Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

骸骨の出土

2011-12-14 20:22:46 | その他
12月は普通、乾季に属していて雨が少ない筈だが今年は雨がよく降る。遺跡発掘の土方バイトは雨に左右されるので雨で仕事が中止した時は、もっぱらかっての自分の商売だったPA機材の残骸物をネットオークションで販売している。

今日も雨で土方が流れたのを幸いにけっこうな数の落札済みのオーディオ製品やPA機材を梱包作業にいそしむことにした。機材の点検、現況解説、画像撮り、落札者とのメール応答、運送会社への持込と全て個人の技を駆使した原始的零細ビジネスを地でいっている。梱包資材の段ボールなども近在にある大手スーパーの廃棄場所で必要数だけ失敬してきてなんとかなっているから不思議だ。これだけセコク意識化していればボケル心配もないと一人苦笑いすることもあるくらいだ。昨日はよく晴れて土方仕事もはかどった。1メートルくらいの深い溝を掘る作業に駆り出され崩した残土を掻きだす汗みどろな労働の途中に、誰かが朽ちかけた頭骸骨を堀あてた。歯の一部もついた頭蓋骨だ。

先日、墓石が見つかって作業員仲間の一人がお線香を手向けた場所の土中から発見されたもので、昔の土葬はずいぶん浅めな場所に埋葬するものだと思った。縁起を恐れて発見場所にお神酒を持ってきて供える管理職の仕草を見ながら、自分もそこを通るたびに合掌する殊勝な心理を呼ぶから不思議なものである。埋葬された時代は近世の村人だろうか?竹薮に近い窪地の墓があった場所も今や自動車専用道の計画公有地だ。初冬の「綿虫」が空に舞っているそんな昨日の頭蓋骨風景を思い出しながらパソコンに向かっている本日の内務労働のBGMはグレゴリア聖歌。シロス合唱団の男性修道士が幽遠にハモっているクリスマス聖週間に歌う聖務曲集だ。昨日、横目でみた名も知れぬ頭蓋骨へのささやかな手向けの気持で聞いている。