長崎ぺんぎん日和

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令和6年 長崎くんち 庭見世 ▪︎今年の踊町の演し物をご紹介します

2024-10-04 21:00:00 | 長崎ぶらぶら
令和6年 長崎くんち(10/7~10/9)が開催されます(荒天による日程変更の場合あり)。

『長崎くんちは、長崎の氏神「諏訪神社」の秋季大祭で、毎年10月7日から3日間、町を挙げて催されます。寛永11年(1634年)に、二人の遊女が諏訪神社神前に謡曲「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりと言われています。奉納踊には異国趣味のものが多く取り入れられ、昭和54年には、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。』

演し物を奉納する“踊町(おどりちょう)”は7年に一度の輪番制で、観客は「もってこーい」「よいやー」「しょもーやれ」などの掛け声をかけて盛り上げます。

令和6年の踊町は【西濵町】【麹屋町】【五嶋町】【銀屋町】【万才町】【八幡町】【興善町】の7カ町です。


本番に先駆けて10月3日には『庭見世(庭見せ)』が行われました。
庭見世とは、各踊町で使用する傘鉾や演し物、衣装や道具などを町の人々に披露し、応援してくれる人々への感謝や本番への意気込みを表す場だそうです。

毎年この日は多くの人々が各踊町を回り、賑わいます。

私も久しぶりに回って来ましたので、その写真と共に、今年の踊町の演し物のご紹介をさせていただきます。

ちなみに、写真が少ないですが、実際はこれだけではありません。たくさんの衣装や道具がご祝儀や供物と共に飾られています。



【西濵町(にしはまのまち)】
演し物:傘鉾·龍船(じゃぶね)·二胡演奏
龍船。長崎の貿易商人·荒木宗太郎の元に安南国(ベトナム)の王妃アニオーさんが嫁入りした際の豪華な船をイメージしたもの。
おくんちの曳き物中最大のものであると同時に、三輪による回転の速さも特徴。掛け声は「ヤーハー」。


傘鉾。傘鉾とは踊町の行列の先頭に立つ、町のしるしのこと。各踊町には必ずこれがあります。
上の源氏絵貝箱に紅葉と菊の鮮やかさが目を引きます。



【麹屋町(こうじやまち)】
演し物:傘鉾·川船
麹屋町は中島川に接していることから、昭和39年より川船を奉納。船には本漆の緋鯉と真鯉が装飾されています。

『「「川船」は子ども船頭が網を打ち、獲った魚を諏訪神社に献上するために船を急がせるという筋立てです。麹屋町の山車は「川船」の中でも一番大きくて重く、しかも4つの車輪は固定で左右に曲がらないため、回転の時は相当な力と技を要するとか。』(長崎くんち麹屋町 川船より引用)

船回しの途中、船から水が吹き上がる趣向が最も盛り上がる瞬間。



傘鉾は、献上梅と麹蓋が特徴。



【五嶋町(ごとうまち)】
演し物:傘鉾·龍踊(じゃおどり)
長崎くんちの花形、龍踊。以前の本踊から、平成12年(2000年)より新たにより多くの町民が参加出来る機会のある龍踊を奉納。
龍が玉(宝珠)を追う「玉追い」と、必死に玉を探す「ずぐら」を総勢約150人が演出。
楽器は本番の香港や中国から買いつけたものだそう。



傘鉾は、虫籠に菊とススキの装飾が特徴。



【銀屋町(ぎんやまち)】
演し物:傘鉾·鯱太鼓(しゃちだいこ)

昭和60年(1985年)より鯱太鼓を奉納。銀屋町は昭和41年(1966年)の町界町名変更により町の名前はなくなっていましたが、平成19年(2007年)に復活。

鯱太鼓は昭和57年(1982年)の長崎大水害を機に誕生したそうで、天空を目指す蓬莱(ほうらい)の鯱が、やがて黄金の龍となり、人々に吉祥をもたらすという「蓬莱鯱(ほうらいこ)伝説」がもとになっているそう。

担ぎ手は「ホーライコ」の掛け声で、太鼓台を宙に放り上げ、最後は片手で掴みます。



傘鉾は、金色の出世鯉が水面から飛び上がらんとする装飾に圧倒されます。



【万才町(まんざいまち)】
演し物:傘鉾·本踊(ほんおどり)

踊り子の衣装や三味線が飾られていました。
本踊は伝統的な「祭礼祝長崎万歳(まつりをいわうながさきばんざい)」を中心に、「長崎ぶらぶら節」のほか、今回から「あっかとばい」や「長崎七不思議」をアレンジした楽曲を披露するそう。これまで女の子しかいなかった子供の踊り子には初めて男の子が参加。



傘鉾は、朱盃に萬歳の文字があり、神鈴と御幣が立てられているのが特徴。



【八幡町(やはたまち)】
演し物:傘鉾·山伏道中·剣舞·弓矢八幡祝い船
弓矢八幡祝い船は、八幡宮の山伏たちが諏訪神社に奉祷文(ほうとうぶん)を納めようと、侍大将たちに守られながら長崎に入港する船のストーリー。
荒々しい海を超えて入港した際に放たれるのは、このために飼育されているという白い鳩。庭見世にもその鳩がいました。

『八幡神社を勧請したのが山伏であること、八幡様が武勇の神様であることにちなんで祝い船のほか、山伏に扮した子どもたちの行列「山伏道中」や「剣舞」も奉納。』(八幡町 「弓矢八幡祝い船」より引用。)



傘鉾は、朱塗弓立てと大弓、そして留まる白鳩の装飾。



【興善町(こうぜんまち)】
傘鉾·本踊「石橋(しゃっきょう)」
本踊「石橋」は、能に由来する舞てま、牡丹の花が咲き誇る石橋の傍らに、獅子と胡蝶が戯れる様子を表現しているそう。
紅白の獅子が重さ3.5kg、毛の長さ1.6mの獅子頭を豪快に振り回すところが見どころ。獅子を演じるのは女性2人。
子供たちも参加し、伝統を引き継いでいきます。





いよいよ本番ですね。天候だけが心配ですが。
庭先回りも楽しみです!




スケジュール等は長崎くんち <長崎伝統芸能振興会>をご参照ください。



3年ぶり開催!2023 長崎ランタンフェスティバル▪ランタンと美味しいものとペンギン水族館

2023-01-31 21:00:00 | 長崎ぶらぶら

1月22日、「2023長崎ランタンフェスティバル」が開幕しました!3年ぶりの開催です。

長崎ランタンフェスティバル:
長崎新地中華街の人たちが、街の振興のために、中国の旧正月(春節)を祝う行事として始めたもので、もともと「春節祭」として長崎新地中華街で行われていたものを、平成6年から「長崎ランタンフェスティバル」として規模を拡大し、長崎の冬を彩る一大風物詩となる。

2023期間:
1月22日~2月5日

主な会場:
新地中華街会場
中央公園会場
浜んまち会場
孔子廟会場
唐人屋敷会場
中島川公園会場
鍛冶市会場

主なイベント:
皇帝パレード(1/28、2/4)
媽祖行列(1/29、2/5)
龍踊り
エイサー
二胡演奏
中国変面ショー(孔子廟会場)

会場周辺はランタン(中国提灯)で彩られ、主要会場では飲食店の出店も並びます。

久しぶりの開催ということで、私もちょっと飲み食いしながら回ってみました。



新地中華街。真っ赤なランタン。土曜日は人でぎゅうぎゅう状態。ランタンフェスティバルが帰ってきたという感じです。



銅座川はピンクのランタン。



橋の上に金魚のオブジェ。



湊公園。メインオブジェ。
会場はステージがない以外は同じ。



「赤田ちくわ店」のカレーちくわ(350円)。
久しぶり!こいば食べんば!(急な長崎弁)



湊公園の外にある「老李」の屋台。これもランタン期間中の名物。


水餃子(500円)と生ビール(500円)。
ちょっと並びましたが、中華街よりは楽。



唐人屋敷会場。土神堂。
「土神堂」「天后堂」「観音堂」「福建会館」の4つお堂があり、赤いロウソクを灯しながら巡ると願いが叶うと言われます。赤いロウソクは販売所があります。


裏通りがおすすめ。静かで趣のある雰囲気。


下ってきてから洋菓子店「ネオクラシッククローバー」で一休み。


笹クレープがおすすめです。



コーヒー(200円)。笹クレープいちご(300円)。笹の香りに包まれたクレープです。


場所が変わって中央公園会場。
ステージがない代わりに大きなオブジェ。


龍踊りを見ることが出来ました。龍踊りは時間を決めずにやっているそうなので、見られればラッキー。


中央公園名物“怖いパンダ”。会いたかったよ(笑)。


森山酒店の屋台で杵の川ワンカップ(400円)。


「ふぐ問屋ながさき」のふぐダシラーメン(600円)。
初めて食べたけど、美味しいですね。ダシがいい感じ。さっぱりといただけました。


焼き小籠包のお店「チャイデリカ」。



胡椒餅(480円)。おやきのような。でも中がスパイシーで美味しいやつです。


中島川公園会場。眼鏡橋周辺は黄色のランタン。こちらは静かにゆっくり楽しめる雰囲気になっています。





さて、場所変わって長崎ペンギン水族館。長崎ランタンフェスティバルの会場というわけではないようですが、連動して同時期に「ペンギンと海のランタン展」が開催。


1階にランタンが飾られています。


多目的室にはペンギンランタン。


クマノミ。


海の漂着物で作られたランタン。


ふぐちょうちん。



ペンギンたちもランタンに照らされていました。



久しぶりにランタンフェスティバルを感じられて、安心感に包まれました。

楽しかったです。

残り期間も楽しみましょう!


9/23開業·西九州新幹線「かもめ」に乗ったよという話

2022-10-04 21:00:00 | 長崎ぶらぶら

2022年9月23日に西九州新幹線が開業しました。

当日は長崎駅には行っていないのですが、開業イベントの開催でブルーインパルスが飛んだりしたことも重なってか、長崎市内各地で生まれてから見たことがないような大渋滞が発生。あれにはびっくりするやら興奮するやら。渋滞には困りましたが、相変わらずのコロナ禍にあってこの盛り上がりは経済を回す意味でも悪くはなかったのかなと。



さて、そんな私も開業翌日の24日に新幹線かもめに初乗車。流行りに乗ったみたいになってしまいましたが、そういうわけではなく、たまたまV·ファーレンアカデミーの応援で島原に行くのに丁度良かったので利用しました。まさかこんなに早く乗ることになるとは。しかも諫早までなのに指定席に乗るという贅沢をしてしまいました。早朝だからか、席は空いていましたね。



新幹線券売機。
新幹線かもめの停車駅は諫早、新大村、嬉野温泉、武雄温泉。武雄温泉でリレーかもめに対面乗り換えで博多まで。

西九州新幹線の料金(PDF)



隣にはSEATTLE'S BEST COFFEEと観光案内所がオープンしていました。



改札。



エスカレーターでホームまで上がります。私がドジなだけかもしれませんが、間違えて逆側のホームに行ってしまったので、エスカレーターに乗る際はホームのご確認を。



ホームはこんな感じ。



端からは旭大橋、長崎県庁、そして長崎港が見えます。



かもめが入ってきました。



青に白字でかもめと書かれていますが、こういうことらしいです。

青→諫早、新大村、嬉野温泉停車タイプ
赤→嬉野温泉通過タイプ
黄→新大村、嬉野温泉通過タイプ

全部が各駅停車ではないのですね。



安全柵があり、乗降車以外のときは閉じています。



指定席車内。シートは座り心地が良かったです。



洗面所もあり、綺麗でした。


基本的にトンネルの中の時間が長く、景色はあまり楽しめない感じ。


長崎-諫早間はこれまでは特急で20分前後、普通で30分前後。新幹線は7時45分発の7時54分着。8~9分で諫早に着いてしまうというのはおかしな感覚になりそうなほど速いですね。そういう時代が来たんですね。



諫早駅のホーム。島原鉄道への乗り換えもスムーズでした。




次は福岡まで行ってみたいですね。

早岐瀬戸·観潮橋▪大村湾と外海(そとうみ)を繋ぐもう一つの海峡

2022-08-26 21:00:00 | 長崎ぶらぶら

佐世保市のJR早岐駅から徒歩10分ほど。早岐瀬戸に架かる「観潮橋」にやって来ました。

「瀬戸」とは狭い海峡のこと。
早岐瀬戸は大村湾と外海(そとうみ)の佐世保湾を繋ぐ海峡です。


大村湾と外海(そとうみ)を繋ぐ瀬戸と言えば、西海橋と新西海橋が架かる伊ノ浦瀬戸(針尾瀬戸)が有名ですが、もう一つがこの早岐瀬戸。まるで川のようですが、れっきとした海。左側の針尾島と右側の本土は陸続きと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、左側は橋で繋がる島です。


その早岐瀬戸の中でも狭い場所に架かるのが観潮橋。



瀬戸は基本的に流れが急ですが、ここもそうでした。


動画。

最近はここでカヌーをする人もいるそうな。

この日は干潮ですが、満潮時は流れが逆になるみたいです。

自然の面白さを感じさせられる場所。


初めて見ることが出来て良かったです。

紫陽花を眺めながら興福寺と眼鏡橋の繋がりを感じる梅雨の前のひととき

2022-06-04 21:00:00 | 長崎ぶらぶら
【あか寺】

寺町の興福寺にやって来ました。

長崎で最も大きいとされる山門。



5/24から6/12まで「紫陽花季」ということで、境内には紫陽花が飾られ、イベントが開催されます。

紫陽花を観賞するついでにといってはなんですが、興福寺の歴史を勉強しましょう。



興福寺は、国内最初の黄檗禅宗(おうばくぜんしゅう)の唐寺。

中国·明の商人が長崎と行き来を始めた頃に渡来した中国人·眞圓が、1620年頃に航海安全を祈念し船神·媽祖(まそ)を祀る小堂をかまえたのが始まり。
眞円の後には、眼鏡橋を架けたと言われる第二代黙子如定(もくすにょじょう)、三代の逸然は1654年に、明の福建省黄檗山万福寺の隠元禅師を招きました。



○山門
県指定有形文化財。
この山門は1690年に再建されたもので、総朱塗り。この門が赤いことから興福寺は「あか寺」と呼ばれるとか。



入場には拝観料がかかります。大人300円、中高生200円、小学生100円。



入場するとすぐに隠元禅師の像が。隠元さんはインゲン豆やごま豆腐、丸テーブルなどを伝え、日本人の生活に多大な影響を与えたと言われます。
興福寺の象徴なんですね。



【中国との繋がりが色濃く残る境内】

境内にはさっそく紫陽花。



○大雄宝殿(本堂)。
国指定重要文化財。1632年、第二代住職黙子如定が建立。1689年に一度再建。1883年に二度目の再建。



大雄宝殿の「氷裂式組子の丸窓」。原爆の爆風で倒壊しましたが、時間をかけて修繕が施されたそうです。



○媽祖堂。
県指定有形文化財。船神·媽祖を祀る御堂。航海する中国の船は、船上でも媽祖小像を祀り、長崎に停泊の際はこの御堂に安直したそうな。
現在の長崎ランタンフェスティバルでは「媽祖行列」として伝えられていますね。


○鐘鼓楼。
県指定有形文化財。上は梵鐘と太鼓、下は禅堂。梵鐘は第二次大戦で鉄として供出され、長らく鐘はない状態でしたが、2021年に福建省から贈られたとのこと。



鐘鼓楼の屋根の隅鬼瓦は、南側(内向き)に大黒天、北側(外向き)には文昌帝君が。「鬼は外、福は内」という意味があるそうです。
(「ヒロスケながさき100のひみつ」参照)
















○魚板(ケツギョ)。
僧侶たちの飯時を告げるために叩く板。何百年も叩かれてお腹の部分が凹んでいます。これは雄。



こちらが雌だそうです。



○三江会所門(さんこうかいしょもん)。
県指定有形文化財。
江南·浙江·江西三省出身者が明治初期に設立した集会所。原爆で大破し門だけ残る。豚よけの高い敷居が中国風。豚が放し飼いにされていたんですね。



○中島聖堂遺構大学門。
県指定有形文化財。
儒学者向井元升が東上町に設立した学舎立山書院が、中島川沿いに再建され、中島聖堂と呼ばれました。1959年に保存のために興福寺境内に移築。


○旧唐人屋敷門
国指定重要文化財。唐人屋敷内に現存した門を1960年に保存のために移築。
写真撮り忘れました。



紫陽花で心を穏やかにしつつ、興福寺の歴史に想いを馳せました。



【興福寺と眼鏡橋の関係】

興福寺から中島川の眼鏡橋に足を伸ばします。眼鏡橋でも紫陽花が飾られています。

国指定重要文化財。
我が国最初の石造りアーチ橋で、1634年に興福寺の第二代住職黙子如定によって架けられました。



橋のそばには黙子如定の像があります。笠がかぶせられたのはおそらく最近です。



現在の眼鏡橋は1634年のものではなく、度重なる水害による崩壊で、再建を重ねたもの。しかし、今では周辺も公園として整備され、水害に怯えることなく、紫陽花を楽しみ、歴史を感じることが出来ます。


そんな、梅雨の前のひとときでした。