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どうやら梅雨が明けたらしい。6月の記録的最短梅雨明けとのニュースだ。バイト先を変えてペースが戻ったせいか、店の慢性的停滞もさることながら暇があれば散歩に励んでいる。散歩先は横浜の旧市街地が多い。大抵、麦田から歩いて山手隧道をくぐって石川町付近を流れる中村川の辺りを海側には向かわず、上流の掘割川と中村川が分水する千歳橋付近まで歩く。
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この付近を北上して阪東橋、横浜橋、大通り公園、その北側を走る鎌倉街道、伊勢佐木モールに寄り道してJR関内駅へ向かうコースが好きだ。やはり子供時代の擦り込み記憶が強い地域なのだろう。
先だっても伊勢佐木町2丁目の路地横にある静かな古本屋で良き散歩の収穫に恵まれた。いつも面白い本が混じっている100円均一の並んだ路地に面した陳列棚が今回は不調である。そそられる駄本がなく珍しく中を覗いてみる。店内で目を惹く煤けた珍しい雑誌付録の表紙活字がこちらを向いて手招きしている。
「音楽之友」昭和29年5月号の付録「ジャズ音楽事典」と表記されている。さすが捨て値の100円を付けずに気張って300円を付けた若い店主の見識を称えたくなって、美濃古陶磁の特集をしている「小さな蕾」のバックナンバー(100円)と共に即買いする。これを関内駅北口に近い「ベローチェ」でしばらく眺める。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/a8/c5e919cf8a7374b13e8843a5643eb9c3.jpg)
この古本付録事典は一括してジャズと称しているものの、当時を反映してラテン、タンゴ、シャンソンといった洋楽ポップス他分野の記事もごちゃ混ぜになっているところが面白い。クラシック音楽が純音楽、その他は軽音楽イコールジャズという古典的仕切り法が通用していた時代を反映している事典である。中には後年にジャズ評論家の重鎮になっている野口久光さんのモダンジャズに至る原始的なジャズ発生からの発展過程の解説などは真面目な力作で今読んでも勉強になる優れものだと感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/b3/dc3f0600781fe8989b9d18cd5e92cb17.jpg)
モノクロのジャズプレイヤーの写真も時代を反映していて、未だ、パーカー、マイルス、コルトレーン、モンク、ゲッツ等、モダンジャズの中興の祖も口絵グラビアを飾っていないところが、昭和29年という時節を感じるところである。因みに表2対向面を大きく飾っているのは当時の人気ジャズメン、ハリー・ジェイムスのハンサム顔である。
1930年代から大スターになっているテナーのコールマン・ホーキンスなどは写真キャプションが「クレマン・ハウキ」、サッチモと二重唱している女性シンガーがエラ・フィッツジェラルドとは明らかに違う人物であったりするところも面白い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/9d/8928e722f01e083e9d9f50fb1ccca7a1.jpg)
ふとグラビアに載っているウディ・ハーマン楽団のメンバーに目が行く。端の方でテナーを抱えている顎の両端がよく張っている白人はどうやらズート・シムズで間違いなさそうだ。1953・4年頃の凛々しく、野太いテナーを吹きまくるズートの遠景である。
この古い事典を抱えて麦田の店に戻ってきた。そこへ久しぶりにLPマニアの雄ともいうべき世田谷区、用賀に住む昔馴染みのS君が現れた。持ってきたレコードが1957年に発売された「ズート」のアーゴレーベルの世評高い名盤である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/a9/61e197ec21ca50e7e0e855d7b7dde005.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/e5/d81eb7cd87876837760a2ca316506e87.jpg)
これは丁度良い奇縁ということで、S君共々、1943年製米国ゼニス社フィールド型ラジオスピーカーで聴くことになった。自分が家に保管している日本盤LPとは音の鮮度レベルが全く違って目前でスイングするズートが生々しい。4ビートに乗ってさりげない力感を披瀝する「ブルールーム」なんて曲はズートの真骨頂だねとS君と頷きあう良い時間になった。
営業日ご案内 7月6日・7日・8日 金、土、日 13時〜19時 価格変更 アイスコーヒー・アイスティー 600円 豆寒天、心太類 最低提供数(一日6食)に及ばず中止ちゅう。真に好きな方には手作りから応じることに
しました。
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この付近を北上して阪東橋、横浜橋、大通り公園、その北側を走る鎌倉街道、伊勢佐木モールに寄り道してJR関内駅へ向かうコースが好きだ。やはり子供時代の擦り込み記憶が強い地域なのだろう。
先だっても伊勢佐木町2丁目の路地横にある静かな古本屋で良き散歩の収穫に恵まれた。いつも面白い本が混じっている100円均一の並んだ路地に面した陳列棚が今回は不調である。そそられる駄本がなく珍しく中を覗いてみる。店内で目を惹く煤けた珍しい雑誌付録の表紙活字がこちらを向いて手招きしている。
「音楽之友」昭和29年5月号の付録「ジャズ音楽事典」と表記されている。さすが捨て値の100円を付けずに気張って300円を付けた若い店主の見識を称えたくなって、美濃古陶磁の特集をしている「小さな蕾」のバックナンバー(100円)と共に即買いする。これを関内駅北口に近い「ベローチェ」でしばらく眺める。
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この古本付録事典は一括してジャズと称しているものの、当時を反映してラテン、タンゴ、シャンソンといった洋楽ポップス他分野の記事もごちゃ混ぜになっているところが面白い。クラシック音楽が純音楽、その他は軽音楽イコールジャズという古典的仕切り法が通用していた時代を反映している事典である。中には後年にジャズ評論家の重鎮になっている野口久光さんのモダンジャズに至る原始的なジャズ発生からの発展過程の解説などは真面目な力作で今読んでも勉強になる優れものだと感じる。
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モノクロのジャズプレイヤーの写真も時代を反映していて、未だ、パーカー、マイルス、コルトレーン、モンク、ゲッツ等、モダンジャズの中興の祖も口絵グラビアを飾っていないところが、昭和29年という時節を感じるところである。因みに表2対向面を大きく飾っているのは当時の人気ジャズメン、ハリー・ジェイムスのハンサム顔である。
1930年代から大スターになっているテナーのコールマン・ホーキンスなどは写真キャプションが「クレマン・ハウキ」、サッチモと二重唱している女性シンガーがエラ・フィッツジェラルドとは明らかに違う人物であったりするところも面白い。
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ふとグラビアに載っているウディ・ハーマン楽団のメンバーに目が行く。端の方でテナーを抱えている顎の両端がよく張っている白人はどうやらズート・シムズで間違いなさそうだ。1953・4年頃の凛々しく、野太いテナーを吹きまくるズートの遠景である。
この古い事典を抱えて麦田の店に戻ってきた。そこへ久しぶりにLPマニアの雄ともいうべき世田谷区、用賀に住む昔馴染みのS君が現れた。持ってきたレコードが1957年に発売された「ズート」のアーゴレーベルの世評高い名盤である。
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これは丁度良い奇縁ということで、S君共々、1943年製米国ゼニス社フィールド型ラジオスピーカーで聴くことになった。自分が家に保管している日本盤LPとは音の鮮度レベルが全く違って目前でスイングするズートが生々しい。4ビートに乗ってさりげない力感を披瀝する「ブルールーム」なんて曲はズートの真骨頂だねとS君と頷きあう良い時間になった。
営業日ご案内 7月6日・7日・8日 金、土、日 13時〜19時 価格変更 アイスコーヒー・アイスティー 600円 豆寒天、心太類 最低提供数(一日6食)に及ばず中止ちゅう。真に好きな方には手作りから応じることに
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