中国、明時代から伝わる「遠い親戚より近くの他人」という言葉がありますが、「血のつながった親類も離れた土地に暮らしていると、行き来もなくなり、いざというときに助けられることはなく、他人でも近くに住んでいる人の方が力になってくれる」という意味で、山村地帯に住む私にはこの言葉が身に染みます。
遠くの親戚より近くの他人というのは、遠い親戚をないがしろにするという意味ではなく、災害など緊急時は遠くの親戚より、近くの他人という言葉を重んじて、近所とのつながりを大切にし、普段から互いに交流を深めてきました。
最近、近親者のみで葬儀を行う「家族葬」が流行していて、故人が望んで喪主や遺族のみの葬儀を選択していたとすれば、原則として親族以外は参列できず、開式1時間前に故人との対面が行われていて、どんなに故人と親しくしていたからと思っても、案内がなければ葬儀の参列はしません。
家族葬は、生前故人と親しくしていた家族・親族・友人・知人だけで、静かに見送ってあげる新しい葬儀スタイルで、葬儀の内容には、決まりがないので、事前に故人と相談しておき、葬儀の規模・参列者リスト・斎場選びなどをしっかり行っておくことだと思います。
ご近所で、家族葬に呼ばれなかった場合でも、葬儀があることを伝え聞いていても、無理に参列しないことや、後日苦情を言わないことが大切だと思っています。一般葬を行わない遺族の心情を思いやり、配慮する必要があります。
その際、「遠い親戚より隣人」ということであれば、トラブルを避けるため、「家族葬」であっても、参列の知らせは書面にてきちんと出しておくべきでしょう。