新型コロナウイルスの感染対策の最中に1歳年上の義兄が亡くなって、28日には1周忌の法要が岡崎市内で営まれます。学校長を務めていた頃の元気な姿を思い出します。
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻のごとくなり・・・ひとたび 生を得て 滅せぬもののあるべきか」と、織田信長は、桶狭間の戦いの折、今川軍が鷲津・丸根の砦に攻めかかった事を聞くと、一節、謡ながら舞うと、猛然と出陣したといいます。
この詩は、人生のはかなさや世の無常を謡うものですが、信長の場合は「死を覚悟」とは思えなく、どうせ人生は五十年しかなく、死ぬ気になって、力いっぱい戦おうと、勇ましい感情を込めて謡ったのではないでしょうか。
信長は、長寿であろうとも、いつかは死を迎え、死はすべての生命に平等に与えられ、長生きをしても、いくら栄華を誇っても、それはただ生きているというだけでは、きわめて空しい生き方であって、いかに生きるかが大切であると謡ったものでしょう。
信長の時代と、現代では低カロリーの摂食をすることによって、平均寿命と最長寿命を延ばすことが可能だとか、新陳代謝を減少させ、ゲノム(遺伝子配列)の不安定性を減少させれば寿命の延長が可能だと言われています。
しかし、人はどの様な手を尽くしても、やがて別れがあります。人生 長生きしても、天上世界の時の流れと比較すれば、夢や幻のようなもの、命 あるものはすべて 滅び去ります。生きている間に、悔いの残らない生き方をしたいものです。