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この真夏も暇な店に引きずられて、逆に夏休み特有な気晴らしというものをする気が起きてこないまま9月を迎えた。8月下旬からの涼気を感じた友人が提案した益子半日ツアーに便乗することになった。昨年の日録を辿ってみたら9月初旬もかなりの猛暑日があったことを思い出す。益子は東日本大震災の翌年に行って以来だ。友人が運転するレンタカーと筑波エキスプレスを利用する日帰り旅である。
あれから数年を経て共販センターがある陶器店街の街並みが随分と洗練された変身を遂げている。震災直後の茂木町へ通じる県道沿いの大型陶器店の飾られた陶器類が崩れ倒れたままになっていたショーウインドウの光景がふとよぎる。益子の緑濃い里山や花々、質朴な栃木気風の人々を敬愛するものにとってはよい復興の流れが町の空気になっている。益子町のソフト化のせいだろうか、昔の陶芸職人がそのまま店番をしたり、隠居お婆さんが店番をしているような風景には出くわさなくなったのも少し寂しい。昔、大きな甕などをたくさん並べて売っていた「福島陶器店」等も女性向きな描画も華やかなクラフトアート調の陶器類がたくさん並んでいる。先代の店主が亡くなってもう10年になるそうで、このお店の売れ筋からは少しずれた益子昭和トーンが感じられるお土産を選んでみる。
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コバルト、鉄絵の草紋様を描く一輪挿し、緑釉に胴体の真ん中で鎬囲いしたような静けさを醸し出す大型湯呑み茶碗、その昔、同じ益子の酒井陶器店で購入した愛用茶碗を思い出す。すっかり歳月の味わいを増している鼠釉の武骨湯呑みみたいに出世させるには格好の素材だ。
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そういえば、前に寄って休業日だった「カフェ フーネ」ここはやっていた。小径の奥にある山裾の隠れ家風情の店だ。ランチそのものよりも益子自然を飽食できる贅沢空間が楽しい。
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庭に飛び交う赤とんぼに指を伸ばしたら返礼に指先へ止まって暫く滞在。チョロチョロ小虫を捕食している蜥蜴なども人の顔を眺めて逃げようとしない。これなども益子トーンの味わいということでそうこうしているうちにトンボ帰りの時間となる。
営業ご案内 営業する日 9月15(金)16(土)17(日) 13時〜19時 16日のみ15時から開店します。
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