あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: 妻と二人でドライブ旅行_星のや京都 月橋メゾネット

2020年08月23日 | 旅するシーカヤック
もうひと月ほど前になるが、妻と京都を訪れた。
緊急事態宣言が解除され、まだGoToキャンペーンも始まっていないかなり前に、予約しておいた宿、『星のや京都』

以前から、妻が星のやさんに泊まってみたいと言っていたのだが、予約も取れず、先延ばしにしていたのである。

それが、Webでチェックしてみると、星のや京都の予約が空いていた。
この時期、新幹線や飛行機での移動は避けたい。 京都なら自動車で行ける範囲なので、ここに決定。
せっかくなら、と言う事で、特別室である『月橋メゾネット』を予約したのである。

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再び感染者が増加しつつあったので、移動は自家用車とし、長距離運転が苦にならない俺が京都まで運転。
途中はトイレ休憩とお昼ご飯のみ。 そのお昼ご飯も、家から持参したサンドイッチをPAに停めたクルマの中で食べるというほど気を遣っての移動であった。
嵐山の駐車場も、事前ネット予約&決済できる駐車場を利用して、人との接触を可能な限り回避しておいた。

昼過ぎに、渡月橋に到着。 星のやさんの桟橋へと向かう。

どうやら、ここが専用桟橋のようである。

検温を終え、小さな舟に乗り込む。

嵐山を離れ、静かに桂川を上っていく。

上流側に進むにつれ、渡月橋の辺りの喧騒とは打って変わっての別世界。

人家もなく、静かな夏の京都の雰囲気。

『うん、舟でゆっくりと宿に向かうというのは、風情があってとても良いねえ』

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出発から10分ほどで、星のや京都に到着。

宿の方が荷物を持ってくださり、舟を降りる。

宿までの道も、深緑が美しい。


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PAでの休憩で時間調整しながら京都まできたが、観光もせず宿に直行だったので少し早めに到着し他ので、チェックインまでしばらく時間。
パブリックスペースで、しばし休憩させていただいた。

外に出ると、桂川も眺めることができる。

しばらくすると、急に雨が降り始めた。 まるで夕立のようである。
『ちょうど良いタイミングで宿に到着できたね。 雨に降られなくてよかったなあ』

コーヒーを飲み、部屋に持ち込む本を選ぶ。

宮本常一の本もあった。

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時間になり、部屋へと通された。
予約した時点では知らなかったのだが、ここは離れ形式の部屋で、一軒そのものが今日の俺たちの宿になるのである。

一番奥の『122』、特別室の月橋メゾネット。

一階の和室。

しっぽりと、静かな風情。


そして二階の洋室。

ここからは、桂川や対岸の林も眺めることができる。

『いやあ、ここは広いし、眺めも良いねえ。 気に入った!』


ここが寝室。


さすが、星のや京都の特別室である。
これまで泊まった宿の中でも、最高のロケーション。

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寝室からの景色。

下を見ると、鉄板に装飾された菊の模様。

この宿は、古い宿を改修したとのことだが、可能な限りその時の資材は活用されているとのこと。

しばし、敷地内を散策した。















到着後に降った雨で、木々の緑がしっとりと良い雰囲気を醸し出している。

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部屋に戻り、お茶を入れて、冷蔵庫に入っていたお菓子をいただいた。

特製容器に入った、美味しいお菓子。

これまで食べたことのないような味の、美味しいチョコレートのお菓子であった。

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嵐山の喧騒を離れ、一番奥の離れの二階で、静かに景色を眺め、お茶を飲み、本を開く時間。
『こんな贅沢な時間があるだろうか?』
まさに至福の一時。

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夕食は、別館の個室。

どのような料理がいただけるのか、楽しみである。


運ばれてきた食前酒は、『稼ぎ頭』

名前が少し俗っぽいのもご愛嬌。

先附

八寸

お酒は、飲み比べセットをお願いした。

向附

椀物

俺は、宿に泊まっていただく食事の中で、楽しみにしている一つが『椀物』
ほぼ毎年泊まりに行かせていただいている、大谷山荘別館『音信』に初めて泊まった時、椀物をいただいて感動したことがある。

シンプルなのに、奥深い美味しさを感じる、温かい椀物は、まさに日本料理の真髄の一つではなかろうか。

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焼物

小さな鮎の塩焼き。

鮎はこのサイズが美味しいな。 焼き具合もさすがである。

強肴

この牛フィレ肉は、昨年サンディエゴで訪れた高級ステーキ店に勝るとも劣らない最高の味わいであった。

食事は鰻飯。


デザート

『ご馳走様でした』
とても満足した晩御飯。 終わってみれば、スタートからほぼ3時間が経過していた。

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部屋まで戻る路。





部屋に戻ると、本を開く。

俺の好きな、京都・奈良の仏像の写真集。
開口の阿形と、口を結んだ吽形像は、俺のお気に入り。

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朝起きると、二階の川沿いの部屋へ。

家から持参したCDで、庄司紗矢香のヴァイオリンと、反田恭平のピアノの演奏を、低い音量で聞きながら、景色を眺め、本を読む。
見ると、対岸に動くものが。

持参した双眼鏡を取り出し、見ると『鹿』

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朝は、宿の敷地を出て、川沿いのお散歩を楽しんだ。

まずは朝の宿。



門を出て、涼しい路を歩く。










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宿に戻ると、パブリックスペースの縁側に出て、お茶をいただく。

朝の川風が吹き抜け、なんとも心地よい。

今日は曇りの天気予報だが、なんとか晴れそうな感じである。

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朝食は、部屋食。

一階の和室で、野菜鍋をいただく。

たっぷりの野菜を美味しくいただき、〆の雑炊も絶品であった。
『ご馳走様でした』

その後も、音楽を聴き、景色を眺め、本を読み、ゆっくりと朝風呂を楽しんだ。
星のや京都の魅力は、奥嵐山という最高のロケーションで、本を読んだり、CDで音楽を聞いたり、川風を感じながら景色を眺めたりして静かに過ごす非日常の時間である。

***

チェックアウト。
『お世話になりました。 とてもゆっくりできましたよ。 また来ます』

舟で、宿をあとにする。

途中で、上りの星のや舟とすれ違う。

渡月橋が見えてきた。

俗世に戻ってきた感じである。

帰りは、途中のPAで一度だけ休憩し、そこで家から持参していたパンのお昼ご飯。
往復共移動中は、徹底して人混みを避けるプランとした。

俺は、コンラッドや音信、そして星のや京都のような良い宿は、その宿や部屋の佇まい、美味しい料理、そして何より工夫を凝らしたおもてなしの考え方を身を以て知ることは、とても良いリアルな経験として自分の身になっていると感じる。
その一方では地べたで寝るキャンプも楽しいし、車中泊でも安宿でも、それぞれ楽しむことができる。
何事も経験である。

自粛自粛で気疲れする今の世の中ではあるが、最新の注意を払い、最高レベルの対策を講じている星のリゾートの星のや京都の特別室で、妻と二人静かで贅沢な時間を過ごすことができたのは、一生の思い出になるであろう。
『うん、今回は最高に良い旅だったなあ』

***

『浮世の難しいしがらみは、あっしには関わりのねえことでござんす。 御免なすって』

風の吹くまま気の向くまま、フラリ風来坊・生涯不良の旅するサラリーマン・シーカヤッカー。
さて、来週はどこ行こう?
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