1月20日(水)、V·ファーレン長崎は新シーズンの新体制発表会を行いました。YouTubeによる配信で閲覧可能です。
とりわけ、私が注目したいのはチーム強化の部分とアカデミー出身の五月田星矢選手です。
新加入選手紹介に登場した五月田選手の表情からは緊張も感じられましたが、受け答えがしっかりしていていて、さすがだなと思います。
今季は過去一番と言って良いほどボランチの層が厚く、カイオ·セザール選手、秋野選手、加藤(大)選手、磯村選手、鍬先選手といる中で、五月田選手がどれだけ試合に絡めるかというのは気になるところです。
経験値で劣る部分はもちろんあるでしょうが、見ていてクラブの五月田選手への期待の高さは以前から凄く感じるところでしたので、やれるのではとも思います。
アカデミーサポーターとして応援していますよ。
さて、チーム強化の部分に入りますが、竹元テクニカルダイレクターより、方針の発表がありました。
目標:J1基準のチームづくり·J2リーグ優勝
強化の方向性
·昨シーズンの課題
✅先制しながらも勝ちきれない(追いつかれる)
✅攻撃回数が少なく、枠内シュート率が低い
✅メンバーの固定性が低く、成熟度が低い
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✅積み上げの継続ができる監督の任命
✅攻守の課題を埋める補強
✅メディカル体制の強化
という発表でした。
まず、昨シーズンのサッカーの骨格は引き継ぐことが濃厚ですね。ボールを保持して相手を押し込んで戦うと。
ただ、監督が変わるということは、「決断」するのは監督ですので、メンバー選びや選手交代、ゲームマネジメントの部分を含めた「采配」が変わってきます。昨シーズンはリードしている段階での交代策で失点し追いつかれたと見受けられる試合もあった中で、「先制しながらも勝ちきれない」という点が改善出来るかは、吉田監督の采配に掛かる部分も大きいのではと思います。
次に、「攻撃回数の少なさ」が課題として挙げられました。
攻撃回数が少ない徳島が優勝していることを考えれば、多いことが一概に重要だとも言えないわけですが、北九州などは攻撃回数が多いわけで、増やすことでより得点が見込めるということなのでしょうか。
サッカーの攻撃は「ボール保持」⇒「前進」⇒「フィニッシュ」のフェーズに分けることが出来ます。昨シーズンはボール保持の時間はそれなりにありました。しかし、「攻撃回数」を「ボールを保持してから相手チームに渡る、もしくはファウルやボールアウトで試合が止まるまでの間を1回の攻撃」と定義するならば、「前進」の回数が少なかったのではないかと思えます。
ずっと後ろでボールを回して前へ行かないことでストレスを感じた方も多かったのではないでしょうか。相手がブロックを整えてスペースがない場合、ボールを後ろへ下げてやり直すことは悪いことではありません。ただし、あまりに後ろでボールを保持する時間が長く、前進が出来ないというのは、相手に脅威を与えられていないということでもあり、ボールを持たされているとも捉えられるわけです。
その点は、昨シーズンの終盤はだいぶ改善されたように感じられますが、今季の補強という点では、パスを出せるボランチの層は厚くなったながら、ボールを受ける側として前進のキーマンの1人でもあった氣田選手がいなくなり(ベガルタ仙台へ)、名倉選手の去就も未発表ということで、まだサイドハーフのポジションに不足が否めません。
ここは今後に注目したいです。
そして、出来ればボール奪取の回数も増やしたいところです。昨シーズンはボールを奪いに行くというよりは、どちらかといえばブロックを作って構える時間が長かったのではないかと思います。高い位置で奪えれば、それも前進と攻撃回数の増加に繋がります。
この点は、吉田監督もロストした後の即時奪回を掲げておられましたので、そこに注目します。
さらに、枠内シュート率の低さが挙げられました。これは…難しいですね。長崎よりも攻撃回数がやや少ない徳島は、この部分を大きく上回っています。
ということは、徳島のほうがいい状態でシュートまで持っていくことが出来ていたということになります。選手の立ち位置で相手を動かし、出来たスペースを使うのが上手いリカルド·ロドリゲス監督の徳島ですが、そこが効果的だったのではと想像出来ます。
ならば、そのように長崎も出来るか?というと、正直微妙なところです。どちらかといえば、上記のように、前進の回数を増やし、攻撃回数を増やすことのほうが現実的に思えます。個人的に徳島のようなサッカーは理想ですが。ただ、佐藤ヘッドコーチや村上アシスタントコーチがプラスアルファをもたらしてくれるならばという期待はあります。特にムラさんは私も昨年ずっと見ていましたので、期待は高いです。どこまで戦術面を受け持てるのかわかりませんが。
最後にメンバー固定の部分。
ここはあまり心配していません。昨シーズンの終盤はある程度メンバーは固定して、多少の入れ換えをしながら上手く戦えていたと感じますので。
メンバー固定は、戦術理解が高まることで、より前進が増えるという期待もあります。
ただ、メンバーを固定するにしても、バックアップは重要です。選手層という部分では、先ほども申しましたように、サイドハーフに不足感があります。また、昨シーズンは本職ではない江川選手や、鹿山選手、磯村選手が穴を埋めたサイドバックにも不安を感じます。
メディカルスタッフの充実で、不測の事態を減らせるならば、それには期待することは出来ますが、どうでしょうか。
クラブが掲げた強化方針について、私が考えることは以上になりますが、付け加えておくと、昨シーズンの失点パターンとして最も多かったセットプレーも注目したいです。
ここもコーチ陣が入れ替わった中で変化が見られるのではないかと期待しています。
まあ正しいかわかりませんが、私はこんなふうに見ております。
コロナ禍の中で開幕戦が無事開催出来るのかどうかわかりませんが、試合が開催される限り、楽しんでいきましょう!