神原ワールド稽古場日誌

神原ワールドが繰りひろげる劇の世界・公演のお知らせ・稽古場の模様を皆様にお届けします♡

ザンパノ

2016-10-14 08:45:34 | 演劇

 「ザンパノ~」 ジェルソミーナが言います。ご存じ映画「道」(1954)の登場人物、粗野な男ザンパノと少し頭のとろいジェルソミーナでございます。監督は当時新人でした巨匠フェデリコ・フェリーニ。オート三輪の幌車で町から町へ渡る旅芸人。金で買われ、ロバのようにこき使われるジェルソミーナ。日本で初めて公開された伊映画だそうです。不覚にもこの歳まで観ておりませんで、故あって観ておかねばと、先日TSUTAYAに走りました。

 私はCD50(ホンダ)という50ccのクラッチ式の原付に乗っております。走っていると劇中のオート三輪(屋根無し)を思い出しました。こんな感じかな、って。あのニーノ・ロータの旋律が頭の中を流れます。自分を知る言葉を持たない人間は大切なものを失うのです。人間って、哀しいなぁ。淀川長治さんが言ってたそうです、「静かで、哀しく、怖い映画」だと。 な~るほど。

 「ザンパノ」とはイタリア語で「悪」の意味があるそうで、彼は悪の象徴のようです。ただ映画のラストを見ると、そこに悪人はおらず、只々、人の哀しさを感じるのです。人生は欲望と純真と狂気でできているのでしょうか? 

 時には年代物のモノクロ映画もええもんですね。今度は「第七の封印」借りよかな。

 

                     

コメント
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