古い本、
実際に使っていたという登山靴やスキー、ピッケル、表札なども展示されている。
なんと、ストックは竹製! いやあ、こんな道具であの厳しいと言われる山々を登っていたのだなあ。
想いも掛けず、あこがれの加藤文太郎の貴重な資料に出会う事ができた、至福の一時。
記念に、加藤文太郎Tシャツも購入してしまった。 化繊なので、来年の夏はこれを着て漕ぐ事ができるなあ。 楽しみだ!
その後、町を少しだけ散策し、
加藤文太郎のお墓にもお参りさせていただいた。
***
宿に荷物を置き、近くの温泉へ。
1時間弱、のんびりまったりと泉質の良いお湯につかり、日頃の疲れを癒す。
風呂を出て、休憩室で地元の新聞を開くと、松葉ガニ解禁の記事が。
***
今日お世話になるのは、緑風荘さん。
6時から、楽しみにしていた晩ご飯。
蟹刺し、焼き蟹、茹でガニ、そして鍋。
まずはビールで妻と乾杯。
焼き蟹は、これまで食べた中で最高の旨さ!
『おー、ほんまにこれは美味しいなあ』 『ほんと、プリップリだし、何も付けなくてもスゴい旨味』
蟹味噌も濃厚でビールがススム。
茹でガニは食べきれず、お土産に。
ほとんどのお客さんが、茹でガニまで食べきれず、冷蔵で持ち帰るようにされている。
これまたおいしい蟹鍋を食べ、
〆は当然雑炊である。
『いやあ、今日は最高の蟹料理三昧だったなあ』 『満足、満足』
部屋に戻ると、ちょっとだけ地元のお酒を飲む。
解禁されたばかりのおいしい蟹料理を堪能した後、旅先の静かな部屋で、ちびりチビリと地酒を飲る一時の、なんと幸せな事よ!
***
翌朝は、朝食をいただくと、早めに宿を辞す。 山陰道と尾道松江自動車道を経由して家路へ。
浜坂で満タンにしてから家まで約340km。
ガソリンスタンドで給油し、計算すると、なんと燃費は17.95km/L。
ほぼ18km/Lという、これまでで最高クラスの燃費となった。
NBの1.6L-5MT。 既に17万キロを超えた老体だが、まだまだエンジンは快調の様子。
これからもずっと、俺達夫婦の人生の旅の供をして欲しいものだ。
***
シーカヤックでのキャンプツーリングが一番の趣味ではあるが、他にも人生には楽しい事が沢山ある。
自転車にキャンプ道具を積み込んでの輪行旅も好きだし、バイクでのキャンプツーリングもこれまたひと味違う楽しみがある。
時折妻と行くクラシックコンサートも心を豊かにしてくれるし、歌劇/オペラ、歌舞伎、宝塚歌劇も、それぞれ異なる感銘を与えてくれる。
たまに寄席で聴く落語も好きだし、印象派に代表される絵画も好きだ。
はたまた、長年連れ添った妻と高級旅館で過ごす至福の一夜も、砂浜で張ったテントに独りで泊まり、芸予諸島の海に沈みゆく夕日を眺めながらビールを飲む至福の一時も、いずれ劣らず至高の休日である。
どうのこうの言っても、たった一度の人生。
これからも好奇心を失う事なく、加藤文太郎のように高い次元でワークライフバランスを保ちつつ、強い志を持って仕事と遊びの両方で、楽しみながら挑戦し続けていきたいと思っている。
***
またまた最高に充実した週末であったなあ!
さて、来週はどこ行こう?
妻が毎朝のルーチーンにしてくれている用事が済むと、一息入れていつもより遅めに家を出る。
週末は雨の予報であったが、幸いにも雨は降っておらず、ロードスターの幌を下ろして、快適な晩秋のドライブに出発!
***
いつもよりクルマが少なく快適な尾道松江道を走り、山陰へ。
山陰道での昼休憩では、前から気になっていた『牛骨ラーメン』を食す。
『へえ、意外にあっさりした出汁なんだねえ』 『今日の夜は蟹タップリだから、定食なんか食べられないよ。 これくらいでちょうどいいね』
今日の日本海は、風もあり高い波が押し寄せている。
しばしクルマを止めて、冬の日本海を感じさせる海を眺める。
***
鳥取砂丘が近づくと、『あー、砂の美術館っていう標識があったよ』と妻。
『あそこ、行ってみたいと思ってたの』との事。 『ようし、じゃあ寄り道してみようか』
テレビをほとんど見る事のない俺は知らなかったのだが、妻は前にニュースで見て、機会があれば行ってみたいと思っていたとの事。
今年の展示はドイツ特集らしい。
実は期待していなかったのだが、室内展示場に入ってみると、そのスケールと精巧さに驚いた。
『へえ、こりゃあスゴいなあ』
アインシュタインもあり、有名な『E=mc2』も壁に刻まれていた。
『いやあ、ここは来て観て良かったね』
***
再びクルマを走らせ、今日の宿がある浜坂町へ。
チェックインまで少し時間があったので、来る前に情報を見つけておいた図書館へと向かう。
ここはなんと、あの『孤高の人(新田次郎)』で有名な『加藤文太郎記念図書館』なのである。
兵庫県の浜坂町は、小説にも出て来るように加藤文太郎が生まれ育った町。
町の誇りである加藤文太郎を顕彰し、山をイメージした図書館となっている。 二階には資料室があり、自由に見学できるのである。
***
新入社員の頃に初めて読んだ、新田次郎の『孤高の人』
昔から群れる事が苦手だった俺は、加藤文太郎の仕事に向かうその姿勢や志、高い目標を掲げ、一人で山に向かう姿に感銘を受けたことを覚えている。
当時はまだシーカヤックを始める前であったのだが、シーカヤックを始めてから『サラリーマン・カヤッカー』として読み直した時も、改めてサラリーマン山屋としての加藤文太郎の絶妙なワークライフバランスを保ちつつ目標に向かって一歩一歩進んでいく素晴らしい生き方に、魅了されたものである。
まさに、サラリーマン・カヤッカーである俺にとって、このような生き方がしてみたいと思わせられた、目標となる人であった。
***
たまたま今回、松葉ガニの解禁に合わせて企画したドライブ旅行なのだが、偶然にもようやく見つけた宿が浜坂であった事は、とても嬉しい事であった。
さっそく二階の資料室へ。
明日は山登りのイベントがあるという事だが、今日は他のお客さんはおらず、俺と妻の二人だけ。
新田次郎さんが一度山で加藤文太郎に出会った事があるというエピソードが綴られた貴重な資料や、
孤高の人の古い本、
実際に使っていたという登山靴やスキー、ピッケル、表札なども展示されている。
なんと、ストックは竹製! いやあ、こんな道具であの厳しいと言われる山々を登っていたのだなあ。
想いも掛けず、あこがれの加藤文太郎の貴重な資料に出会う事ができた、至福の一時。
記念に、加藤文太郎Tシャツも購入してしまった。 化繊なので、来年の夏はこれを着て漕ぐ事ができるなあ。 楽しみだ!
その後、町を少しだけ散策し、
加藤文太郎のお墓にもお参りさせていただいた。
***
宿に荷物を置き、近くの温泉へ。
1時間弱、のんびりまったりと泉質の良いお湯につかり、日頃の疲れを癒す。
風呂を出て、休憩室で地元の新聞を開くと、松葉ガニ解禁の記事が。
***
今日お世話になるのは、緑風荘さん。
6時から、楽しみにしていた晩ご飯。
蟹刺し、焼き蟹、茹でガニ、そして鍋。
まずはビールで妻と乾杯。
焼き蟹は、これまで食べた中で最高の旨さ!
『おー、ほんまにこれは美味しいなあ』 『ほんと、プリップリだし、何も付けなくてもスゴい旨味』
蟹味噌も濃厚でビールがススム。
茹でガニは食べきれず、お土産に。
ほとんどのお客さんが、茹でガニまで食べきれず、冷蔵で持ち帰るようにされている。
これまたおいしい蟹鍋を食べ、
〆は当然雑炊である。
『いやあ、今日は最高の蟹料理三昧だったなあ』 『満足、満足』
部屋に戻ると、ちょっとだけ地元のお酒を飲む。
解禁されたばかりのおいしい蟹料理を堪能した後、旅先の静かな部屋で、ちびりチビリと地酒を飲る一時の、なんと幸せな事よ!
***
翌朝は、朝食をいただくと、早めに宿を辞す。 山陰道と尾道松江自動車道を経由して家路へ。
浜坂で満タンにしてから家まで約340km。
ガソリンスタンドで給油し、計算すると、なんと燃費は17.95km/L。
ほぼ18km/Lという、これまでで最高クラスの燃費となった。
NBの1.6L-5MT。 既に17万キロを超えた老体だが、まだまだエンジンは快調の様子。
これからもずっと、俺達夫婦の人生の旅の供をして欲しいものだ。
***
シーカヤックでのキャンプツーリングが一番の趣味ではあるが、他にも人生には楽しい事が沢山ある。
自転車にキャンプ道具を積み込んでの輪行旅も好きだし、バイクでのキャンプツーリングもこれまたひと味違う楽しみがある。
時折妻と行くクラシックコンサートも心を豊かにしてくれるし、歌劇/オペラ、歌舞伎、宝塚歌劇も、それぞれ異なる感銘を与えてくれる。
たまに寄席で聴く落語も好きだし、印象派に代表される絵画も好きだ。
はたまた、長年連れ添った妻と高級旅館で過ごす至福の一夜も、砂浜で張ったテントに独りで泊まり、芸予諸島の海に沈みゆく夕日を眺めながらビールを飲む至福の一時も、いずれ劣らず至高の休日である。
どうのこうの言っても、たった一度の人生。
これからも好奇心を失う事なく、加藤文太郎のように高い次元でワークライフバランスを保ちつつ、強い志を持って仕事と遊びの両方で、楽しみながら挑戦し続けていきたいと思っている。
***
またまた最高に充実した週末であったなあ!
さて、来週はどこ行こう?