休日の昼間、映画「浅田家!」を観ました。実話に基づいて構成しているとのこと(この写真家さんほんまにいます)。最近は、やっている映画館でも、上映は一日一回くらい。今日はその一回をねらって観に行きました。
いやぁ、面白かった!(^^)!
年を取ると涙腺が緩くて緩くて、すぐ涙ぐんじゃう。この映画も余計なことを言わないよい映画でした。生きることってこれ全部だよねって、感じ。そして、人だけがこんな風に思い出を抱くのだな、とも。
思い出(記憶)って大事ですね。それを形に残すのが写真の役割。デジタルが全盛ですが、データより一枚の写真ですよ。物理的に眺められる紙媒体の写真がいい。
この映画を観ていてもう一つ映画を思い出しました。あのSFの「ブレードランナー」(古い方の)です。あの物語の中で人造人間のレプリカント達は熱心に写真を集めます。
今年亡くなったルドガーハワー
彼らは造られた時からの記憶しかないのです。まるで記憶喪失のように、成人からの記憶があるだけ。きわめて人間に近い彼らレプリカントは人間のように生き、死にたいと望みます。人の心のよりどころとなるもの、それは「思い出」。心を持ち始めた彼らにはそれがない。それゆえ、人間になりたい彼らは思い出(写真)をかき集めようとしたのです。他人の写真(思い出)を己の記憶にしてしまおうと考えたのでしょう。
「思い出」を愛おしむように描く物語を観て、あるはずのない「思い出」をかき集めようとする彼らレプリカントを思い出しました。
人にとって「思い出」がいかに大切か、そして、人にはそれを愛しむ心があるということを、映画の中に見たような気がします。