大相撲名古屋場所で横綱・照ノ富士が10回目の優勝を果たし、長く使われていた体育館、ドルフィンアリーナ(愛知県体育館)は、来年の名古屋場所は新しい体育館で行われることから、お別れの大相撲会場となりました。
日本のスポーツは、「小よく大を制す」という言葉は昔から聞きますが、どうやら柔術から出た言葉らしく、「小さい人でも柔軟に立ち向かえば、大きな人も倒せる」ということで、柔道が世界的なスポーツになったのはこの醍醐味(だいごみ)らしいのです。
その昔、大相撲の中では小柄と言われた“舞の海”が活躍し、人気を博しました。今年の名古屋場所でも“翠富士” “平戸海”などが大柄な力士を倒すたびに観客の大きな歓声がテレビを通して聞こえました。
よくよく考えれば近頃、人々があらゆることで求めてきたことで、大きいことに偏ってきているのではないでしょうか。中小企業は大会社を目指し、大会社はさらに大きく巨大化を目指すなど、そうしなければ維持できないと思い込んでいるのでは・・・。
パリのオリンピックでは、多くの若者が世界の頂点を目指して参加していますが、バレーボールやバスケットボール、水泳など、体格の大きい欧米勢が優位なことに、違いはありません。それにもかかわらず、「小より大を制す」と、大きな体格の選手を相手に、小さな選手が活躍する姿に拍手をする姿は、昔も今も変わりません。