【観戦記】
2月18日、明治安田生命J2リーグは開幕を迎え、V·ファーレン長崎はホームのトランスコスモススタジアム長崎でジェフユナイテッド千葉と対戦しました。
明けましておめでとうございます!
(と、サポーター間では言います)
さすが開幕戦だけあって、天気がぐずつき気味の中でも11,165人の観客を集めました。
今年からヴィヴィくんも3年ぶりに本格的に外に出て活動。玉田圭司アンバサダーと共にPRに励んでおりました。
おてて(マニア向け)。
場外ステージイベント。
今年のスローガンは「行くぞ、J1!」。シンプルにストレートに。
玉田アンバサダー、スタジアムDJの古本史子さん、がんばくんらんばちゃんも一緒に試合前後のイベントの告知も。夜に試合があるバスケットボールチーム·長崎ヴェルカとのハシゴも推奨。実際そういうサポーターも多いみたいですね。
グッズ売場も列が出来ていましたが、とりあえずイヤーブックが欲しかったので並びます。
そして、イヤーブック以外も買ってしもた…。アカデミー推しですので。
このうちわいいですね。なぜ今までなかったのかというくらい。
選手バスを迎えるときに早速うちわを振ってみましたよ。今年からメイン中央の階段下にバスが入るようになりました。
スタジアムでの声出し応援も復活し、活気が戻ってきました。
スタグルはINASA KITCHEN。
ヴィ·ビール(800円)。
雲仙ポークブリトー·BIGサイズ(1,000円)。ブリトーというのは、トルティーヤで米やチーズを包んだメキシコ料理だそうな。これは豚肉、ご飯、チーズなどがスパイシーな味つけになって入っていて、これ一つでがっつり。美味しかったです。
髙田旭人社長と高木琢也C.R.Oもゴール裏に挨拶。
場外でも写真撮影に行列が出来るなど、クラブに戻ってきた高木さんの人気は凄まじいものがあります。
「C.R.O(クラブ·リレーションズ·オフィサー)」は、パートナー企業、サポーター、ホームタウン、行政機関、メディアなどとクラブを繋ぐ役割だそうで、クラブの顔として活動するようです。
ヴィヴィくんの場内グリーティング。千葉サポーターさんにも挨拶。
そういう意味ではヴィヴィくんもクラブの顔ですよね。オフの間も精力的に県内を飛び回っていましたし。
選手入場。ゴール裏のビッグフラッグも復活。
イントロダクション·スターリングラインナップ動画。
【マッチレビュー】
長崎はファビオ·カリーレ監督体制2シーズン目。キャンプと補強を経て、真価が問われるシーズンとなります。
[今シーズンの長崎の補強]
DF 岡野 洵(←千葉)
DF ヴァウド(←清水)
MF 増山 朝陽(←大分)
FW フアンマ デルガド(←福岡)
MF 名倉 巧(←仙台·期限付から復帰)
DF 今津 佑太(←広島)
GK 波多野 豪(←F東京·期限付)
FW 宮城 天(←川崎 期限付)
MF 大渕 来珠(←東福岡高)
FW ショップ セリンサリウ(←名古屋産業大)
MF 瀬畠 義成(←東洋大)
DF 白井 陽貴(←法政大)
[長崎の目指すサッカー]
·主導権を握って戦う。
(イヤーブック)
·ボールを地面につけて。
·三角形を形成しながら。
·空中戦で負けない。
·守備は前線から。
一方、千葉は尹晶煥体制が終わり、小林慶行新監督での船出。
[今シーズンの千葉の補強]
GK 近藤 壱成(←法政大)
DF 松田 陸(←金沢)
DF 矢口 駿太郎(←千葉U-18)
MF 椿 直起(←横浜FM)
MF 日高 大(←いわき)
FW 呉屋 大翔(←大分)
FW 田中 和樹(←京都·期限付)
FW 小森 飛絢(←新潟医療福祉大)
FW 新明 龍太(←千葉U-18)
[千葉の目指すサッカー]
·前体制の守備的なサッカーからの脱却を図り、試合の主導権を握る攻撃的なサッカーにシフトする。
·既存選手に足りないところを補う(補強)。
·(今シーズン目指すサッカーでは)守備のところで1対1のバトルが多くなる。
·ある程度自分たちが押し込んでやれるのがベスト。
[スタメン]
上記を踏まえてスタメンを見ると、長崎はセンターラインにキーパー(GK)21波多野、センターバック(CB)18今津、フォワード(FW)9フアンマと、課題に上がった高さのある新加入選手を起用。そして、左サイドバック(SB)に8増山。スピードのあるサイドハーフ(SH)としての獲得と思われた増山を一列後ろのSBに起用してきました。
一方の千葉は、昨季からの主力であるGK1新井、CB6新井、CB13鈴木、ボランチ(VO)18熊谷、インサイドハーフ(IH)4田口、IH10見木らに、特に2トップがフレッシュで、単に重心を前に上げるだけでなく得点力のアップを目論みます。
[長崎の昨季の課題は解消されたのか]
カリーレ監督は課題の一つに空中戦を挙げました。実際この試合では21波多野、18今津の存在は大きく、空中戦の不安は解消されたと感じました。
しかし、私個人は課題はそれだけではないと思っています。
(1)主体的にボールを奪う守備が出来るのか。
(2)相手のプレッシングを受ける中でもボールを前進させられるのか。
この2点(といっても、2つは一体でもあるのですが)が昨季のカリーレ体制で気になる部分でした。長崎は前からのプレッシングがかからず、自陣に押し込まれるため、ボールを保持するときは低い位置から始めなければならない上、相手のハイプレスに
かかって奪われるという悪循環に陥ることがしばしば。
ここが解決されなければ、主導権を握り、ボールを握って戦うのは不可能です。
[長崎が駆け引きに勝った前半]
開幕戦ということで、お互いに事前情報が少ない中でどういう入りをするかが重要になります。長崎はボール保持時は3-1-4-2に近い形、また非保持時は5-3-2の形を取りました。4-4-2をベースにしつつも、可変システムを用いて千葉の出鼻を挫いた格好。
千葉の非保持4-4-2に対して、後ろは23米田と2CBの3枚で数的優位を確保。そして、10カイオが右に流れることで、10見木のプレッシャーから23米田がフリーになり、マークのズレを作ることでボールを前進させることが出来ていました。
非保持では19澤田が最終ラインと5枚を形成し、5-3-2。千葉が3-1-4-2でボールを保持し、2トップと、外に開いて幅を取ってくるWBの25末吉と24矢口を長崎は5枚でケアする形。
千葉にしてみれば、おそらく長崎は4-4-2や4-2-3-1という予測があったのではと思いますが、この形にしたことで面食らった部分があったと思います。
長崎はこれによってショートパスとロングボールを使い分けながら前進し、失っても高い位置でボールを奪い返すことも出来ていました。これが序盤の11エジガル→9フアンマやアディショナルタイムの35安部の決定機に繋がったと言えます。
主導権を握れたとまで言えるかはさておき、少なくとも前半に限っては長崎は昨季とは違うポジティブな部分を見せてくれたと言っていいでしょう。
[千葉が対応してきた後半]
ただ、後半は長崎のその準備してきた形に千葉も対応してきます。
長崎のボール保持時に10カイオが右に流れることで23米田のフリーにしていましたが、10カイオには18熊谷が出てくるようになり、10見木が23米田に対して行けるようになりました。
まずこれで長崎はマークのズレを作ることが出来なくなり、長いボールに頼ることが増えます。しかも長いボールを蹴ってもセカンドボールは拾えず、前進は困難となり、千葉が支配の時間。
そして、千葉は保持においても中盤が思い切って高い位置を取るようになり、長崎の5-3-2の中盤3枚は徐々に押し下げられる展開に。
千葉先制の直前の場面。千葉は18熊谷が高めの位置を取り、4田口は長崎の中盤3枚の外に位置し、フリー。長崎は人数はいるものの、後が気になったか4田口にプレッシャーをかけられず。ここから左に展開され、25末吉の縦に仕掛けてのクロスはクリアーするも、空いたマイナスから4田口がミドル。この時点で決まってしまいました。
たらればを言えば、直前の場面は11エジガルが戻って守備に加わていれば違ったものになったかもしれません。この時間は2トップと中盤が間延びしていた長崎。
5-3-2は3の両脇が空くのでそこを使ってくるようになった千葉です。
この後、長崎は14名倉をトップ下に、24宮城を左SHに入れて、4-4-1-1のような形での非保持に変更し、14名倉が走り回ってのプレッシングで規制をかけながらの守備になり、奪える場面もありましたが、今度はパスが合わず、新加入選手との連携不足が浮き彫りに。
[雑感]
長崎の敗戦は悔しいですが、少なくとも準備していたものも途中までは通用していましたし、リードされた後も積極的に前に行って戦えていたと思います。昨季のような脆さは感じなかったので、当時は本当にコロナと過密日程が影響したのかもと考えざるをえません。この試合を見る限りなので、まだわかりませんが。
ただ、試合後のインタビューで米田も語っているとおり、「対応されたときのプランB」と「新加入選手との連携」は課題として残るので、それは次節以降の楽しみに。
出場した新加入選手もほぼ期待どおり。18今津の空中戦は頼もしかったですし、8増山はパワフルかつスピーディーな上下動で力を与えていました。9フアンマも連携が合ってくればもっと生きるはず。24宮城も左サイドからのドリブルでの仕掛けは武器になるでしょう。
現状は個人的にプラスに捉えられる材料が多いです。
千葉は後半特に重心を前に上げての戦いは脅威でした。ここにもっと個の力のある選手が加わればもっと強力になりそうですが、少なくとも夏までの補強はないとか。
それでも若い41小森や24矢口は面白い存在だと思います。
(選手敬称略)