われらしんじんのこども

真人幼稚園の子どもたちの日々の様子や、
  楽しいエピソードなどをお伝えしています。

真人幼稚園の先生が選ぶ絵本・7月の絵本(令和4年度)

2022-08-25 16:49:29 | Weblog
 皆様こんにちは。いかがお過ごしですか。
 今年度も真人幼稚園の先生方による絵本の紹介をおこなってまいります。これは年間二冊の絵本をそれぞれが書店などで選び、教職員同士で読み聞かせをしたり、それぞれ絵本を選んだ理由や見どころなどを発表し合う、教員研修の一環としておこなっている取り組みです。そこで紹介された作品をぜひ皆様のご家庭にもお勧めしたいという願いから、毎年1・2学期末にこのような形で発表させていただいております。
 さあ、今回はどんな絵本が選ばれたのでしょうか? それぞれ作品を選んだ先生がブック・レビューを書いていますので、それらを参考になさって、この夏はぜひ親子で絵本に親しんでみてはいかがでしょうか。なお、それぞれの作品は園の図書に収蔵され、さっそく貸し出しをおこなっています。

『すいかのたね』
グレッグ・ピゾーリ 作  みやさかひろみ 訳  こぐま社
(青木涼香先生のブック・レビュー)
夏になると食べたくなるのがすいか!ですが、皆さんはすいかの種を飲み込んでしまったことはありますか?この絵本はすいかが大好きなワニがうっかりすいかの種を飲み込んでしまい、種はどうなるのか・・・と想像するお話です。私も子どものころは種を飲み込んだら体からすいかが出てくるかも、と思っていましたし、子どもから大人まで共感できるお話になっていると思います。種を飲み込んでしまったワニは一体どうなったのか、気になった方はぜひ読んでみてください。

『ぼくの!わたしの!いや、おれの!』
アヌスカ・アレプス 作  ふしみみさを 訳  BL出版
(本間愛梨先生のブック・レビュー)
自分の力だけじゃ手を伸ばしても届かない困難なことでも、みんなで力を合わせて一緒に達成できるとその喜びはとても大きなものになったり、自信につながったりもしますよね。
この絵本では友達との絆が感じられたり、そういう手もあったか!と気づくことのできる絵本だなと思います。みんなで協力するとこんな素敵なことが待っていると感じられる一冊です。ぜひ手に取って読んでみて下さい。

『いっぺんやってみたかってん』
はっとりひろき 作   講談社
(湯浅美咲先生のブック・レビュー)
今日は雨降り。せやから公園にはだーれもおりまへん。すると、どこからか声が聞こえてきて、「なーなーブランコくん、一緒に遊ぼうや~」。誰もが一度は「もし〇〇に感情があったなら」と考えたことがあるのではないでしょうか。この絵本の主人公は雨の日の公園の遊具たちです! 誰もいない公園で繰り広げられるダイナミックな遊具たちの遊び。そしてなぜか関西弁なところがよりコミカルな雰囲気になっていてクスクス笑ってしまいます。もしかしたら私たちの知らないところでは動いてお話しているのかも?とワクワクさせてくれる一冊となっております。ぜひお手に取ってみて下さい!!

『ぼくらのひみつきち』
といよしひこ 作   出版ワークス
(池田和先生のブック・レビュー)
都会から引っ越してきた男の子が田舎の男の子たちに誘われて山にある秘密基地に向かいます。そこに行くには大きな川を渡り、海を潜り、山を登らなければ行けませんそして、不思議な味の木の実やたくさんの虫、甘酸っぱい樹液の匂いなど五感を使い、全身で夏を感じながら秘密基地に辿り着くことができました。男の子が見た秘密基地からの景色はどのようなものだったのでしょうか。夏にぴったりの絵本なのでぜひ読んでみて下さい。

『100円たんけん』     
中川ひろたか 文   岡本よしろう 絵   くもん出版
(鈴木有咲先生のブック・レビュー)
皆様は子どものころ、スーパーや駄菓子屋に行くとお母さんから「お菓子は100円までよ。」と言われた経験はありますか?この本は100円で何がどれくらい買えるのかを調べるため、お母さんと僕が商店街に行き、いろいろなお店や場所で‘100円たんけん’するお話です。100円で何がどれくらい買えるのか。100円で魚はこのくらい、お肉はこのくらい・・・。同じ100円でも物や種類によって買える量が違います。きっと世の中の物の値段の違い、100円の価値について考えるきっかけになる一冊。お時間のある時にぜひ手に取ってお子さんと一緒に読んでみてはいかがでしょうか。

『マロングラッセ』
だるま森 作  BL出版
(新保欣位先生のブック・レビュー)
‘マロングラッセ’あまり聞き馴染みのないこのお菓子、皆さんは食べたことがありますか?「マロングラッセを作るお話かな?」「マロングラッセ屋さんのお話かな?」そんな想像をしてこの本を開くと・・・、なんと‼マロングラッセが登場するのは最初と最後だけなのです‼後のお話のテーマは「たんこぶ」。たんこぶを治すため、主人公の男の人は周りの人(動物)に助けてもらいに行きますが、結局治らずお家へ帰ります。そこへある訪問者が・・・。それはいったい誰で、何のために来たのでしょう。ユーモアあふれるお話の最後は心がポカポカあたたかくなれる結末が待っています。興味のある方はぜひお手に取って読んでみて下さい。

『れいぞうこのよこのおく すみっこのかくれんぼ』
うえだしげこ 作・絵  教育画劇
(川﨑里紗先生のブック・レビュー)
あるところに、仲良しなマヨネーズのマヨとケチャップのケチャがいました。二人は食べ物を美味しくすることが大好きです。スーパーに売られていた二人は同じ家に買われていきました。そのお家には料理が大好きな男の子が住んでいて、いつもマヨとケチャを使って料理をしています。そんなある日、男の子がいつものようにご飯を作っている途中、マヨを手に取るとマヨのふたがコロコロコロ~っと落ちてしまい、なくなってしまいました。男の子は探そうとしてくれません。ふたがなくなって落ち込んでいるマヨを見て、ケチャは何とか励まそうとします。ブロッコリーのもじゃもじゃのところを持ってきたり、シイタケのかさをかぶせてみたり・・・。でもどれもぴったりはまらず、マヨはもっと落ち込みます。さあ、果たしてマヨのふたはどこにあるのでしょうか?そして見つかるのでしょうか?最後にはほっこりする終わり方になっています。ぜひ手に取ってみて下さい!

『くみたて』   
田中達也 作   福音館書店
(伊藤美希先生のブック・レビュー)
この絵本はいろいろな物を組み立てるお話です。どんな部品を使ってどんな物ができるのか?身近にある洗濯バサミや歯ブラシなど・・・。
こんな風に作られているんだなあ、と思いながら見ていくと、あれ!?完成すると思ったら違うものに変身している!?だんだんとどんな物に変身していくのかとても楽しみになるお話です。この絵本を参考に子どもたちと分解したり、組み立てたり、作ったりしてみても楽しいのではないでしょうか。ぜひ一度手に取って見てみて下さい。皆さんのまわりの物も変身しているかも!?

『おめめのめがみさま』
よしむらあきこ 作・絵   教育画劇
(田中里奈先生のブック・レビュー)
一学期には健康診断がおこなわれます。先生方が子どもたちを安心させようと「怖くないよ、痛いことしないよ、元気かなって診るだけだよ」と伝えても、やはりお医者さんを目の前に一人ずつ順番が自分に近づいてくると怖いものですよね。そんな時にはこの一冊!お茶目なめがみさまが目の大切さをあの手この手で教えてくれます。本を読み進めるとお家の方と一緒にやってみようというチャレンジコーナーもあるので楽しみながら学べると思います。自然が大好きな私は海や山や星を見るとパワーがわいてきます。子どもたちにもゲームや本も楽しいですが、時には外に飛び出し、いろいろな心躍るような発見を良い目で見つけていってほしいという願いも込めてこの一冊をご紹介させて頂きます。どうぞ手にお取りになって読んで、そして目の体操も是非してみて下さい。

『コリンのお店びらき』  
 ひこ田中 文   山西ゲンイチ 絵   BL出版
(佐藤美樹先生のブック・レビュー)
小学生になったコリンは、父さんと母さんと一緒にフリーマーケットに参加することにしました。品物も全部自分で選び、コリンは自分だけのお店を開きます。10円玉を10枚、5円玉を10枚渡されて、ちょっとドキドキしながらお店を始めたコリン。おままごとのセット、おもちゃのラッパ、アヒルの人形・・・。小さな頃のものがなくなると自分がちょっと大きくなった気がしますが、実際に自分の手から離れていくと少しさみしい気持ちにもなる、コリンの複雑な思いも描かれています。
 物を大切にする心、捨てる以外の選択肢を増やしていくことなど、これからの生活の中で一人ひとりがより意識していくべき考え方に触れるきっかけをくれる一冊だと思います。コリンとの思い出を大切にする、コリンの父さんと母さんの姿にも心が温かくなりました。皆様もコリンのお店をぜひのぞいてみて下さい。

『秋』 
かこさとし 文・絵   講談社
 (園長のブック・レビュー)
『からすのパンやさん』でお馴染みのかこさとしさんは、2018年に92歳で亡くなりました。亡くなったあとで娘さんによって発見され、昨年出版された本書は、かこさんの遺した膨大な作品群の中でも珍しい、「戦争」についてのお話です。昔から秋が一番好きな季節だったというかこさんにとって、その年の秋は終生忘れ難い秋になりました。戦争を心底憎んでいたかこさんの、痛切なメッセージが、いま時を超えて私たちの胸に突き刺さります。

『よしよしよしおさん』
おおのたろう 作   ポプラ社
(藤井遥先生のブック・レビュー)
ニコニコ笑顔のよしおさんですが・・・。じつはただの優しいおじさんではないのです。よしおさんがよしよしするとみんながハッピーになるという不思議な力があります。きいろ組の子どもたちに読み聞かせをしたときに、子どもたち同士でニコニコしながらよしよしし合っている姿を見て、私も幸せな気持ちになりました。‘よしよし’にはこんなに素敵な力があるんですね。この絵本を読みながらお子さんとよしよしし合う素敵な時間を過ごしてみてください。


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 さて、今回の先生方が選んだ絵本の紹介はいかがでしたか? 
 真人幼稚園の子ども達は本当に絵本が大好きです。元気いっぱい遊ぶときは遊び、思い切り体を動かす。一方で、集中して絵本を読んだり、何かを作ったり、友だちや先生の話に耳を傾けたり、そういったこともとても得意です。その静と動、集中と発散のバランスが子どもの成長にはとても重要なのだと思います。そのような意味においても、心と体を鍛えるために絵本はとても大切なツールです。そしてなにより、お気に入りの特別な一冊があるということは、子ども達にとって何物にも代えがたい宝物であり、生涯にわたりその子どもを支えてくれる(時に本当に勇気づけてくれる)、大切な財産になるはずです。ぜひこれらのレビューをご参考になさって、本屋さんに親子で足をお運び頂き、お子さんと自分だけのお気に入りの一冊を探してみてはいかがでしょう。書棚の片隅で絵本たちは皆さんに発見されるのを待っています。
それでは皆様、またお会いいたしましょう!


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