あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: シーカヤックでリバーツーリング_猿猴川&縮景園

2012年03月10日 | 旅するシーカヤック
2012年3月10日(土) 荒れ模様のこの冬、この週末も天気はいま一つのようだ。
土曜日の朝5時。 いつものようにMacbookを開き、天気と風、潮をチェック。 さて、今日はどこ行こう?

『明日は強風で海は荒れる予報。 残念ながらこの週末もキャンプツーリングは諦めて、日帰りツーリングにしておこうか』

***

ふむふむ、なるほど! せっかくだから、今日はこれまで行った事がないエリアを開拓してみるとしよう。

『じゃあ、今日は日帰りにするわ。 ちょっと坂から出てくるけん』

この冬、いつでも気軽に出られるようにと、クルマに積みっぱなしにしてあるウイルダネスシステムズのケープホーンを浜に降ろし、ドライスーツに着替えて出発。
少し風はあるが、ドライスーツを着込んでしまえば、まったく快適な冬のツーリングとなる。


この辺りを漕ぐ時は、鉄輪島や峠島、宇品あたりを巡る事が多いのだが、今日はバウを北に向ける。

そう、今日は川をさかのぼってみる事にしたのである。 シーカヤックでリバーツーリング。

猿猴川の河口付近は、いくつもの橋が交錯し、片田舎の地方都市である広島にしては少しベイエリアの香りがする。


上げ潮に乗って、川を北上。 周りには、某自動車メーカーの工場や施設が見える。


***

漕ぎ出した時は曇り空で北風が少し強く、あまり楽しいツーリングになりそうになかったが、途中からは幸いにも晴れ間が出て、心地良いリバーツーリング。


1時間ほど漕ぐと、広島駅も近くなり、少し街の雰囲気が漂ってくる。

いつも、海がきれいなエリアを漕ぎ、誰もいない浜で静かなランチを楽しんでいるのだが、たまにはこんなエリアのツーリングも気分が変わって楽しいものだ。

目の前の橋の上には、『広電』の市内電車が。

ああ、片田舎の地方都市ではあるが、カヤッカーにとってはなかなか楽しめるエリア。 見直したぞ、水の都_広島。

***

漕ぎ進みながら、ふと右手を見ると、どこかで見た建物が。 『あ、あれは!』 会社の友人が住んでいる建物である。
防水バッグからケータイを取り出し、電話してみる。 残念ながらつながらない。

『ま、いいか』と再び漕ぎ進む。 今日の目的地は縮景園。
漕いでいると、川沿いの歩道を歩くおねえさんが笑顔で会釈してくれたり、橋の上を歩いている親子連れの方が挨拶して下さったり、自転車に乗った小さな女の子が『どこまで行くのー』と手を振ってくれたりと、なかなか楽しいツーリング。

上陸できるスペースくらいあるかな、と期待していたのだが、さすがに川辺には柵が施されており、残念ながら上陸は諦めた。


そのとき、ケータイに着信が。 『あ、俺だけど。 今、近くまで来てるんだ。 時間があったら川縁に出られないか?』
OKという事だったので、友人宅の近くまで漕ぎ戻る。

川辺の階段で待っていてくれた。 『おはよー。 急に電話して悪かったなあ』
それからしばし会話を交わし、『じゃあ、そろそろ戻るよ。 良い週末を!』

***



流れに乗って漕ぎ進んでいると、右岸にスロープが。 『ちょうどいいや。 時間も昼前だし、あそこでランチにしようか』

スロープにカヤックを引き揚げ、ランチセットを詰めたソフトクーラーを取り出し、ストームクッカーをセットして、お昼ご飯の準備。
少し雲が厚くなり、風も出て寒いなか、温かいラーメンを啜る。 『うん、ウマい』

食後は、最近お気に入りの『なんちゃって、自己流_野点セット』を取り出して、気分転換の一時。 こういうちょっとした遊びが、ツーリングの楽しさを一段と引き揚げてくれる。

***

お茶を飲んでいると、後ろから足音が。 見ると、おじさんがカヤックに興味津々という顔つきで近付いて来られた。
『こんにちは』と挨拶すると、『これ、なんぼくらいするね?』

『うーん、これはFRPじゃないから安いですよ。 新品なら20万くらいじゃないですかね。 FRPなら30万から40万くらいかな』 『ほう、やっぱり高いねえ。 こりゃあ買えんわ』

『いつもは、海で漕ぎよるんですよ。 今日は潮もええし、ちょっと変わったとこを漕いでみようか思うて、坂から漕いできて、縮景園まで行ってみたんです』
『ほうね。 わしも海が好きで、よう潜りに行きよるんよ。 若い頃は、この時期にゃあもう潜りよったが、最近はもうちっと温うなってからじゃないと、行く気がせんようになった』

『潜ってなんか採られるんですか?』 『ほうよ。 この時期はワカメやナマコ』 『なるほど。 春の採りたてワカメは本当に旨いですよねえ』

そうこう話していると、少し雨が落ち始めた。 『じゃあ、そろそろ戻りますわ』 『ほうね。 気をつけて』

見る間に潮が引いて行き、スロープも水面上に。 丁度、潮時である。
川面にカヤックを降ろし、乗り込んでスプレースカートを装着して、おじさんに挨拶。 『それじゃあ、帰ります』


帰りは、流れに乗り、北風に押され、順調に漕ぎ戻る。


初めての猿猴川遡行。 行き交う人達とのちょっとした触れ合いもあり、これはなかなか楽しいツーリングであった。

ほんと、芸予諸島エリアのシーカヤックは、いろいろな楽しみ方があるものだ。 今度また、地図を眺めながら、これまで試した事のないプランを企画してみるか!
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