この週末は、青春18切符を使ったJRでの独り旅。
朝起きると、着替えて荷物の最終チェックをしている間に妻がコーヒーをポットに詰めてくれる。
まだ5時前なのに、旅の準備を手伝ってくれる。 ありがたい事である。
『じゃあ、行ってくるよ』 『はい、気をつけて』
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まだバスがない時間なので、駅まで歩く。

この暗くて閑散とした感じが、なんとも列車旅の気分を掻立てる。
青春18切符での旅のお供の一つが、この小さなバッグ。

妻が、尾道帆布で買ってプレゼントしてくれたものだが、自転車旅にも便利な事に加え、前の透明なビニールの部分に切符を入れると、改札通過時にそのまま駅員さんに見せる事ができるという優れもの。
これは携帯やスマホ利用を想定された構造だと思うのだが、そのサイズが青春18切符になんともピッタリなのである。
以前の旅で、これを発見した時には大喜びしたものだ。
こんなちょっとした工夫が、旅の準備の楽しみの一つ。
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呉線から山陽本線経由で岩国まで。
ここは何度も乗っているので、Kindleで本を読む。 まだ残っている、『宮本武蔵』
今回読んでいると、ちょうど面白い記載を見つけた。

以下、引用。
『子どもの頃は誰でも画を描く。 画を描くのは、歌を歌うも同じだ。 それが大人になると極ってみな描けなくなる。 生半可な知恵や目が邪げるからである。』
引用終わり。
偶然訪れたヴラマンク展で心に火を点けられ、なんちゃって水彩スケッチを始めたばかりの俺には、絶好のタイミングでの頷くだけの文章であった。
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海沿いを走る列車の中で、朝日を観る。

岩国で乗り換えて、下関へ。

ここからも長い行程。

景色を眺め、本を読み、家から持参したコーヒーを飲んでパンを食べながらの、のんびりまったり旅。
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下関から門司へ。

門司からは鹿児島本線で大牟田まで。

大牟田で乗り換え、

2時半過ぎに、熊本に到着した!

『ああ、長かったなあ』
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まず最初は、熊本ラーメン。
前から気になっていた、『黒亭』さんへと向かう。

駅から歩いて10分はかからない。
午後3時前ということで、行列もできておらず、店内にもお客さんは数名程度。
メニューを開き、定番らしい『玉子入りラーメン』をお願いした。

生玉子の黄身が二つ載っているのが、良いアクセント。
『いただきます!』 お昼は列車内でパンを齧って軽くに済ませておいたので、少し遅めのお昼ご飯である。
へえ、これが噂の熊本ラーメンか。 ズルズル、ゴクリ。 『ご馳走様でした』
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今日の宿は、旅の定番『東横INN』

駅前で、至極便利なロケーション。 眺めも良い。
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夕食までしばし時間があるので、熊本城を散策してみることに。
まずは加藤清正像。

熊本といえば加藤清正というのは、以前読んだ野田知佑さんの著書で何度か読んでいた。
今日は晴れて、青空にお城が映える。

が、少し横を見ると。。。

石垣が大きく崩れており、言葉を失う。

『こんな風になっていたのか。。。』
テレビのニュースでは知っていたが、現地で自分の目で見ると、そのインパクトは全く違うことに改めて驚いた。
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城内には入れないので、周りを一周。

今でこそ大型クレーンや金属製の足場もあるが、昔はどうやって城を築いていたのだろうか。

加藤清正神社へも参拝。

旅の安全を祈願した。
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石垣復旧工事の手順も書いてある。

解体する前に、それぞれの石の配置を記録し、番号も付けておくのだそうである。
それをまた同じ場所に戻すのだとか。。。
気が遠くなるような、緻密で粘り強い作業が求められるのだなあ。
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今回の旅の目的は、熊本の馬刺し料理を楽しむこと。
お店は、『菅乃屋ホルモン』

18時の開店と同時にお店に入り、カウンターへ。

まずは熊本ビールで、独り乾杯!

『グビ、グビ、グビリ』 『プハーッ、美味い』
飲んでいると、列車での長旅で体が少し揺れているようだ。
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レバー刺し、

上馬刺し、

辛子レンコン。

『うん、やっぱり馬刺しは美味しいな。 レバーも最高!』
ビールを飲み、焼酎を飲み、馬刺しを食べる。
上馬刺しを食べ終えると、地元では定番という『赤身刺し』もいただいた。
『ごちそうさまでした』 満足、満足。
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翌朝は、6時半前の列車で熊本を出る。

北上していると、徐々に外は明るくなってきた。

今日も、列車内で朝日を拝む。

『うん、良い休日じゃあないか』
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11時前には下関に到着。
今日のお昼ご飯は、春帆楼茶寮。

広島の春帆楼が閉店したので、今回途中で立ち寄ってみることにしたのである。
ここは、大丸の上階にあるので、駅からのアクセスも最高に便利。
注文はもちろん、『茶寮ふく御膳』

ふく刺しをいただきながら、

珍しい『冷ひれ酒』をいただいた。
ひれ酒といえば、お燗をイメージするが、この冷ひれ酒もしっかりと香ばしい香りがあり、驚きの飲み口。
『うん、これは旨い』
旨い酒を飲みながら、美味しいふく料理をいただき、至福の一時。

冷ひれ酒のあとは、定番のひれ酒もいただいた。
『ごちそうさまでした!』
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熊本ラーメンに始まり、馬刺しを堪能し、下関ではふく料理をいただいた。
満足満足。
今回のチケット代だけで、青春18切符の費用は十分ペイできたなあ。
残り3回分をどう使うか、考えるだけでも楽しいものである。
生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?