矢の平2丁目、矢の平橋のそばにそのお堂はあります。
左を向くお地蔵様がいらっしゃる「横向き地蔵堂」。
なぜお地蔵様は左を向いているのか?その逸話がこちらにありました。
~引用~
むかしむかし、ひとりのどろぼうが、町でひとかせぎしたあと、ぬすんだものを大きな包みにして背おって歩いていました。
「さあ、このあたりでひと休みじゃ」
と、町はずれの森の木かげで、男は、包みをひらいて、ぬすんだ品ものを調べはじめました。
ふと、男があたりを見まわすと、小さなほこらがあり、地ぞうさまが立っておられます。
「地ぞうさま、ゆるしてくだされ。こんこと、だれにも言わんと約そくしてくだされ」
とたのみました。
すると、地ぞうさまは、
「いちどだけは、見のがしてやろう。おまえも人にしゃべるなよ」と、
顔をクルリと横に向けられたのです。男は頭をペコペコさげながら立ち去りました。
それから三年後のこと。男が地ぞうさまの前に姿をあらわしますと、地ぞうさまは、顔を横に向けたままの姿で立っておられました。男はびっくりぎょうてん。地ぞうさまにお参りに来る人をつかまえて、
「この地ぞうさま、ふしぎなお方ですたい。おたのみしたことは、かならず聞いてくださるーー」
「むかしのことたい。あれ、これ…」
と、ある日のできごとをすっかり話してしまったのです。
それを聞いたお詣りの人は、
「さては、三年ほどむかし、うちのだいじなものや道具をぬすんだヤツは、きさまだったのか…」
と、男を奉行所につき出しました。
地ぞうさまは、すっかりお見とおしだったのです。
それからは「横向き地ぞう」と呼ばれ、土地の人から尊信されたということです。
長崎ケーブルメディアのYouTubeがわかりやすいです↓↓↓
長崎の昔話といえば、光源寺の「飴屋の幽霊」が有名ですが、私はそれしか知らず、30代になってからこの「横向き地蔵」を知りました。
地域の方にも大事にされているのがYouTubeでもわかります。
もっと知られるといいなと思いますし、私も他にもこのような話があれば知りたいと思っています。
横向き地蔵堂
(長崎四国八十八ヶ所第25番霊場)
長崎市矢の平2丁目3-1