皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
記録的な暖冬となったこの冬ですが、ここへきて急に冬らしくなってまいりましたね。それでも、三寒四温の言葉どおり、季節は着実に春を迎えているようです。園庭では梅がはや満開を過ぎ、クロッカスがいまを盛りと咲き誇っています。子どもたちが一人ずつ花壇に植えたチューリップの芽は日増しに大きく膨らんで、咲くべき時を静かに待っています。
さて、先週17日には39回目の卒園式が無事に終わり、91名の卒園生が立派に園を巣立って行きました。また本日19日は3学期の終業式がおこなわれ、長いようで短い一年が無事に終わりました。一年の活動の大きな節目にあたり、改めて保護者の皆様には御礼を申し上げたいと存じます。
今学期、そしてこの一年もまたたくさんの行事や日々の活動等において多大なるご理解とご支援をいただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。皆様のお力添えがあればこそ、私たちは理想に燃え、よりよい幼児教育を求めて邁進することができるのです。本当に幸せなことであります。
しんじんの子どもたちは、この一年もまた本当によく遊び、よく学び、よく見聞きしわかり、ひとりひとりが見事な成長を遂げてくれたように思います。子どもというものは、そもそもそれ自体すでに自ら伸びよう、良くなろうとする大きな力を秘めているものなのだと、改めて納得させられることがたくさんありました。とくに、年長組の子どもたちはそれぞれ一年、二年、三年間の園生活を通して、どこへ出しても恥ずかしくない立派な子どもへと成長してくれました。園長としてこれ以上誇らしい気持ちはありません。自信を持って小学校へ送り出すことができます。きっと彼らならどこへ行っても、誰と出会っても、どんなことが起ころうとも、生き生きと力強く歩いていってくれることでしょう。
輝かしい前途を心から祈念しています。
そして年少・年中組の子どもたちはそんな素晴らしい年長児たちをお手本に、今また新たなステップへ踏み出そうとしています。発表会を見事に成し遂げたこの頃は目の色もかわり、ひとりひとりの中にエネルギーの静かな高まりをひしひしと感じます。新年度からの一層の飛躍を願ってやみません。
さて、この卒園式・終業式をもってしばしお別れとなる方々へ一言申し上げます。これまで長い間たいへんお世話になり、ありがとうございました。遠方へ行かれる方もいらっしゃいますが、どうぞお元気でお過ごし下さい。
おしまいに、これまで共に歩んできたすべてのしんじんの子どもたちへ私からささやかな詩を捧げて結びといたします。四年ほど前に書いた「あたらしいあさ」という詩です。
それでは皆様、またお会いする日まで、さようなら!
「あたらしいあさ」
まえだ かん
あたらしいあさ
ふたたび春はやってきて
ひとつおとなになったきみに
こころをこめてつたえたい
きみにあえてよかった、と。
どうしてこんなことをいうのかというと
たとえばきみとぼくが
いまここにいるということ
それはまさに奇蹟的なことだからだ。
きみがこの世に生まれてきたこと
ぼくがこの世に生まれてきたこと
そしてぼくらがここで出会ったこと
あたりまえのようだけど
あたりまえじゃない。
ぼくらがきょう出会うためには
地球がなんかいもまわり
たくさんの夜をこえて
あたらしい朝をむかえ
おとうさんやおかあさんや
おじいさんやおばあさんが
野をこえ山をこえ
空を飛び海をわたって
ようやくたどりついた場所で
ぼくらをうんでくれたからだ。
だからまずぼくらはそのことに
ありがとうをいわなければならない。
自分ひとりで生きていけるひとはいない。
ひとはみんなひとりひとりだけれど
けっしてひとりぼっちではない。
きみがいないとぼくはさびしい。
きみが泣いているとぼくもかなしい。
きみが笑えばぼくもうれしい。
きみにあえてよかった。
あたらしいあさ。
あたらしいあさ
ふたたび春はやってきて
ここからたびだつきみに
いのりをこめてつたえたい
きみにさちあれ、と。
ゆるやかな川のせせらぎのように
きみの時間がながれていきますように。
たくさんの出会いが
きみの血となり肉となりますように。
どんなにつらい日があっても
じぶんの求めるものがあるならば
あきらめない勇気をもてますように。
じぶんより弱い人にはやさしく
じぶんより強い人にもやさしくあるように。
正しいことをするときには
だれかを傷つけてしまうこともあるのだと
いつもこころのすみに思っているように。
いやなことをいうひとがいたら
言ったことばではなく
言わなかったことばに
耳をかたむけられますように。
そしていつまでもくよくよせず
明日はどんないちにちにしようかと
わくわくしながら眠りにつけますように。
空の青さにあこがれたり
海の深さをおそれたり
ぎらぎらの太陽に目がくらんだり
大地のひびきに胸ふるわせたりしながら
時には風のように
時には焔のように
歩きつづけていけますように。
そしてもしもかなうならば
きみとぼくの歩くべつべつの道が
いつかどこかでつながっていたらうれしい。
たびだつきみにさちあれ。
あたらしいあさ
【今日の一枚】
今学期いっぱいで退園する子どもたちが、終業式の中で順番に挨拶をしてくれました。みなさんどうぞお元気で!
記録的な暖冬となったこの冬ですが、ここへきて急に冬らしくなってまいりましたね。それでも、三寒四温の言葉どおり、季節は着実に春を迎えているようです。園庭では梅がはや満開を過ぎ、クロッカスがいまを盛りと咲き誇っています。子どもたちが一人ずつ花壇に植えたチューリップの芽は日増しに大きく膨らんで、咲くべき時を静かに待っています。
さて、先週17日には39回目の卒園式が無事に終わり、91名の卒園生が立派に園を巣立って行きました。また本日19日は3学期の終業式がおこなわれ、長いようで短い一年が無事に終わりました。一年の活動の大きな節目にあたり、改めて保護者の皆様には御礼を申し上げたいと存じます。
今学期、そしてこの一年もまたたくさんの行事や日々の活動等において多大なるご理解とご支援をいただき、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。皆様のお力添えがあればこそ、私たちは理想に燃え、よりよい幼児教育を求めて邁進することができるのです。本当に幸せなことであります。
しんじんの子どもたちは、この一年もまた本当によく遊び、よく学び、よく見聞きしわかり、ひとりひとりが見事な成長を遂げてくれたように思います。子どもというものは、そもそもそれ自体すでに自ら伸びよう、良くなろうとする大きな力を秘めているものなのだと、改めて納得させられることがたくさんありました。とくに、年長組の子どもたちはそれぞれ一年、二年、三年間の園生活を通して、どこへ出しても恥ずかしくない立派な子どもへと成長してくれました。園長としてこれ以上誇らしい気持ちはありません。自信を持って小学校へ送り出すことができます。きっと彼らならどこへ行っても、誰と出会っても、どんなことが起ころうとも、生き生きと力強く歩いていってくれることでしょう。
輝かしい前途を心から祈念しています。
そして年少・年中組の子どもたちはそんな素晴らしい年長児たちをお手本に、今また新たなステップへ踏み出そうとしています。発表会を見事に成し遂げたこの頃は目の色もかわり、ひとりひとりの中にエネルギーの静かな高まりをひしひしと感じます。新年度からの一層の飛躍を願ってやみません。
さて、この卒園式・終業式をもってしばしお別れとなる方々へ一言申し上げます。これまで長い間たいへんお世話になり、ありがとうございました。遠方へ行かれる方もいらっしゃいますが、どうぞお元気でお過ごし下さい。
おしまいに、これまで共に歩んできたすべてのしんじんの子どもたちへ私からささやかな詩を捧げて結びといたします。四年ほど前に書いた「あたらしいあさ」という詩です。
それでは皆様、またお会いする日まで、さようなら!
「あたらしいあさ」
まえだ かん
あたらしいあさ
ふたたび春はやってきて
ひとつおとなになったきみに
こころをこめてつたえたい
きみにあえてよかった、と。
どうしてこんなことをいうのかというと
たとえばきみとぼくが
いまここにいるということ
それはまさに奇蹟的なことだからだ。
きみがこの世に生まれてきたこと
ぼくがこの世に生まれてきたこと
そしてぼくらがここで出会ったこと
あたりまえのようだけど
あたりまえじゃない。
ぼくらがきょう出会うためには
地球がなんかいもまわり
たくさんの夜をこえて
あたらしい朝をむかえ
おとうさんやおかあさんや
おじいさんやおばあさんが
野をこえ山をこえ
空を飛び海をわたって
ようやくたどりついた場所で
ぼくらをうんでくれたからだ。
だからまずぼくらはそのことに
ありがとうをいわなければならない。
自分ひとりで生きていけるひとはいない。
ひとはみんなひとりひとりだけれど
けっしてひとりぼっちではない。
きみがいないとぼくはさびしい。
きみが泣いているとぼくもかなしい。
きみが笑えばぼくもうれしい。
きみにあえてよかった。
あたらしいあさ。
あたらしいあさ
ふたたび春はやってきて
ここからたびだつきみに
いのりをこめてつたえたい
きみにさちあれ、と。
ゆるやかな川のせせらぎのように
きみの時間がながれていきますように。
たくさんの出会いが
きみの血となり肉となりますように。
どんなにつらい日があっても
じぶんの求めるものがあるならば
あきらめない勇気をもてますように。
じぶんより弱い人にはやさしく
じぶんより強い人にもやさしくあるように。
正しいことをするときには
だれかを傷つけてしまうこともあるのだと
いつもこころのすみに思っているように。
いやなことをいうひとがいたら
言ったことばではなく
言わなかったことばに
耳をかたむけられますように。
そしていつまでもくよくよせず
明日はどんないちにちにしようかと
わくわくしながら眠りにつけますように。
空の青さにあこがれたり
海の深さをおそれたり
ぎらぎらの太陽に目がくらんだり
大地のひびきに胸ふるわせたりしながら
時には風のように
時には焔のように
歩きつづけていけますように。
そしてもしもかなうならば
きみとぼくの歩くべつべつの道が
いつかどこかでつながっていたらうれしい。
たびだつきみにさちあれ。
あたらしいあさ
【今日の一枚】
今学期いっぱいで退園する子どもたちが、終業式の中で順番に挨拶をしてくれました。みなさんどうぞお元気で!