2017年12月2日(土) この週末は、久しぶりに高気圧に覆われて晴天の予報。
土曜の朝は5時には目を覚まし、コーヒーを飲みながら天気予報をチェックして、最終的な目的地を決める。
島根半島もプランには入れていたのだが、残念ながら風がある予報なので諦め、当分訪れていなかった周防大島に決定!
***
『じゃあ行ってくるよ。 今日は周防大島に決めた』
昨日の夜にほぼ準備は終わっていたので、すぐに車に乗って西へと向かう。
いつもの浜に到着すると、まずはテントを張り、着替えて出発準備は完了である。
高気圧が近づく過程でいつも吹く風のような東風が少しあるが、コースタルツーリングは楽しめそうである。
まずは、西に向かって岸沿いを漕ぎ進む。
12月に入ったということで、今日はこのシーズン初となるドライスーツを引っ張り出してきた。
運転してきたジャージの上に着るだけなので、準備も簡単で快適である。
***
久しぶりとなる周防大島の海を、手に馴染んだアークティックウインドで、朝のお散歩ツーリング。
岬を回り込むと、洞窟のある岩が見えてきた。
満潮の高潮なら、洞窟をシーカヤックで潜り抜けられるのだが、今日は無理なようである。
***
その後も、久しぶりのパドリングの感触を楽しみながら、湾内をグルリと漕ぎ進む。
『空は青いし、海は澄んで、やっぱシーカヤックは気持ちええなあ!』
しばらく漕ぐと、Uターンして今度は立岩へ。
岩の途中に、綺麗な紅葉が!
なんだか幻想的な雰囲気すら漂う、晩秋から初冬の立岩の景観を堪能した。
***
スタート地点に戻り、シーカヤックを引き上げ、潮抜きして干す。
パドルフロートやビルジポンプ、スプレースカートなども水洗いし、日に当てて乾かすことに。
地面には、フカフカの落ち葉が敷き詰められているので、ドライスーツは拡げて干してみた。
***
コンビニで買ってきたカップラーメンでお昼ご飯を済ませると、ここからが今日のお楽しみ。
実は先日、コンパクトな水彩セットを購入したのである。
先週妻と訪れたヴラマンク展を見た時に、画に関する様々な伝統や技法を受け入れず、ほとんど独学で自由に描いたというそのダイナミックな風景画に非常に感銘を受けた。
なぜかその時、『ああ、俺もこんな風に自由な風景画を描いてみたいなあ』と思ったのである。
そして数日後、Amazonから荷物が届く。
『今度は何を買うたん?』 『うん。。。 え。。。 まあ。。。 ちょっとね』
箱を開けると、中からコンパクトな水彩セットと小さなスケッチブック。
『あんた、分かりやすいねえ』と妻は笑う。 『うん、まあええじゃん。 下手なのは分かっとるけど、人に見せるわけじゃないし、まあ描いてみたいと思うたんじゃけえ、ちょっと試してみたいんよ』と、俺も嬉し恥ずかし苦笑い。
***
という訳で、今日がそのセットのデビューの日なのである。
しかも今日の空は晴れて、キャンプ地からの芸予諸島の眺めは最高。
だから今日は、いつもの『カヤック&バイク』ならぬ、『カヤック&ペインティング』
絵を描くなんて、高校生の美術の時間以来である。
数十年ぶりなので、どうしたら良いのか戸惑いながらも、心はワクワクドキドキ。
***
初めて使う、透明水彩絵の具と水筆。
描き始めると、もちろん思ったような構図や色にはならないのだが、複数の色を混ぜてイメージに近い色を作ってみたり、筆のタッチを変えてどのようになるのか試してみたり、とても楽しい時間。
コンパクトな防水デジカメで、お気に入りの風景を一瞬で切り取るのも好きなのだが、このようにまじまじと景色を眺め、自分の手で時間をかけて描いていくことの楽しさを、ジワジワと味わっていく。
『うーん、今日はこれで完成かな』
筆を洗い、パレットを綺麗にし、絵が乾くと日付と場所を記入してみた。
『いやあ、絵を描くってこんなに楽しいものなんだなあ』
まあ、絵が描きたくなったからといって、いきなり数十年ぶりの水彩画を臆面もなく描いてみようという自分自信を笑うしかないのではあるが、それでも心のそこからジワジワと沁み出てきた衝動は抑えきれない。
もちろん人様に見せられるようなものではないけれど、シーカヤック歴25年にして、海旅の新たな楽しみを見つけることができたのは、嬉しい限りである。
『あそこの浜も描いてみたいし、あっちの海も描いてみたいものだなあ』
一人、密かに妄想を膨らませる。
***
一休みすると、ビールを飲みながら読書の時間。
とはいえ、本を開くのではなく、Kindleである。
今日は、先日から読み始めた『宮本武蔵』の続き。 これがまた面白いのである。
***
夕方が近づくと、晩御飯の準備。
まずは、高森牛の焼肉。
『おお、これは美味いなあ』 そして、ビールをグビリ!
綺麗な景色を眺めながら、再びグビリ。
***
日が沈む頃には、おでんと日本酒。
お酒は、雁木の『みずのわ』
黄金色に輝く芸予諸島の海と空は、なんとも言えない美しさである。
***
夜はそれほど冷え込むこともなく、快適に熟睡することができた。
眼が覚めると、いつものようにお湯を沸かし、コーヒーを淹れて、まだ暗い景色を眺めながら、朝のキリリと引き締まった空気と時間を楽しむ。
ラジオをチューニングしていると、沖縄の音楽が流れてきた。
まさかと思って聞いていると、『エイト・シックス・フォー レディオ オキナワ』というジングルが!
864kHzの『ラジオ沖縄である』
まさか、周防大島で沖縄からの放送が聞こえるとは、なんとも驚きであった。
***
朝食は、もはや呉名物となった『だし道楽』のアゴ出しを使ったうどん。
ギョロッケとともに、ネギもたっぷり載せてみた。
冬の寒いキャンプの朝には、うどんが最高の楽しみの一つ。
徐々に明るくなる東の空。
日の出も間も無くである。
***
海を眺め、コーヒーを飲み、のんびりまったり島の朝の時間を堪能した。
『じゃあ、そろそろ帰るとするか』
今日は、夕方から予定があるので、いつもより早めの撤収である。
今回は、カヤック&ペインティングという新たな楽しみを見つけることができた、記念すべきツーリングとなった。
***
帰りのクルマでは、最近お気に入りの『欅坂46』
以下、エキセントリックより。
もう、そういうのうんざりなんだよ
(中略)
世間の声に耳を塞いで
生きたいように生きるしかない
だから僕は一人で
心閉ざして交わらないんだ
I am eccentric 変わり者でいい
理解されない方が よっぽど楽だと思ったんだ
***
夕方からは、妻と一緒に呉にお出かけ。
今日は、楽しみにしていた 矢沢永吉のコンサートの日。 『TRAVELING BUS 2017』
2年前に、初めて呉にやって来てくれた矢沢永吉。
再び呉にやって来たのは『縁』なのだそうである。
リハーサルが嫌いで、プラモデルを作るように一つ一つコツコツと積み上げていくのが苦手で、できることならいきなり完成品が欲しいという永ちゃん。
広島を出て関東に行った時、早く東京弁で喋れるようになりたいと努力したが、イントネーションが違うのですぐに諦め、広島弁でいくと決めた永ちゃん。
朝はスターバックスで濃いめのコーヒーを飲んで一日が始まるという永ちゃん。
そして何より声が素晴らしく、歌が上手で、聞き惚れるようなバラードが心を打つ永ちゃんのコンサートは、本当に最高であった。
帰りには妻と二人、『やっぱり来て良かったね』
***
今週も、カヤック漕いで、風景画を描いて、キャンプして、矢沢永吉のプロフェッショナルな最高のコンサートを堪能させていただいた。
人生には辛いことや悲しいことがいっぱいあるけれど、楽しい頃や嬉しいことも、それと同じくらい沢山あるものだなあ。
生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?
土曜の朝は5時には目を覚まし、コーヒーを飲みながら天気予報をチェックして、最終的な目的地を決める。
島根半島もプランには入れていたのだが、残念ながら風がある予報なので諦め、当分訪れていなかった周防大島に決定!
***
『じゃあ行ってくるよ。 今日は周防大島に決めた』
昨日の夜にほぼ準備は終わっていたので、すぐに車に乗って西へと向かう。
いつもの浜に到着すると、まずはテントを張り、着替えて出発準備は完了である。
高気圧が近づく過程でいつも吹く風のような東風が少しあるが、コースタルツーリングは楽しめそうである。
まずは、西に向かって岸沿いを漕ぎ進む。
12月に入ったということで、今日はこのシーズン初となるドライスーツを引っ張り出してきた。
運転してきたジャージの上に着るだけなので、準備も簡単で快適である。
***
久しぶりとなる周防大島の海を、手に馴染んだアークティックウインドで、朝のお散歩ツーリング。
岬を回り込むと、洞窟のある岩が見えてきた。
満潮の高潮なら、洞窟をシーカヤックで潜り抜けられるのだが、今日は無理なようである。
***
その後も、久しぶりのパドリングの感触を楽しみながら、湾内をグルリと漕ぎ進む。
『空は青いし、海は澄んで、やっぱシーカヤックは気持ちええなあ!』
しばらく漕ぐと、Uターンして今度は立岩へ。
岩の途中に、綺麗な紅葉が!
なんだか幻想的な雰囲気すら漂う、晩秋から初冬の立岩の景観を堪能した。
***
スタート地点に戻り、シーカヤックを引き上げ、潮抜きして干す。
パドルフロートやビルジポンプ、スプレースカートなども水洗いし、日に当てて乾かすことに。
地面には、フカフカの落ち葉が敷き詰められているので、ドライスーツは拡げて干してみた。
***
コンビニで買ってきたカップラーメンでお昼ご飯を済ませると、ここからが今日のお楽しみ。
実は先日、コンパクトな水彩セットを購入したのである。
先週妻と訪れたヴラマンク展を見た時に、画に関する様々な伝統や技法を受け入れず、ほとんど独学で自由に描いたというそのダイナミックな風景画に非常に感銘を受けた。
なぜかその時、『ああ、俺もこんな風に自由な風景画を描いてみたいなあ』と思ったのである。
そして数日後、Amazonから荷物が届く。
『今度は何を買うたん?』 『うん。。。 え。。。 まあ。。。 ちょっとね』
箱を開けると、中からコンパクトな水彩セットと小さなスケッチブック。
『あんた、分かりやすいねえ』と妻は笑う。 『うん、まあええじゃん。 下手なのは分かっとるけど、人に見せるわけじゃないし、まあ描いてみたいと思うたんじゃけえ、ちょっと試してみたいんよ』と、俺も嬉し恥ずかし苦笑い。
***
という訳で、今日がそのセットのデビューの日なのである。
しかも今日の空は晴れて、キャンプ地からの芸予諸島の眺めは最高。
だから今日は、いつもの『カヤック&バイク』ならぬ、『カヤック&ペインティング』
絵を描くなんて、高校生の美術の時間以来である。
数十年ぶりなので、どうしたら良いのか戸惑いながらも、心はワクワクドキドキ。
***
初めて使う、透明水彩絵の具と水筆。
描き始めると、もちろん思ったような構図や色にはならないのだが、複数の色を混ぜてイメージに近い色を作ってみたり、筆のタッチを変えてどのようになるのか試してみたり、とても楽しい時間。
コンパクトな防水デジカメで、お気に入りの風景を一瞬で切り取るのも好きなのだが、このようにまじまじと景色を眺め、自分の手で時間をかけて描いていくことの楽しさを、ジワジワと味わっていく。
『うーん、今日はこれで完成かな』
筆を洗い、パレットを綺麗にし、絵が乾くと日付と場所を記入してみた。
『いやあ、絵を描くってこんなに楽しいものなんだなあ』
まあ、絵が描きたくなったからといって、いきなり数十年ぶりの水彩画を臆面もなく描いてみようという自分自信を笑うしかないのではあるが、それでも心のそこからジワジワと沁み出てきた衝動は抑えきれない。
もちろん人様に見せられるようなものではないけれど、シーカヤック歴25年にして、海旅の新たな楽しみを見つけることができたのは、嬉しい限りである。
『あそこの浜も描いてみたいし、あっちの海も描いてみたいものだなあ』
一人、密かに妄想を膨らませる。
***
一休みすると、ビールを飲みながら読書の時間。
とはいえ、本を開くのではなく、Kindleである。
今日は、先日から読み始めた『宮本武蔵』の続き。 これがまた面白いのである。
***
夕方が近づくと、晩御飯の準備。
まずは、高森牛の焼肉。
『おお、これは美味いなあ』 そして、ビールをグビリ!
綺麗な景色を眺めながら、再びグビリ。
***
日が沈む頃には、おでんと日本酒。
お酒は、雁木の『みずのわ』
黄金色に輝く芸予諸島の海と空は、なんとも言えない美しさである。
***
夜はそれほど冷え込むこともなく、快適に熟睡することができた。
眼が覚めると、いつものようにお湯を沸かし、コーヒーを淹れて、まだ暗い景色を眺めながら、朝のキリリと引き締まった空気と時間を楽しむ。
ラジオをチューニングしていると、沖縄の音楽が流れてきた。
まさかと思って聞いていると、『エイト・シックス・フォー レディオ オキナワ』というジングルが!
864kHzの『ラジオ沖縄である』
まさか、周防大島で沖縄からの放送が聞こえるとは、なんとも驚きであった。
***
朝食は、もはや呉名物となった『だし道楽』のアゴ出しを使ったうどん。
ギョロッケとともに、ネギもたっぷり載せてみた。
冬の寒いキャンプの朝には、うどんが最高の楽しみの一つ。
徐々に明るくなる東の空。
日の出も間も無くである。
***
海を眺め、コーヒーを飲み、のんびりまったり島の朝の時間を堪能した。
『じゃあ、そろそろ帰るとするか』
今日は、夕方から予定があるので、いつもより早めの撤収である。
今回は、カヤック&ペインティングという新たな楽しみを見つけることができた、記念すべきツーリングとなった。
***
帰りのクルマでは、最近お気に入りの『欅坂46』
以下、エキセントリックより。
もう、そういうのうんざりなんだよ
(中略)
世間の声に耳を塞いで
生きたいように生きるしかない
だから僕は一人で
心閉ざして交わらないんだ
I am eccentric 変わり者でいい
理解されない方が よっぽど楽だと思ったんだ
***
夕方からは、妻と一緒に呉にお出かけ。
今日は、楽しみにしていた 矢沢永吉のコンサートの日。 『TRAVELING BUS 2017』
2年前に、初めて呉にやって来てくれた矢沢永吉。
再び呉にやって来たのは『縁』なのだそうである。
リハーサルが嫌いで、プラモデルを作るように一つ一つコツコツと積み上げていくのが苦手で、できることならいきなり完成品が欲しいという永ちゃん。
広島を出て関東に行った時、早く東京弁で喋れるようになりたいと努力したが、イントネーションが違うのですぐに諦め、広島弁でいくと決めた永ちゃん。
朝はスターバックスで濃いめのコーヒーを飲んで一日が始まるという永ちゃん。
そして何より声が素晴らしく、歌が上手で、聞き惚れるようなバラードが心を打つ永ちゃんのコンサートは、本当に最高であった。
帰りには妻と二人、『やっぱり来て良かったね』
***
今週も、カヤック漕いで、風景画を描いて、キャンプして、矢沢永吉のプロフェッショナルな最高のコンサートを堪能させていただいた。
人生には辛いことや悲しいことがいっぱいあるけれど、楽しい頃や嬉しいことも、それと同じくらい沢山あるものだなあ。
生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?