Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

黒土鍋の休日

2012-11-09 17:00:45 | 
3日連続の夜勤が明けて木曜日はちょうど休日になった。懸案の横須賀・深浦湾ヨットハーバーにハゼ釣りをと思ったが、足の指の回復が手間取っている。迷っているときに、信州の斑尾から帰ってきた友人から電話が入って、「むかご」「渋柿」「椎茸」など田舎らしいお土産を帰り道に買ってきたとの知らせだ。黒土鍋でなにか作ってみたいという提案も兼ねていたから、その威力を試してみようと気分転換の埼玉エリアへの訪問をきめる。

ついでに東松山の都幾川沿いにある「原爆の図」で有名な丸木夫妻の美術館にも寄ってみることになった。伊賀・土楽窯の通称「すっぽん鍋」は先日、友人宅へ差し上げて初めての顔見世となった。こった料理は時間がないから省いて、この鍋を使った肉と信州野菜尽くしの炒めものと、むかごの炊き込みご飯が臨時メニューになった。食材は和牛の良質ステーキ用肉が少し。霜降りの栃木・下野牛を銘うっている。椎茸は信州産でシメジ、アスパラガス、ピーマン、モヤシと適量の副菜も揃っている。強火による空炊きを注意しながら牛脂を使って具材を炒める。やはり黒土鍋の熱伝動は絶妙だ。普通のフライパンだと炒めた野菜からでた水分の収拾がつかない場合があるが、余熱が上手く吸収してくれる。くしゃくしゃにならない野菜の歯切れがいつまでも保持されて、これが、牛肉のジューシイな旨味を引きたてるのだ。先日の「協奏的調和」味の「倍音」効果は威力どおりである。

お酒と昆布の出汁でた炊いた「むかご飯」、ほっこりとしたむかごの実をくだきながら、シンプルに仕上がったうす味を噛み締める。どうやら満足の夕餉を迎えることができたようだ。
昨日は夜勤続きの単調な食生活のモードを変えてみようと、近所のスーパー「オーゼキ」で見かけた北陸産の回遊魚「ヒラマサ」を漬けにして「もずく」「大根の柚子漬け」などを副菜に手ごたえのある自炊晩飯が楽しめた。本日も存在感の異形を誇る土鍋で鮮度に満ちた秋らしい色彩りの食事ができて、足指の憂欝を一時的にも忘れることができて得をした気分になっている。